【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

世耕弘成政倫審で公明党からブーメラン「国民は怒っています。かつて他党の大問題があったときにも不起訴になったときに世耕議員もそういう発言をなされております」

2024年03月14日 21時16分52秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]世耕弘成さん、3年前の2021年、長野市内で宮崎信行撮影。

 3つの噂を提示します。(1)安倍晋三清和会会長が裏金をやめようとしたのは法務省官僚が「上申」したからだ(2)離婚後共同親権法案は旧統一教会が離婚禁止法と家庭教育支援法を推進するためだ(3)同法案は、悪徳弁護士が離婚の調停を長引かせて手数料を得ようとしているからだ。(1)は未解明、(2)と(3)は針小棒大とはいえど正しそうだとなりました。

【参議院政治倫理審査会 きょう令和6年2024年3月14日(木)】

 議決された32名のうち3名が弁明とそれに対する質疑を受けました。

 世耕弘成さんに対して、同じ与党の竹谷とし子さんは「国民は怒っています。かつて他党の大問題があったときにも不起訴になったときにも世耕議員もツイッターでそうした批判をする、そういう発言をなされております。国民からの政治に対する信頼。今回の自民党の派閥の還付金問題で噴出している。そういう状況にあります」としました。世耕さんは「これはもう私のですね、事務所の管理監督不行き届きにつけるというふうに思います」と返しました。

 蓮舫さんは2022年3月の幹部会合について聞きました。蓮舫さんが2022年の3月のある日に、安倍晋三会館事務所で、細田前会長西村事務総長、参議院を代表して世耕清風会会長、松本事務局長が同席で現金還付について、安倍さんと話したことはございませんか」と問うと「私の記憶にも残っておりません」としました。世耕さんは「話し合ったというよりは、安倍晋三会長の決定を伝達された。私はそれを参議院側に伝えてほしいということで呼ばれた」としました。

 世耕さんは「私は命をかけて参議院幹事長として参議院自民党を盛り立てようという思いで4年3ヶ月務めました。その職を辞するという決断をさせていただいた。これは刑事的には私は不起訴嫌疑なしですから、真っ白なわけでありますけれども」と述べました。佐藤正久さんへの答弁。

 西田昌司さん、橋本聖子さんも苦しい弁明となりました。

【衆・本会議 同日】
 「旧優生保護法で手術を受けた者への一時金支給法案」(213衆法 号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。
 「離婚後共同親権を原則とする民法改正案」(213閣法47号)が小泉龍司法相から趣旨説明されました。各党の代表質問ではよい面も悪い面もあるとしました。養育権や監護権を知らない人が多いとの指摘もありました。法相は「資力の低い人は民事法律扶助も使える」としました。旧法では、男性のみの親権だったのが、戦後新家族法で共同親権となり、離婚後も共同親権となるのあ進歩だとする意見もでました。
【衆・総務委 同日】
 「NHK予算承認案」(213承認1号)の審議。
【衆・災害対策特別委 同日】
 定例日が木曜日、予備日が水曜日とされます。防災相の所信及び能登地震報告がありました。
【衆・北朝鮮拉致問題に関する特別委員会 同日】
 各大臣の所信。
【衆・情報監視審査会 同日】
 政府からの説明の聴取と自由質疑。
【衆・政倫審幹事会】
 来週18日(火)の開催を決定しました。
衆・憲法審査会は木曜日が定例ですが今週も開かれませんでした。
●参・予算委は開かれませんでした。あすは農業などの集中審議。

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自民は裏金幕引き図るも、参・予算委は立憲1期「立ちんぼの4割→ホスト」「北陸新幹線延伸イベントで森喜朗さんに「ちょっとこの後話しませんか」と誘うべきだった

2024年03月13日 17時32分18秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]自民党本部、参議院議員会館裏から見て、9年前の2015年11月、宮崎信行撮影。

 自民はあすあさって、衆参の政治倫理審査会に、清和i会幹部の橋本聖子、世耕弘成、西田昌司、下村博文各氏の「小出し開催」で、幕を引こうとしています。もちろん政倫審に捜査権限はないので、今回も使途が明らかにならないまま裏金のイメージだけ続くでしょう。逆にきょうの予算委員会で野党が地下金脈の使途を明示しました。立憲民主党1期生の塩村あやかさんは「大久保公園の立ちんぼの4割はホストの売掛金」だとしました。「ミスター政治改革」の遺伝子をつぐ羽田次郎さんは、北陸新幹線延伸イベントで首相が森喜朗さんを「ちょっとこの後話しませんか」と誘い経緯を聞くべきだったと諭しました。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月13日(水)】
 「令和6年度予算案」は9日目で、集中審議「外交・安全保障等を含む内外の諸課題」。
 立憲民主党の塩村あやかさんは昨秋の臨時国会の内閣委員会冒頭で国家公安委員長、消費者担当大臣から悪質ホスト問題で前向きな答弁を得て、大きく報道されました。立憲は、その月のうちに「特定遊興飲食高額債務問題対策の推進に関する法律案」 (212衆法13号)を作成しました。
 塩村さんは警察庁長官を政府参考人として求めたが、自民党に理事会で拒まれたと説明。「自民党政権下で進んできたことを受け止めなければならない。マカオなどの海外売春では、避妊具を使わない性交を強いられ、売上高も分からないまま管理売春がなされホストに送金されている」との「使いみち」を明かしました。
 羽田次郎さんは「北陸新幹線延伸イベントで、石川県のアンテナショップが開かれ、首相が森喜朗さん(長年石川1区で選出)と顔を合わせたさいに、「ちょっと、この後、話しませんか」と耳元でささやいて経緯を聞くべきだったと指摘しました。

