遠山啓著『現代数学対話』(岩波新書)は1967年発行の書である。購入して持ってはいたが、あまり読んだことはなかった。
それでもこの書の第4章は「拡張への衝動」というタイトルでそれほど難しくなさそうである。それで最近になってこの章を読んでみた。この章には私も関心を持っている n! とかガンマ関数のことが書いてあって興味深かった。
数学にはある結果が得られるとその結果を拡張したいという衝動を人々にあたえるところがあるという。
どういう契機でオイラーがガンマ関数を考えたのかという説明はこの書には書かれていなかった。いつかどこかで読んだところではオイラーは n! の補間に生涯関心をもっていたとのことなので、それがガンマ関数という関数を考えついた理由なのだろう。
(2022.5.18付記)ガンマ関数は積分で定義されるが、その値をどう評価するのかが私の今の関心事である。森口繁一さんの『数値計算工学』(岩波書店)にはその数値計算の仕方が少し書いてあるが、それほど詳しくはない。
ちょっと詳しい数学書にはガンマ関数のグラフがあるのが、普通なのでそれをどう計算して、評価したのかといつも疑問に思っている。