【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

菅総理、「石にかじりついても」 第46回衆院選の国民の信が出るまで続投

2010年11月09日 19時35分02秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗
【衆院予算委員会 平成22年度1次補正の審議 2010年11月8日(月)】

 「政務三役、経産政務官を1年間やって、与党議員としての質問は初めてです」と切り出して質問に立った民主党の近藤洋介さん。野党時代の近藤さんは、代議士会で「こう見えても気の弱い男でございます」と切り出してあいさつするのが常套句でしたが、政務三役を経験して堂々としていました。

 近藤さんは、「最近20年間で総理が14人代わった。日本経済の復活に最低限必要なのは、菅総理が石にかじりついても衆議院の任期満了(2013年8月)まで務め上げて、必要な政策を実行する覚悟だ」

 菅直人・総理は、「どこまで頑張れるか分からないが、物事が進んでいる限りは、石にかじりついても頑張りたい」。

 「首相が20年間で14人も交代したのは日本の政治の大きなマイナス。衆院の任期を一つのめどとして、一度政権を担当したら、4年後に国民の信を問う。政権交代したのだから、これからは4年単位の考え方が慣例になるのが望ましい」と答弁しました。

 菅さんがこの「政権交代可能な二大政党デモクラシー」を国会で表明したのは、私の記憶ではこれが初めてです。

 菅さんは2009年2月の衆院予算委員会では、「野党の筆頭理事として当初予算の締めくくり総括質疑ですので、私がこの委員会で政府に指摘したことを政策に反映させているかしっかり確認させてもらいますよ~」と切り出し、傍聴席にいた私はへなへなと力が抜けました。半年前後以内に政権交代をかけた天下分け目の第45回衆院選があるのに、その前の自民党政権最後の本予算で自民党を助けてどうするんでしょうか。政権交代後の最初の代表質問では、長妻昭厚労相に対して、「長妻大臣、いろいろ課題があってタイヘンでしょう。(大臣を)代わってあげますよ」という野党質問としては極めて新鮮だった自民党の西村康稔さんの挑発に対して、鳩山由紀夫首相は「若い西村議員におかれましても、自民党から飛び出すぐらいの覚悟でがんばってほしい」とエールを送り、私はまたしても天を仰ぎました。「若い西村議員は、自民党を政権政党に建て直すようがんばってほしい」と言ってほしかった。

 ハッキリ言えば、このことをずっと言い続けてきたのは、民主党内では岡田克也さんです。原口一博さんや、安住淳さん、長妻昭さんらもずっと言い続けてきました。

 菅総理、やっと分かってくれたのですね。

 ただし、この4年間(残り2年半弱)は、国難です。

 菅さんは石にかじりついて、歯が折れて、顔が傷つき、服がボロボロになり、爪がはげて、そして、指や手や脚がとれてでも、総理という石にしがみついてほしい。第46回衆院選の選挙結果が出るまで、絶対に辞めないということが菅直人に課せられた最大の使命です。指や手や脚がとれても、私は自分の天寿を全うするまで、菅直人のことを忘れない、このことを約束します。がんばれ。頼むぞ、菅直人。あんたしかいないんだ!!!