宮崎信行の夕刊フジ

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

高田昌也部長が二大政党に処方箋 「政策が前進するなら考え曲げろ」

2010年07月12日 20時00分00秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
[写真]高田昌也東京新聞政治部長(左端)と岡田克也外相(右端)

 岡田克也外相の実弟で、東京新聞(中日新聞)政治部長の高田昌也さんが第22回参院選の開票を受けた12日付1面トップに「傲慢さと硬直を捨てよ」と題した署名記事を寄せました。

 

 昌也さんは、菅首相の消費税発言をめぐる説明不足に「政権の傲慢さ」を感じたと指摘。参院選対策のために、予算委員会を開かずに通常国会を閉会した「国会運営の乱暴さ」も目についたとしました。

 国会は再び衆参でねじれるので、閣法はことごとく否決されることになる、とリアリスティックに断定。

 民主党尾は傲慢さを捨てて、野党各党と丁寧に協議して政策を進めていくしか道はない、として「たとえ自分たちの考えが曲げられようとも、少しでも政策が前進するなら受け入れなければならない」と民主党の針路を示しました。

 有権者はねじれを望んだとはいえ、国会が混乱することを望んでいるわけではないと分析しました。

 自民党に対しては、「真摯に民主党と議論して前進させる必要がある」「野党でも政策を着実に実現したという実績を残していくべきだ」と注文し、例えばバラマキ政策の完全撤回を求めるような硬直的な対応をしないよう釘をさしました。

 兄の克也外相にしても、弟の昌也政治部長にしても、「前に進む」ことを重視しており、また多少「曲げる」ためには、「傲慢さと乱暴さ(=小鳩)」を完全にゼロにする必要がある、という認識の一致点が見いだせます。

 (全文)

 「傲慢と硬直を捨てよ」 政治部長 高田昌也

 昨年夏に政権交代を求めた有権者は、今回の参院選で違う答えを出した。民主党はこの結果をよくよく考えなければならない。

 民主党惨敗の原因のひとつに菅直人首相の「消費税」発言があるのは間違いない。首相は国家が破綻してはならないという責任感から各党で協議しようと呼び掛けた。しかし、その説明が足りなかった。国民の痛みを伴うが、責任政党として必要なことを堂々と提案すれば、わかってもらえるはずだと。そこに、有権者はこの政権の傲慢さを感じたのではないだろうか。

 また、参院選対策を優先させるために、予算委員会も開かずに通常国会を閉めるなど乱暴さは国会運営でも目についた。

 国会は再び衆参でねじれることになった。政府与党が提出する法案は、ことごとく否決されることになる。

 菅政権を今後も継続させるならば、民主党は傲慢さを捨てて、野党各党と丁寧に協議して政策を進めていくしか道はない。たとえ自分たちの考えが曲げられようとも、少しでも政策が前進するなら受け入れなければならない。

 議席を大幅に回復した一方の自民党は、菅政権揺さぶりに全力を挙げるだろう。ただ、有権者はねじれを望んだとはいえ、国会が混乱することを望んでいるわけではない。

 景気・雇用対策、社会保障の再構築、財政再建など日本は多くの課題に直面している。それらを解決していくには、野党第一党である自民党も真摯に民主党と議論して前進させる必要がある。民主党との協議にバラマキ政策の撤回などを条件にする硬直的な対応を捨て、野党でも政策を着実に実現したという実績を残していくべきだ。

 与党も野党も自分たちが求める政策が何も実現できないという状況に陥っては、政治は責任を果たせない。各党が議論して、譲るところは譲り、なるべく多くの合意を求めていくという国会本来の機能を再生させる。それが政治の信頼を取り戻すことにもつながる。

(全文引用おわり)
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民主党は公明党と「125議席」で衆参ねじれを克服すべきだ

2010年07月12日 15時43分26秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

 国会法2条の3は、「参議院議員通常選挙の後、議員の任期の始まる日から30日以内に召集しなければならない」。

 第20回参院選出者の任期は7月25日まで。このため、7月26日(月)~8月24日(火)に第175臨時国会が召集されます。

 「平和と福祉」の立党の精神に立ち戻った公明党は、選挙区3で全勝しましたが、比例代表ではジリ貧で、議席数は19に減りました。

 公明党代表の山口那津男さんは元新進党衆院議員です。

 山口代表は12日午前の記者会見で、「慣例通り比較第1党である民主党から議長を選出するべきだ」、「議会全体の運営にかかわることだから、党派性を表して(議長を)取り合うということは原則避けるべきだ。比較第1党が議会の要職を占めるというルールは確立している」と述べました。