【衆・地域・こども・デジタル特別委員会】
 「旧優生保護法で手術を受けた者への一時金支給法の延長法案」(213衆法 号)が起草され、全会一致で委員長が本会議に提出すべきだと決まりました。
 これに先立つ一般質疑で、共産の高橋千鶴子さんは「訴訟では原告のうち5名が亡くなっているという」としました。違憲立法には除斥期間20年が適用されないとの判決は前日でも出ており、最高裁の統一判断が示されることになっています。このような情勢からあくまでも法律の時限を延長するだけの改正にとどまり、政策課題は持ち越されました。

【衆・外務委】
 外相が参・予算委に呼ばれるため、朝8時半から野党が問い、休憩。夕方から与党が副大臣に問う立て方となりました。その後は理事会協議。そして、「在外公館・位置・名称・給与法改正案」(213閣法6号)が趣旨説明され、審議入りしました。この法案は、立憲の政調・国対ヒアリングで、円安ではすぐにかえるのに、円高のときはかえなかったとの指摘に、幹部がうつむいてしまうシーンがありました。

【衆・法務委】
 「裁判官職員定員法改正案」(213閣法15号)が趣旨説明されて、審議入りしました。今回は裁判官と書記官を合わせても定員減となります。
【衆・財務金融委員会】
 日切れ法案「関税定率法改正案」(213閣法4号)を法案審査をちょっとして、大臣は参議院へ。
【衆・厚労委】
 「生活困窮者支援法改正案」(213閣法9号)が趣旨説明され、審議入り。
【衆・農水委】
 「特定農業加工業経営改善臨時措置法改正案」(213閣法50号)が趣旨説明されました。
【衆・国交委】
 「奄美振興法及び小笠原法の5年延長などの改正法案」(213閣法11号)の趣旨説明。
【衆・文科委】
【衆・経産委】
一般質疑のみ。

【参・本会議】
 令和6年度の「地方財政計画」と法案の「地方税法改正案」(213閣法2号)「地方交付税法改正案」(213閣法3号)が総務大臣から趣旨説明され、代表質問が行われました。
【参・議院運営委】
 人事官候補の所信と質疑。
【参・東日本大震災復興特別委員会】
 大臣の所信的挨拶。

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筆者が50代突入で、今回再オープンにしますが、双極性障害Ⅱ型で就労不能だから当ブログを17年執筆しています、「非自民32年」の旧友、石川知裕元衆議院議員の大腸がんステージ4」チャレンジによせて

2024年03月13日 13時01分00秒 | 宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
初投稿は、2024年3月13日。

[写真]「早稲田大学鵬志会」1992年入学組の全体写真、左から4人目が筆者、5人目が石川知裕・元衆議院議員でメガネ姿は当時もやや印象が異なる姿、大学生協制作のアルバムから。7人中選挙に立候補したのは石川さんだけで、他の2人は模索したものの、断念しました。2年生の夏の「政権交代選挙」での取り組みをTBSビッグモーニングが十数分紹介し、ラストに「サザンオールスターズの希望の轍」がBGMが流れた映像を見た野党自民党職員からの横やりで生じた内紛に伴い退会したメンバーはここには写っていませんが、中央省庁キャリア官僚の男女らがいます。

 久しぶりに眠らない夜を過ごしました。石川知裕・元衆議院議員(3期6年)が50歳で、「大腸がんステージ4」できょうにも手術を受けると、報道や本人のSNSで明かされました。

 今月50代を迎えた筆者はちょっと考えていたのですが、これを機に40歳からクローズにしていた「双極性障害Ⅱ型」(プログラム性遺伝、生涯治癒しない)で障害厚生年金3級で精神障害保健福祉手帳3級であることを、10年ぶりに再オープン、カミングアウトしたいと思います。

 有病率140人に1人。人一倍冬の朝がつらく、平日月曜日から金曜日までフルタイムで就労し続けることが困難なため、自立のための経済的支援がかかせません。

 当ブログの8000本の記事のうち4本にその記載があります。また十数年前は、ヤフー知恵袋で「双極性障害Ⅱ型で活躍している人はいますか」に「政治ジャーナリストの宮崎信行さんがいます」との回答がなされていた時期がありますが、私が再クローズにしたころには消えました。

 このことは、立憲民主党の議員、リアル友達、取引業者はほとんど知っていることです。だから、改めて言う必要もないのですが、充実した40代に、それを知らない人に話しかけられたり、私をよく思わない人にけん制されたりすることをおそれ、無言で威嚇していたところがありました。50代になりましたので、肩の力を和らげて活動した方がいいと考えました。

