物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

Stokesの定理

2023-04-19 14:49:16 | 数学

Gaussの定理とStokesの定理とがベクトル解析を学ぶの最後の目的であろう。ところがどうもこの二つの学習の目標がどうも納得いくようにわかっていない。そういう時期が今までずっと続いてきた。昨日だったか一昨日だったかに、このことを脱却できそうな感じがしてきた。

これは前に読んだ村上雅人さんの『なるほどベクトル解析』(海鳴社)を読んでいて初めて感じた感覚だった。実は以前にもこの本を読んだことがある。そのときにもわかりやすい本だとは思ったが、そのときはそれ以上ではなかった。

この本には実はGaussの定理のきちんとした証明はない。ところが実は問題に感じていた定理はStokesの定理の方であり、Gaussの定理ではなかった。Greenの定理からStokesの定理の一部が予想されているところがよいのだ。

実は『なるほどベクトル解析』のこの箇所の説明はマグロウヒル大学演習『ベクトル解析』(Ohmsha)が種本であるようだ(注)。実はマグロウヒル大学演習『ベクトル解析』を読んだとはいわないが、Gaussの定理とStokesの定理に関するところはすでに見ていたのに、その感覚をもつことができなかった。だからたぶんに村上さんの書き方がよいせいだと思う。

付け加えていえば、外微分形式の理論をもまじめに学んだ方がいいと思い出した。

Greenの定理、Stokesの定理、Gaussの定理はすべて、微分積分学の基本定理の一般化であることがすでに知られている。

そのことはすでに外微分形式ではよく知られたことであるが、ベクトル解析の普通のテクストではそのことがはっきりと述べられていないように思う。ベクトル解析のテクストと称して、外微分形式のことを書いた本はもちろん除くのだが。

しかし、そこまで話を一挙に一般化したくなかったのが、私の気持であった。さらに欲を言えば、Greenの定理を発見法的に学ぶことはできないのだろうか。


(注)村上さんは英語の達人でもあるらしいので、たぶん訳書があるのをご存じないであろう。訳書の英語の原本を読まれているのだと思う。もちろん説明の数式において記号等は適当に変えられている。