【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【訂正あり】陸山会が政治資金収支報告書を大量に訂正 官報の冒頭3ページが埋まる

2010年11月16日 21時02分59秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

 片山善博・総務大臣はきょう(2010年11月16日)付で、総務省告示の410号~419号と、10本という大量の総務省告示を発令。11月16日付官報の冒頭4ページ目までが総務省告示で埋まりました。これは「建制順」というものが総務省は第1位だから、冒頭になるわけで、ちなみに「建制順」という語感から府省の歴史が古い順という勘違いがありますが、総務省は2000年の橋本行革で出来たばかりの若い省ですから、建制順とはあらかじめ法令で定めた順番、いわば法が定めた秩序です。

 それはさておき。

 官報平成22年(2010年)11月16日付本紙(5438号)のホームページ↓(けっこうすぐにリンク切れしちゃいます、もっと延ばしてほしいですよね)
http://kanpou.npb.go.jp/20101116/20101116h05438/20101116h054380003f.html

 この総務省告示は、

〇総務省告示第四百十二号
政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四
号)第十二条第一項の規定による政治団体の収支
に関する報告書について、岡昭会及び陸山会から
訂正の報告があったので、同法第二十条第一項の
規定に基づき、平成十四年総務省告示第五百二十
四号(政治資金規正法の規定による政治団体の収
支に関する報告書の提出があったので要旨(平成
十三年分)を公表する件)の一部を次のとおり訂
正する。
平成二十二年十一月十六日
総務大臣
片山善博

といった文面で、他の政治団体と混在していますが、「陸山会」以外は小沢氏とは関係なく、一緒に告示されただけ、ということだと思います。おそらく5月末までに総務省に提出し、今月末に公表予定の2009年暦年分の政治資金収支報告書の訂正だと思います。

[追記 2010年11月17日 午前10時]

【訂正】

 コメントで指摘をいただき、再度確認したら、コメント通りでした。このエントリーに書いてあることがかなり見込み違いであることが分かりました。平成14年分(2002年分)で陸山会の小澤一郎さんからの借入金が620万円増額する修正をしたことから、五月雨式に平成20年分(2008年分)までの借入金や、そして単式簿記であるために、繰越金額、収入総額まですべて直さなければいけなくなった、ということだったことが分かりました。訂正いたします。とはいえ、事後修正により官報の3ページ分を埋めてしまうという現実
はやはり人騒がせだ、と強調したいところですが、いずれにしろ、訂正します。それと、当ブログは司法は門外漢ですが、平成17年分(2005年分)に関して刑事責任を問われたり、強制起訴の法的手続きが進んでおり、当該刑事事件の検察・裁判所・弁護士の書類も書き直しが必要になり、手間取りのではないでしょうか?とはいえ、訂正は訂正です。おわびします。コメント欄でご指摘いただいた方ありがとうございました。

[追記おわり]

例えば総務省告示417号のなかには、

「(借入金)
小澤一郎35、928、973」

「(借入金)
小澤一郎41、128、973」
に改める

という記述もあります。

 ざっと数えたところ、25カ所訂正したようです。まあ、あまり小沢さんのことで僕の人生の有限な時間を浪費したくないのでざっと正の字を書いてみたら、25カ所だと思います。

 ただし、事実関係を25も訂正したわけではなく、単式簿記で記載される収支報告書の、「収入総額」「本年収入額」「前年繰越額」「借入金」などの費目を書き直したようです。いずれにしろ、小沢事務所内のガバナンスがぐっちゃぐちゃになっていることを想像させます。

 昨年分に関しては、2009年3月3日に公設第一秘書(ことし3月退職)兼陸山会会計責任者が逮捕され、帳簿も押収されたはずですから、そこから会計責任者が政策秘書(10月に退職)にバトンタッチして、3月31日のシメキリ最終日に提出していて、訂正に次ぐ訂正でした。まあ、さすがに、これはじゃっかん同情の余地があります。しかし、1年経って、公表直前に慌てて収支報告書を事後修正することは、国民によるチェックの透明性を失うことになりかねず、何らかの疑念を持ちたくなるのが当然だと思います。とはいえ、訂正しないと、もっと疑惑を持たれるような現実があったのかもしれませんが。

 いずれにしろ、政治家は疑惑を持たれるようなことははじめからしないのがイチバンです。

 平成21年分の政治資金管理団体など政治団体の総務大臣届出分は、数週間以内に次のページからみることができます。各種新聞報道が出ますから、その頃合いになったら、次のページをのぞいてみて、有権者としてチェックしてください。ひょっとすると、私たちの1票より、1社のカネが国会での投票行動を動かしているかも知れませんよ。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/

 全体像が見えた時点で、小沢一郎さんには国会での説明責任を求めたいところです。