 なお双極性障害Ⅱ型は被選挙権行使の法律のどこにも欠格事項ではありませんが、私は立候補を断念して、17年間、このニュースサイトを運営しています。

 ただ、40代の経験で、銀行の融資を引っ張るには、収益性の計算と担保価値の評価・金融資産力で評価されるものであり、双極性障害Ⅱ型で減ったり降りなかったりするものではないことが分かりましたので、ほとんど問題ないと判断しました。銀行本社内で、行員が自分の会社の審査部に上げる書類にどう書こうかと質問される程度です。

 1992年4月、早稲田大学に入学し、鵬志会に入会。新生党ブームに参画し、細川・羽田連立政権の樹立に政治は自分の手で変えられるという大成功体験を得ました。石川さんと私は親が資産家という共通点もありましたが、ライバルでした。1学年から2人幹事長をやっている期はまれで、おそらく私の代だけだと思います。

 その後、2005年9月に日本経済新聞社を退社し、2007年の参院選前から政治ジャーナリストとしての活動を再開した筆者は、石川議員室をよりどころにさせてもらい、感謝しています。委員会の質問作りを雑談しながらして、次の日の委員会で大臣が答弁するのですから、自分は社会とつながっているという実感を再び得ることができました。

 石川さんは私の双極性障害Ⅱ型が「治り」、一緒に国会議員をやりたかったとのことですが「治らない」ことを伝えました。

 3期6年在職した石川さんですが、私をロールモデルとするところが18歳ごろからあり、議員を辞めた後に、留学したことがあります。私が政治学科だからか、法政大学院政治学研究科に入りました。在職0年0か月の私を追いかけても、こまるのです。

 私は東京23区で3棟目のアパートを買い、この後、2棟にしてキャッシュフローを改善しようともくろんでいます。が、諸費用の目算を誤り、1998年、2011年以来で最大の資金繰りの綱渡りの局面をむかえています。私、母、会社名義の各銀行の口座のやり取りを毎月どころか毎日把握しないといけない日々が数カ月続くかもしれません。人生最後の大波だと心得ています。母亡き後の高齢障害者の当事者としての未来からの逆算もしていますが、母から「あなたは頭が良すぎる」とたしなめられています。

 私は50年間、山手線駅歩いて9分、明治通りに面した自宅、占有面積130平米に住み続け持続してきました。石川さん逮捕の報を現役幹事長と二人で見守った私は、帰宅後に子供部屋で息がしづらくなりへたりこんだところを母に肩をもみ背中をさすってもらいやり過ごしました。今回は私が母の寝室の隣まで行って、母に背中をさすってもらっています。石川さんと私の体は、それを否もうとするほど、かえって同調してくるようです。これが人の世だと感じます。

 以上です。

【全文付き】立憲民主党「女性皇族が婚姻後も配偶者とも皇族になる案」党議決定、野田佳彦委員長が衆議院議長下の各党協議会(未設置)にのぞむ姿勢強調

2024年03月12日 16時49分21秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]立憲民主党の野田佳彦・安定的な皇位継承に関する検討委員会委員長、5年前の2019年、議員会館で、宮崎信行撮影。

 立憲民主党はきょう令和6年2024年3月12日(水)「安定的な皇位継承に関する検討委員会 論点整理」を党の考え方として決定しました。通例はNC次の内閣の権限ですが、重要なので常任幹事会が扱うと決定されており、きょう正式に全文が決まりました。

 野田佳彦委員長(元首相)がまとめた論点整理では、令和4年1月12日の政府の有識者会議報告は「安定的な皇位継承という先延ばしできない課題を先延ばし」「女性宮家の創設等についての明確な結論も示さ」ないと論評しました。そのうえで「近々、女性皇族が婚姻により皇室を離れることは十分想定され、とりわけ緊急的な課題として議論を急ぐ必要がある」とせかしました。

 敬宮愛子内親王殿下(22歳)と秋篠宮佳子内親王殿下(29歳)を念頭に置いているとみられます。

 野田内閣の平成24年10月5日の有識者ヒアリング2案のうち、「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することを可能とし」かつ「配偶者及び子に皇族としての身分を付与する案」を採用することを、額賀福志郎・衆議院議長のもとに設置される予定の各党協議会に臨む姿勢を示しました。

 また、共産党(志位議長・田村智子委員長)に配慮してか「天皇は憲法上の存在であり、憲法が定める日本国の象徴、日本国民統合の象徴」とし法改正が「立憲主義の観点から、憲法違反の疑いが指摘されるようなことがあってはならない。国会においても、憲法との整合性を持った制度構築を議論しなければならない」との文言も加えました。

以下、全文(初投稿時点ではPDFからのコピぺ)

