ベクトル空間、計量ベクトル空間についてまとめたいと思っている。
ポントリャーギンの『数の概念の拡張』(森北出版)の第4章「四元数」のところに四元数の説明に入る前に、ベクトル空間、計量ベクトル空間について書いてあるのだが、そこを読んでもなんだかよくわからなかった。読んでわからないだけではなく嫌になった。
しかし、『四元数の発見』(海鳴社)を英訳するためには第6章のところにベクトル空間と計量ベクトル空間の内容をまとめなければならない。それで線形代数のいくつかのテクストを読んでみたのだが、それでもよくわかっていなかった。
何回も『数の概念の拡張』の第4章を読んでいるうちに少しずつわかり始めている。もっともまだ十分にわかったとまではなっていないが。
ベクトル空間の公理についての説明はどの本にも書いてあるが、この公理の設定がどうやってできたかは書かれていない。それが分かったのではないかと思っている。とはいってもそんなに深い意味があるわけではない。でもそういうことは誰かがすでに考えてもよかったのではないか。いや考えた人はいるのであろうが、それを本に書いてくれる人がいなかった。
ベクトル空間から、計量ベクトル空間になるとベクトル空間に距離の概念が入ってくる。これを導入するのはべクトルの内積とかスカラー積とか言われるものによってである。