【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自民弁護士「離婚後共同親権の民法改正で多数の案件が新たに裁判所に持ち込まれる」、立憲「裏金と経済安保は関連している」

2024年04月05日 18時15分33秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]世耕弘成さん、3年前の2021年4月、長野市で、宮崎信行撮影。

 宮崎信行は、2017年の「旧立憲」結党直後から、頼んだ記憶はありませんが、幹部日程、政調日程、衆参質問通告表、常任幹事会、次の内閣の机上配布資料をメールでいただいています。いちいち言うまでもない後ろ盾の岡田克也衆議院議員が「立憲」に入党する3年前です。それどころか「午前9時半 参議院議員総会」の日程は私が要求して自分が多少汗をかいたことで「党本部」から「衆議院第五控室」に流通するようになったので、記者クラブメディアにも感謝してほしいところです。国対は、辻元さん馬淵さんのときは国対委員長会談の日程は事前にもらえますが、安住淳さんが就任すると来なくなるので、これは、国民民主党の共有システムで教えてもらっています。国民さんもすべていただいています。非・記者クラブでは私一人です。

 昨夕のNC次の内閣は「トンビ」が8名ほどいたかと思いますが、大西健介代理と長妻昭政調会長のブリーフィングは、廊下の扉を開けっぱなしですが、トンビが耳のそばだてていることはないようです。ひょっとするとペーパーは直後にもらっているのかもしれません。記者も30名ほど出席しています。オンレコですが、党公式のアップはありません。

 15年前の政権交代期は、直嶋正行政調会長と細野豪志「政調副会長(兼)国対副委員長(兼)衆議院予算委員」がリードしていました。NCは「衆議院第十六控室」でやっていましたが、トンビが壁耳をしているとし、党本部の6階の大会議室に移してしまいました。判断を主導したのは当時の小沢一郎代表だったと思われます。これがスムーズな政権交代の障壁になった要因の一つです。

 昨日幹部の議員事務所長に「立憲選対は情勢調査が流出しない」とし私は「けしからん」と主張し、所長は「しっかりしている」と評価。その件はいったんおいて、今国会は重要法案目白押し国会ですから、政調の情報をどこまで漏洩していくかのコミュニケーションが大事となります。

 で、昨夕のブリーフィングで長妻さんが「NCで決定した22項目の附帯決議の案を政府与党が飲まなければ大変なことになる」と記者につぶやきましたが、経済安保法案は修正可決のうえ、22項目の附帯決議を立憲議員が読み上げて議了しました。

【衆・内閣委員会 きょう令和6年2024年4月5日(金)】
 「セキュリティークリアランス経済安保2法案」(213閣法24・25号)は修正議決しました。また22項目の附帯決議もつきました。
 これに先立つ総理入り質疑では、立憲の山岸一生さんが「昨夕の党紀委員会で裏金の処分が出たが、今回総理自身はなぜ処分を免れたんですか」と問いました。首相は「派閥との関係においては、派閥を解消し、人事と派閥を分断する取り組みを進めました。今回の処分について私自身は個人的な政治資金の修正はなかった」としました。山岸さんは「この処分を持って党内のけじめをつけて秋の総裁選挙に再選を目指して出馬をするということか」とすると「ご質問の規定については、昨日も選挙なのかどうかとか、様々なご質問を受けましたが、そういった具体的なことは何も考えておりません。総裁として、党の信頼回復への道のり、まだ道半ばです。それを最終的には国民の皆さん、そして党員の皆さんにご評価後判断いただく。それが自由民主党の総裁の立場」だとしました。かなり場内が騒然として、それが自民内のどういう議員かは判然としませんが、委員長が法案のタイトルを読み上げて、関連した質問をするように注意。山岸さんは「全て関連しております」と気色ばみました。

【衆・法務委】
 「離婚後共同親権の民法改正案」(213閣法47号)。委員のさしかえは、統一教会との関係がささやかれる自民旧安倍派の元文科相の柴山昌彦さんは、参考人に対する質問者として登場しました。きょうは、弁護士の三谷英弘さ
んがさしかえで登場し、積極派の本音が透けて見えました。三谷さんは離婚の調停や裁判で「期日がなかなか入らない。2ヶ月に1度しか期日が指定されないなど、進行が遅くなっている。それに加えて、今回の改正によって、親権者間の意見の相違、改正民法の施行前に離婚した夫婦の親権者変更など多数の案件が新たに裁判所に持ち込まれることが想定されています」と弁護士焼け太りを明確にしました。針小棒大とはいえ弁護士が出る幕を増やし、長くする意図はあるはずです。