令和6年3月12日
安定的な皇位継承に関する検討委員会 論点整理
はじめに
平成28年8月8日、上皇陛下が国民に「象徴としてのお務め」について間
いかけられたことをきっかけとして、天皇の退位等に関する皇室典範特例法
(以下、退位特例法)が制定され、生前退位が実現した。しかし、この法律
は、安定的な皇位継承の確保という大きな課題に答えるものではなかった。上
皇陛下がおことばの中で「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に
続いていくことをひとえに念じ」と述べられているように、天皇陛下の次の世
代の皇位継承資格者が悠仁様お一人しかおられない状況の中で、安定的な皇位
継承を確保するための議論は、避けては通れない議論である。
退位特例法に対する附帯決議は「安定的な皇位継承を確保するための諸課
題、女性宮家の創設等」につき、「皇族方の御年齢からしても先延ばしするこ
とはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方の御
事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速
やかに国会に報告すること」と謳つた。
これを受け、令和3年3月16日に政府に設置された「「天皇の退位等に関す
る皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議」(以下、有識者
会議)は、同年12月22日に報告書をまとめた。衆参両議院正副議長は、岸田
総理から、令和4年1月12日、政府における検討結果の報告を受けた。そし
て同月18日に、両院の正副議長と各党各会派代表者が政府から説明を聴取し
たが、その際、両院議長から、「政府の検討結果について、各党各会派におい
て御議論いただきたい」との要請があった。その後、議論は停滞とノていたが、
令和5年12月19日、額賀衆院議長、海江田衆院副議長より、通常国会で落ち
着いた環境になっていることを前提に、立法府としての協議を行うべく、各党
内の議論を深めていただきたい旨の要請があった。
立憲民主党は、令和3年12月以降、泉健太代表のもと党内に「安定的な皇
位継承に関する検討委員会」(野田佳彦委員長)を設置して、幅広い範囲にわ
たる有識者の助言や指導を仰ぎながら、真摯に検討を進めてきた。
3
以下、附帯決議で明示的に要請されていた「安定的な皇位継承を確保するた
めの諸課題、女性宮家の創設等」について、広く国民に理解と関心を深めてい
ただき、特定の結論に誘導することにつながらないよう留意しつつ、想定され
る様々な方策や憲法上の課題点を示すことを中心に、今後の議論に供するため
の論点整理を行ったので、公表する。
1 有識者会議報告書に対する評価と対応
退位特例法の附帯決議が政府に検討を要請したのは、「安定的な皇位継承を
確保するための諸課題、女性宮家の創設等」である。しかし、有識者会議報告
書では、「悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承について具体的に議論するに
は現状は機が熟しておらず、かえつて皇位継承を不安定化させるとも考えられ
ます」と記載され、安定的な皇位継承という先延ばしできない課題を先延ばし
し、皇族数の確保についての方策を示すにとどまっており、また「女性宮家の
創設等」についての明確な結論も示さず、附帯決議の要請に十分に応えている
とは言えない。
よって、有識者会議報告書で検討された皇族数確保のための具体的方策を参
考としつつも、附帯決議が国会に要請した「安定的な皇位継承を確保するため
の方策」を正面から検討し、「立法府の総意」として一定の結論をまとめるこ
とが必要である。その際、憲法上、天皇の地位が国民の総意に基づくことか
ら、国民世論も踏まえた丁寧な議論が必要ではあるが、皇族数の減少が続く
中、先送りできない課題として、一定の期限を区切つて結論を示すことが求め
られる。
2 議論の視点
安定的な皇位継承の確保の議論を進める上では、以下の4つの視点からの議
論が必要であると考える。
ア 退位特例法に対する附帯決議の要請の遵守
退位特例法に対する附帯決議は、「安定的な皇位継承を確保するための諸課
題、女性宮家の創設等」について政府に検討を要請し、国会に対しては政府の
4
報告を受けて、「安定的な皇位継承を確保するための方策について、「立法府の
総意」が取りまとめられるよう検討を行う」ことを要請している。国会での議
論も、当然、この要請に真正面から応える形で進められなければならない。
イ 憲法適合性の検討
天皇は憲法上の存在であり、憲法が定める日本国の象徴、日本国民統合の象
徴であって、主権の存する国民の総意に基づく天皇並びに皇室をめぐる制度
は、立憲主義の観点から、憲法違反の疑いが指摘されるようなことがあつては
ならない。国会においても、憲法との整合性を持った制度構築を議論しなけれ
ばならない。
ウ 立法府としての責務
附帯決議は、「国会は、安定的な皇位継承を確保するための方策について、
「立法府の総意」が取りまとめられるよう検討を行うものとすること」と要請
しており、今後は国会での議論が必要となる。政府答弁によると、有識者会議
報告書は、「国会で御議論をいただくに当たって、それに資するようにという
趣旨」で提出したものであり、立法府での議論によって総意をとりまとめ制度
設計が図られるべきである。単に報告書に記載された案を追認するのではな
く、国会としての主体的な議論の提示と合意が必要である。
工 歴史と伝統の尊重
天皇・皇室はわが国古来から紡がれてきた固有の存在であって、先人の智恵
と労苦により皇位が継承されてきた事実がある。よって、その制度を議論する
にあたっては、長い歴史と伝統を尊重することが求められる。
3 女性宮家の創設等について
「女性宮家の創設等」の課題については、附帯決議が政府に検討を要請して
いるにもかかわらず、有識者会議報告書では明確な言及がない。近々、女性皇
族が婚姻により皇室を離れることは十分想定され、とりわけ緊急的な課題とし
て議論を急ぐ必要がある。
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(1)女性皇族婚姻後の配偶者と子の地位
「女性宮家」に関しては、野田内閣の下で、女性皇族の婚姻後の身分と皇室
の御活動の維持に関しての議論が行われ、平成24年10月5日に「皇室制度に
関する有識者ヒアジングを踏まえた論点整理」が発表されている。この論点整
理では、
(I)「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することを可能とする案」
(II)「女性皇族に皇籍離脱後も皇室の御活動を支援していただくことを可能
とする案」が示され、
さらに、(I)については配偶者や子に皇族としての身分を与えるか否かとい
う観点から、
(I― A)案として「配偶者及び子に皇族としての身分を付与する案」
(I一B)案として「配偶者及び子に皇族としての身分を付与しない案」
が示された。
岸田内閣下の有識者会議報告書では、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持
することが皇位継承資格を女系に拡大することにつながるのではないかという
主張が紹介され、野田内閣下の論点整理における(I一B)案のみが示されてい
るが、両案についてその是非が詳細に検討されているわけではない。それぞれ
の主張を比較し、(I一A)案を合めた検討が必要である。以下、主だった両案
への賛否の理由を挙げる。これらの主張を踏まえた詳細な比較検討が必要であ
る。
なお、(II)案は、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創
設等」を解決するものではないので、今回の検討には合めるべきではないと考
える。
(I― A)案に賛成する理由
○一家全体として、皇族としての処遇を受けることとなり、皇室の御活動にお
いても、当主である女性皇族単独の御活動に加え、御夫妻としての活動も可
能となり、皇室の御活動を円滑かつ幅広く分担していただくことができる。
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○世帯内で身分に違いが生じることがないから、制度としても簡明なものとな
り、家庭生活を送る上での支障が生じるおそれも少ない。
○現行の制度では、皇室典範第1条で「皇位は、皇統に属する男系の男子が、
これを継承する。」と明文化されており、その条文を改正しない限り、女性
皇族の子について、皇族の身分を付与しても、皇位継承資格は生じない。
○内親王。女王が婚姻後も皇族の身分を有するのは、その方自身の血統に着目
しているためであり、その系統にあたる子を皇族とすることは当然で、配偶
者も皇族とすることが適当である。
O内親王。女王に皇位継承資格を認めるのであれば、配偶者。子も皇族とする
のが適当である。
(I― A)案に反対する理由
○配偶者や子に皇族の身分を付与することは、将来の女系天皇につながるおそ
れがあり、男系で126代継承してきた皇室の伝統を破壊するものである。
○歴史的に見て、宮家の役割とは、皇位継承資格者を確保し、皇位継承の危機
に備えるものであつて、皇位継承資格を有しない女性皇族を当主とする宮家
には意義がない。
①婚姻に関して、皇室典範も民法も家制度を採用しておらず、婚姻によって皇
族たる妻が宮家を創設してそこに夫を迎えるという効果を生じる根拠はな
彰ヽ