 議長選挙で、民主党(106議席)と公明党(19議席)が協力すれば、合計125票で、過半数を上回ります

 参議院では、議長・副議長選の過半数は122です。議長選出後の議案では、衆院と違って、参院議長は投票を棄権するのが慣例となっていますから、民主党が議長を獲れれば、その後の国会運営では、「121」が目安となります。

 第174通常国会では、与野党が激しくせめぎ合った「子ども手当法案」が終盤で公明党が修正し、賛成に回りました。

 その時のようすを当ブログ内から引用します。
 http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/6c3788808505efaaa39e7905770caaff

(抜粋引用はじめ)

 「平成22年度における子ども手当支給法案」が衆院を通過しました。衆院厚生労働委員会では、公明党から修正案が出て、児童養護施設が対象に加わりました。参院に送付されます。

 「児童手当の公明党」が修正・賛成に回ってくれたことで、名実ともに「児童手当・子ども手当」という継続性ができましたので、自治体も地方負担に関して納得するしかないと思います。とはいえ、民主党が「全額国費」と言っていたのは、なんとも野党風情の財政素人だったと僕は思います。

 児童手当と違い、所得制限はありません。が、今まで児童手当を受け取れなかった高額所得者は新しく手続きが必要です。

(抜粋引用おわり)

 実は、この後の議事録では、公明党の古屋範子衆院議員が賛成討論なのに、激しく民主党を攻撃しました。しかし、これは古屋さんが厚労委という現場の中で、公明党の代名詞とも言える「児童手当」について激しく大臣、民主党議員と闘った悔しさをぶちまけたのでしょう。最終局面で公明党が「賛成」したのは間違いありません。

 衆参のねじれは問題です。統一地方選(来春)で民主党と公明党が対峙する選挙区もあるでしょうが、国と自治体がねじれているのは、問題というよりも当たり前、健全です。

 小沢一郎さんに、「民公協力」を依頼しても、これは無理です。なぜなら、彼は「神崎グループを“純化”する」という、なんだかアフリカとか、中東とかの国で聞くような恐い理論を振りかざして、新進党を解党したからです。

 
[画像]1997年12月、新進党解党に反対する岡田克也さんに視線を送る「浜四津敏子さん(赤丸)」と、前列で耳を傾ける「草川昭三さん(黄丸)」ら。

 
[画像]参議院引退にあたり、「政策を聞いてもらった覚えがない」と新進党時代などの小沢一郎氏を批判する、公明党代表代行(羽田内閣環境庁長官)の浜四津敏子さん=6月17日付朝日新聞から。

 新進党解党後は、神崎グループは「新党平和」の渡し船を造りました。旧自民党系の「民政党」、旧民社党系の「新党友愛」の渡し船で第2次民主党(1998年4月結党)に乗り込んだ国会議員は、新進党で“同じ釜のメシを食った仲”“戦友”です。

 当時は、石田グループ→神崎グループと呼ばれていました。今調べたところ、現在の公明党衆院議員21人のうち16人(当選5回以上の15人+京都市議を経て昨夏国政復帰した竹内譲さん)つまり「76%が元新進党」なんです。

 民主党にしろ、公明党にしろ、1997年12月の新進党解党大会まで頑張った人は“戦友意識”がありますので、「民公協力」のかすがいとなるでしょう。

 日本の安定のために、衆参ねじれ解消のために。すべての議案とは言いません。まずは「参議院議長案」がスタートです。

 民主党は公明党と連携の一歩を踏み出すべきです。

 とまあ、小生の基本方針パラダイムをブログに書いたところで、政局は嫌いなので、リラックスしたり、体を鍛えたり、整理整頓したり、昼寝したりしながら、第175臨時国会を待ちます(^o^)

時事ドットコム:参院議長は民主からと公明代表=平沼氏は野党共闘に賛意-参院選

 公明党の山口那津男代表は12日午前の記者会見で、みんなの党の渡辺喜美代表が野党共闘による参院議長の選出を求めていることに反対し、慣例通り比較第1党である民主党から議長を選出するべきだとの考えを示した。
 山口氏は「議会全体の運営にかかわることだから、党派性を表して(議長を)取り合うということは原則避けるべきだ。比較第1党が議会の要職を占めるというルールは確立している」と述べた。
 一方、たちあがれ日本の平沼赳夫代表は同日の記者会見で「自民党が(参院で改選)第1党になったわけだから、野党側から議運委員長も含めて(議長を)出していくべきだ。野党側でしっかりと協議しないといけない」と渡辺氏に賛意を示した。 (2010/07/12-12:57)

tag 新進党を解党した小沢一郎を歴史法廷の断頭台に送ろう。

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【第22回参院選】岡田民主党は完勝!政権・党建て直しに全力を尽くせ!