 三谷さんは「続いて、養育費と親子交流についてお伺いします。子の利益を形にするのが養育費の支払い、そして、親子交流。車の両輪」としつつ、「今回の改正では、養育費の支払いは履行確保の観点から先取特権を認める内容が入っております。他方で親子交流については、履行確保の手段というものが、特段入っていない」とし、「特段の理由なく親子交流を拒む場合、それまでの別居親の側に子供を移すことも可能だという理解でよいか」としました。離婚要件を満たす別居に際して子を連れ去る(国際的にはハーグ条約で禁止)事案への対応が必要だとの認識です。三谷さんの引用は、意地悪な引用だったかもしれませんが、問題点は分かりやすかったです。

【衆・本会議】
 「NTT法改正案」(213閣法33号)が可決し、参に送られました。
 「産業競争力強化法改正案」(213閣法23号)が斎藤経産相から趣旨説明され、大企業、中小企業だけでなく、特定中堅企業などの分類を新設するねらいを説明しました。
 立憲の荒井優さんは「民間企業は、不祥事発覚後に客観性のある第三者委員会が、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにやったのかを明らかにし、最終的には責任者が辞任をしています。政治にも不祥事がありました。自民党は80名以上の所属議員がキックバックを受け取り、裏金脱税の疑いも指摘されるなど、信頼を失っているにも関わらず、お手盛りの内部調査しか行いません。本日に至っても、その裏金を何に使ったのか、誰がキックバックを復活させたのかを国民には説明していません。昨日、82名の自民党所属同裏金議員のうち、不記載記載額500万円以上の39名だけが処分されました。なぜ、500万円以上なのか。なぜ、二階元幹事長は処分されないのか。なぜ、会計責任者が立件された宏池会の会長である岸田総理は処分されないのか」とし「そして、これら全ての責任者である岸田自民党総裁は、自ら責任を取ろうとしないのか、このことではありませんか。民間企業で責任者がこのような態度だと、企業はつぶれる」と追及を加速するかまえを示しました。

【参・本会議】
 「能登半島地震住宅再建支援給付金の差押禁止法」(213衆法5号)が可決し、成立しました。
 「裁判所職員定員法を改正する法律」(213閣法第15号)が可決し、成立しました。「4月1日か、公布日のいずれか遅い日」に施行すると本文に書きこまれていました。
 「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の改正案」(213閣法第52号参先議)が可決し、衆に送られました。
 「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の改正案」(213閣法第44号参先議)と「公益信託に関する法律案」(213閣法第45号参先議)が可決し、衆に送られました。
 「特定農産加工業経営改善臨時措置法改正案」(213閣法第50号)が可決し、成立しました。

【衆・経済産業委】
 「水素社会基本法案」(213閣法16号)と「CCS二酸化炭素貯蔵法案」(213閣法17号)を可決すべきだと決めました。

【衆・財務金融委】
「旅費法改正案」(213閣法8号)が審議入りしました。立憲は「賛成」を昨夕党議決定しており、それに沿った質疑をすることになります。

【衆・環境委】
 「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案」(213閣法60号)が審議入りしました。

【衆・国土交通委】
 「陸上物流2024年問題の一括改正法案」(213閣法19号)の審議。

【衆・厚生労働委】
 「雇用保険法改正案」(213閣法10号)
【衆・地こデジ特別委】
 重要広範議案「子ども・子育て支援法改正案」(213閣法22号)の質疑。ここ2カ月間の質疑で、現代日本社会の常識は「保険料と税金は別だ」
と分かりました。なので、失業保険、健康保険、労災保険を受給しながら病室から花見をした人も権利を持った社会の一員であることが改めて明確になりました。
【衆・外務委】「日・アンゴラ投資協定」(213条約3号)「日・ギリシア租税協定」(213条約4号)「日EU・EPA」(213条約5号)を承認すべきだと決めました。

【参・災害対策特別委】【参・地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委 】【衆・議院運営委】【参・議院運営委】【参・予算委理事懇談会】【参・政治倫理審査会幹事懇談会】も開かれました。

 以上です。