(I一B)案に賛成する理由
○江戸時代までは女性皇族は皇室以外の者に嫁いでも皇族の身分を失わないの
が通例であったことなどから、比較的受け入れられやすい。
○配偶者や子については皇族費が支給されないことから、国庫の負担も相対的
に軽減される。
①配偶者の身分を一般国民とする方が、女性皇族の配偶者の婚姻に対する負担
感、不安感を軽減できる。
(I― B)案に反対する理由
○皇室活動の分担は、女性皇族が単独で行うことになる。
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○一つの世帯内で、妻が皇族、夫や子が一般国民という異なる身分となるた
め、様々な法律・制度の適用に当たり混乱が生じることが懸念される。
○配偶者や子の職業選択の自由等の諸権利については、その身分を一般国民と
する以上、法的な制限の対象となるものではないが、その行動が女性皇族の
皇族としての品位や政治的中立性に重大な影響を及ぼすような場合には、当
該女性皇族の皇籍離脱の要否の問題にまで派生するおそれがある。
(2)憲法上の諸課題
(I一B)案については、憲法上の諸課題が指摘されており、
(ア)「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有するこ
とを基本」とすると規定する憲法第24条第1項との整合性
(イ)配偶者や子を皇族としない場合、政治活動の自由など、基本的人権を制約
できるのか。制約できないとすると不都合が生じないか。また、家族の財産
関係はどうなるのか
(ウ)一般女性が男性皇族と婚姻した場合、皇族の地位を得ることになることと
の整合性(憲法第14条第1項の平等原則「すべて国民は、法の下に平等」と
の整合性)
等の議論が必要である。
4 1日11宮家男系男子から養子を迎える案について
有識者会議報告書では、阜族教確保のため、現在皇族には認められていない
養子縁組を可能とし、昭和22年10月に皇籍を離脱した旧H宮家の皇族男子
の子孫である男系の男子の方々に養子に入つていただく案が示された。
(1)対象者の調査と意思確認
この案については、まず、現実的に養子の対象となり得る方がおられるの
かを、その方の意思とともに、慎重に確認した上で、制度設計の議論に移ら
8
なければならないと考える。対象者の存在が不明なまま、具体的な制度を設
計することはできないからである。その上で、具体的な養子制度をどのよう
に設計するのかを、憲法上の規定と整合性を持つかどうかを含めて検討すべ
きである。
(2)憲法上の諸課題
十日H宮家男系男子養子案については、有識者会議のヒアリングにおい
て、憲法学者から提起された憲法上の諸課題をクリアにする必要がある。す
なわち、
(ア)議論の前提として、憲法第2条が要請する皇位の「世襲」(「皇位は、世襲
のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継
承する」)とは、皇統に属する男系男子による世襲を意味するのか
(イ)養子たり得る資格を一般国民のうち皇統に属する男系男子に限定すること
が門地差別を禁じた憲法第14条第1頂(「すべて国民は、法の下に平等であ
つて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は
社会的関係において、差別されない」)に反しないか
(ウ)十日H宮家の男系男子に限定して養子を選ぶことは、皇統に属する男系男
子間で平等原則に反しないか
等の議論が必要である。
なお、有識者会議報告書では、皇統に属する男系男子を法律により直接皇族
とする案も示されているが、 ・般国民である対象者の同意も無しに参政権など
基本的人権をはく奪することにつながり、養子案と比べてもさらに憲法上のハ
ードルが高いと考える。
9
5 今後の議論の進め方
先の退位特例法の制定の際には、衆参両院議長の下、与野党が協議を重ね、
「立法府の総意」を取りまとめる画期的な立法プロセスが採られた。今後の皇
位の継承に関わるこのたびの立法においては、よりいつそう与野党が真摯な議
論を行い、一致点を模索していかなければならない。また、退位特例法制定の
際は、議論のプロセスが国民に十分に開示されなかつたとの指摘がある。「国
民の総意に基く」という天皇の憲法上の地位の性質から、静ひつな環境で議論
を行うとともに、議論の経過を国民に提示し、世論の動向も踏まえて「立法府
の総意」をつくり上げていかなければならない。
その際、有識者会議報告書は、あくまで国会での議論に資するためのもので
あり、それをもつてただちに結論とすべきではなく、安定的な皇位継承確保の
ために考えうる様々な方策を合めて、「国権の最高機関」である国会が主体的
に論点を整理し、建設的な議論を尽くさなければならない。
わが党は、この論点整理を基に更なる検討を行うとともに、決して政争の具
にすることなく、憲法の基本原理と立憲主義を尊重する立場から、安定的な皇
位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、「全国民を代表
する」立法府の一員として、国民各層の議論の尊重、国民の合意形成を図りつ
つ、引き続き、最大限の努力を重ねていく。