2010年07月12日 06時00分17秒 | 岡田克也、旅の途中

(初エントリーは2010年7月11日午後11時57分)

  第22回参院選の開票スタートから2時間ほどで、昨年5月16日の代表選で岡田克也さんの推薦人になった改選議員全員が当選確実となりました。

 茨城選挙区で農水副大臣の郡司彰さん
 静岡選挙区で国交政務官の藤本祐司さん
 大分選挙区で厚労政務官の足立信也さんです。

 そのほか、先頭に立って応援した
 東京選挙区の行政刷新担当大臣の蓮舫さん
 京都選挙区の内閣官房副長官の福山哲郎さん
 三重選挙区の芝博一さん
 滋賀選挙区の林久美子さん

 らも、みな当選確実となりました。

 人を見る目がある候補者は、有権者からもしっかり見られているということですな。 おめでとうございます!

 新生党→新進党→民主党と一緒に歩んだ、長野選挙区の防衛大臣の北澤俊美さん、比例区の前田武志さんの72歳コンビが当選し、にらみを利かせます。

 元三重県連仲間である、神奈川選挙区の金子洋一さんも、選挙区のオーラスで、当選しました。 

 岡田さんのアキレス腱だった参院民主党内で、岡田さんの発言力がようやく高まりそうです。

 とはいえ、第20回参院選で岡田民主党が獲得した50議席(投票日時点での公認者)を割り込む見通しとなってきましたので、力を合わせて、民主党政権を発想そのものからしっかりと建て直していく先頭に立ってもらいましょう。また、国会を通じて、自民党さん、公明党さん、みんなの党さんらとみっちり話し合っていく上での議論の中心にならなければいけません。

 自民党の議連「CP研」の仲間の栃木選挙区の簗瀬進さんが落選しましたが、彼は「政権公約を実現する会(鳩山グループ)」の会員だったのだと思いますから、しかたありません。鳩山グループは“依存体質”があり、自分の脚で踏ん張りきれないベテラン・中堅が多い傾向がみられます。

 対抗馬(鳩山由紀夫さん)の推薦人になった改選議員のうち、比例区の広中和歌子・元環境庁長官と、長崎選挙区の犬塚直史さんの2人が落選しました。犬塚さんは、小沢グループ「参院一新会」(政治団体登録はしていない)の主要メンバーです。

 
[写真]落選した小沢グループの犬塚氏=読売新聞紙面から

 九州の1人区のうち、岡田さんを推薦した足立さんは当選し、鳩山さんを推薦した犬塚さんは落選と明暗がくっきり分かれました。

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【比例区】前田武志さんが当選確実 

2010年07月12日 03時42分39秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏

 午前3時半を過ぎましたが、前田武志(前田たけし)さんに当選確実が出ました。朝日新聞のネット版では民主党の比例獲得議席を16議席としており、前田さんの票は現在13位となっており、当選確実を付けています。NHKはまだ出ていません。

 高齢のほか、6年前と違って党に逆風があり、厳しいかと思いましたが、比較的余裕を持った勝利。ここ6年間、国会内での活動量が多かったことと、民主党奈良県連の足腰が強くなったことに加えて、やはり天理教さんの力も大きかったと思います。

 私としても新生党結党メンバーかつ第二次民主党結党メンバーが国会に1人でも多く残ってくれることが、とてもうれしいです。

 いずれにしろ、2016年7月までの任期となります。前田武志さん、当選おめでとうございます。応援してくれた人、おめでとうございます、ありがとうございます。

[関連エントリー]

要注意! 前の「前田」で前に進もう

【比例区】やっぱり「前田たけし」でしょう
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【神奈川】金子洋一さんが当選確実 デフレ脱却に希望の光

2010年07月12日 00時51分06秒 | その他

 NHKは12日深夜0時45分、第22回参院選神奈川選挙区(定数3)で、民主党公認の金子洋一(かねこ洋一)さんの当選確実を出しました。自民党の小泉昭夫さん、みんなの党の中西健治さんに続く当選で、複数擁立の中、法務大臣の千葉景子さんを破る厳しい闘いでした。

 金子さんは民主党最強エコノミストで、デフレ脱却論者として知られます。また、外相の岡田克也さん、財務相の野田佳彦さんらと近く、勤続1年ながら、与党現職議員として、力を発揮できそうです。

 神奈川県民の良識と経済観は、日本銀行(日銀)にも大きなメッセージを発信したと思います。

 デフレ脱却に向けて頑張りましょう。

 神奈川県民のみなさまに心からの感謝とお礼、そして祝福をお贈りします。

 ありがとうございました。

 おめでとうございます。

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