重要法案目白押しの農林水産で副大臣が予算説明原稿見失うハプニングで与党・霞が関の雲行き怪しく

2024年03月12日 16時15分27秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]予算説明で原稿を見失った武村展英農林水産副大臣(4期、自民党)と手助けする舞立参議院議員(右)ら農水省員、きょう2024年3月12日(火)の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 第213回国会は150日間の当初会期中、きょうで47日目となりました。今国会では政府は52法案以上を出しています。

【衆参与野党国会対策委員会 きょう令和6年2024年3月12日(火)までに】
 重要広範議案に
 「セキュリティークリアランス2法案」(213閣法24号と213閣法25号)
 「子ども子育て支援法改正案」(213閣法22号)
 「入管法改正2法案」(213閣法 号・213閣法 号=今週に衆議院が受領)
 「食料農業農村基本法改正案」(213閣法26号)
 の4分類の法案となりました。このほか18法案が登壇物となり衆議院本会議で趣旨説明と代表質問をしないと、委員会に付託されません(吊るしがおりません)。

【衆議院農林水産委員会 同日】
 上述の重要広範議案を抱える当委員会。きょうは坂本農相の所信的あいさつを、武村展英副大臣の予算説明がありました。あす9時からさっそく質疑。

 珍しいことがありました。武村副大臣が原稿を見失い、後ろを向いて秘書官2人からペーパーを渡され、隣の政務官(参院議員)から「第二、から」と諭されました。数文字読み間違えて、後で訂正することはよくあります。しかし、紙そのものを見失うのは異例。委員室の廊下までしか入れない記章の官僚も、室内の同僚とともに一字一句チェックしている姿を見ることがあります。6法案ある農水省。先々月、立憲の内部会議で大臣官房長が「一括審議をお願いしたい」と言ってしまい政調会長らから「それは国会が決めることだ」とたしなめられました。波が高そうです。

【衆・本会議】
 「水素社会推進法案」(213閣法16号)と「二酸化炭素貯留事業法案」(213閣法17号)が経産相から趣旨説明され、大きい野党が質問しました。
 当サイトで、きょねんの新法は2本だけで「立法爆発」(平成元年が1000法律が令和元年が2000法律)に歯止めがかかったとしましたが、さっそく「新法」2法案が審議入り。16号は「高圧ガス保安法読み替え規定政令委任」「国が認定した事業に必要な資金を確保する努力規定」が盛り込まれました。

【衆・財務金融委】「関税定率法改正案」(213閣法4号)の法案審査前半。
【衆・安全保障委】「長期契約法サンセット条項廃止法案」(213閣法13号)が趣旨説明されました。
【衆・環境委】大臣に対して法案とは関係なく質問する一般質疑。
●衆議院の総務、厚生労働、災害対策特別、北朝鮮拉致問題特別の各委員会の理事懇談会が開かれました。

【参・予算委】
 「令和6年度予算案」は8日目で、中央公聴会。3部門制で、経済・財政・金融・労働、農業・地方・社会保障、外交・安全保障の公述人とのやり取りがありました。首藤若菜・立大教授らが参加しました。

【参・第1種常任委員会】
 すべて同時に開ける人選・部屋割りとなっています。一斉スタートすることが多いのですが、今国会では4つだけフライングスタートしました。
そのうち、
●参・内閣、総務、財政金融、外交防衛の4委員会は、きょうが所信に対する質疑でした。そして、参・財政金融委員会では最後に「所得税法改正案」(213閣法1号)が趣旨説明されました。
●参・法務、文教科学、厚生労働、農林水産、経済産業、国土交通、環境の7委員会では大臣の所信的あいさつがありました。

【衆・議院運営委】
 国会同意人事案で「人事官に土生栄二さんを充てる件」で、本人の所信と各党の質疑応答と自由質疑がありました。土生さんは昭和61年東大法卒・厚生省入省、内閣官房で内閣総務官。厚労省に戻って官房長と局長をつとめた後に内閣官房分室の事務局長に転出。事務次官はやっていません。

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参・予算委「収支報告書は繰越金など形式チェック」と選挙部長、「離婚後共同親権法案」先行審議の動きが

2024年03月11日 19時28分13秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]参議院第一委員室の「議員傍聴席」、今から7年前の2017年、宮崎信行撮影。

 「裏金」「闇金(幹事長の政策活動費を筆者が表現)」が続く参議院予算委員会ですが、そろそろ出口を見据えた時期になります。

 今週の国会は、先週金曜日に閣議決定した「離婚後共同親権法案」(213閣法47号)が木曜日に審議入りするらしいという誰の目にもいかがわしい日程案となっています。ちなみに213閣法1号(所得税法改正案)がまだ成立していないのに、「閣法47号」というだけで、あやしい。統一教会の教義にもとづくという批判が針小棒大なのはわかっています。ですが、「止められなかった責任」は全議員にも、有権者にも残ります。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月11日(月)】
 「令和6年度予算案」は7日目で、一般質疑3日目。与党のみ1時間45分コース。公明党議員の問いに、総務省選挙部長は、政治資金収支報告は、選挙部が団体の「前年からの繰越額」が、前年分の「翌年への繰越額」と合致しているかどうかなど形式をチェックし、必要ならば問い合わせていると答弁しました。

●衆議院の審議はありませんでした。

●あすの予定 参・予算委が終日、有識者と予算委員が質疑する中央公聴会。大臣たちが、衆参とも一斉に委員会で所信に対する質問で答弁します。当然、全局全課をあげて国会対応の一日となります。散会直前に、予算関連法案の審議入りがあります。

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岸田「総裁」は麻生派聞き取り答弁も「裏金議員」は詳細だったのに、甘利ら「幹事長経験者」には慎重

2024年03月08日 18時14分52秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[画像]小池晃・書記局長の質問を聞く、田村智子・幹部会委員長ら共産党参議院議員団、参議院インターネット審議中継からスクリーンショットして、トリミングさせていただきました、「氏名標」の1つの隣の維新議員のもの。

 「裏金国会」は、順風が続き、おとといは、首相が「総裁」として麻生派の裏金の聞き取りを答弁。きのうの審議では林芳正さんが「官房長官は岸田首相の補佐で、岸田総裁を補佐していない」と答弁。きょうの首相は麻生派の甘利明元幹事長の政策活動費3・8億円を「法令に則り、適切に使ったと聞いている」と聞き取り答弁しましたが、先輩議員というよりも「幹事長経験者」に慎重な印象を持ちました。

 「応仁記」という文献では、応仁の乱で天下が大変に乱れて、それが長く続き、賄賂に心を奪われて、世間が滅びるなら滅びてもいい、人はどうであれ、自分さえ富み栄え、他人よりいっそうきらびやかにふるまおうという風潮になっているとの現状を戦中に書き残した人がいます。自民党国会議員団の中がそういう状態になっています。

【参議院政治倫理審査会 きょう令和6年2024年3月8日(金)】
 前回、野党側から趣旨説明があった自民党安倍派5人衆の世耕弘成議員ら31名を呼ぶ件と、無所属の大野泰正議員を呼ぶ件の合計2件を採決。全会一致で議決し審査に入ることを決めました。政倫審に出てきて、弁明して質問を受ける気があるかどうかを、12日までに意向を確認することになりました。

【参・本会議 同日】
 「所得税法改正案」(213閣法1号)が鈴木財務大臣から説明され、質疑答弁がありました。共産の小池晃さんは85名の裏金は5年間で5・4億円で、重加算税がかかるとして計算すると1・3億円になるとし、税務調査が必要な段階だとしました。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 「関税定率法改正案」(213閣法4号)が鈴木大臣から趣旨説明され、審議入りしました。過去の例では、おととしは、きょう3月8日に委員会を通過しています。やはり召集日が遅いため、後ろにずれ気味な第213回国会となっています。

【参・予算委員会 同日】
 「令和6年度予算案」は6日目で、集中審議1回目「政治資金問題等を含む内外の諸課題」4時間コース。
 上述の通り、岸田「総裁」は、甘利明前幹事長の政策活動費3・8億円について「確認したところ、政策活動費は法令に則り適切に使ったと聞いている」とし、使途は明かしませんでした。

 茂木敏充・現「幹事長」の議員としての資金管理団体がその他政治団体に資金を移し替えた問題では、首相は「政治団体のうち、その他政治団体は資金管理団体と違い、後援会が地元で活動するものだ」との独自の解釈を示し、茂木さんをかばいました。派閥の問題ではなく幹事長経験者はかばう意思が働いているように感じられました。社民党(共同会派「立憲・社民」)の福島みずほさんへの答弁。

 公明党の上田勇さんは「政治への信頼は地に落ちている」「盛大の問題は使いみちを隠すことで、きっとやましいことがあると思われている」と語りました。神奈川で遠山清彦前議員の「コロナ禍銀座問題」がありましたが、上田さんは以前は横浜市でしたが現在は静岡市に事務所を置いているようです。

 政策では、自民党の宮崎雅夫さんが先月27日に閣議決定して衆議院に提出された「食料供給困難事態対策法案」(213閣法27号)について「農業者に罰金が課せられるような誤解が広まっている」と指摘。坂本農相は「事態認定は4段階に分ける」とあたかも武力攻撃事態など国民保護・平和安全法制のような説明をしましたが、計画届出をしないと罰せられる条文は入っているようです。

 福島みずほさんはセキュリティークリアランス法案(先月27日決定の「213閣法24号」と「213閣法25号」)で、特定秘密保護法(2013年制定)をはみ出す部分について質問。福島さんは例えとして「中国から買えなくなった抗生物質をどこから調達しているかという情報」は対象になるかと問うと、高市大臣は対象にならないとしました。高市さんは民間企業が独自に開発した情報を、行政が立ち入り調査することはないとしました。これについて、改正国会法によって設置され、秘密保護法による指定の適否を判断して年次報告を作成する衆参の情報監視審査会に民間企業の重要経済安保情報が提出され審査されるかどうかも論点にしました。政府はおそらく想定できていないと思われ、高市さんの天下取りどころか、今国会での延長や成立の不確定要素となりそうです。

 国民民主党の磯崎哲史さんは先々月に自らが自公国実務者協議にのぞんだトリガー条項凍結解除がもうないとの前提に立ち、現行の補助金を5月1日以降に延長するよう働きかけましたが、色よい答弁は得られませんでした。

【衆議院の法務、文部科学、厚生労働、経済産業、国土交通、環境の各委員会】
 大臣らの所信的あいさつを聞きました。

【衆議院の外務、安全保障の両委員会】 
 大臣らの国際情勢の報告や所信的あいさつを聞きました。外務省の副大臣は2名で、辻清人衆院議員と柘植芳文参院議員がいますが、衆・安保委の担当は柘植参院議員のようです。珍しく大型法案が集中することになりそうな小泉進次郎・安全保障委員長のもとで波乱があるかもしれません。

【衆・地域活性化・こども・デジタル特別委員会】
 地・こ・デジ特は、河野太郎、自見はなこ、加藤鮎子3大臣が所信的あいさつをしました。

【定例閣議】
 「離婚後共同親権の民法改正案」(213閣法 号)が閣議決定されました。

【自民党政調審査会 今週から来週にかけて】
 「日本版DBS法案」は「件名・要旨調では検討中」でしたが、今国会に提出されるはこび。

●来週にかけて 3月11日(月)は参・予算委だけですので、党首クラスは東日本大震災復興の視察をするようです。13日(水)に集中審議。 また15日(金)までに定数1などの選挙区選出議員が辞任すると、補選が一つ増えます。
 
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【愛知11区のそれから】豊田章男トヨタ会長「予備選落選」参・予算委で盛山「統一教会は安倍銃撃以前の話」だから問題ない「私と似たサインだが確認しない」

2024年03月07日 17時48分05秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[画像]けさの日本経済新聞朝刊の一部。

 小沢一郎さんは年の瀬に政党を解党しますが、第48、49回衆院選では解散直後に構図が激変しました。第49回衆院選で愛知11区でトヨタ自動車労働組合の古本伸一郎さんが突然辞退し、八木哲也さんが69%の得票率で自民党初勝利をしました(一連の記事の、当ニュースサイト内のキーワード検索)。トヨタ自動車の豊田章男代表取締役会長の「経団連会長就任に向けた自民党への手土産」との憶測がありました。その豊田さん(67歳)が次の経団連副会長4名の候補から漏れて、会長レースから「予備選で落選」したという趣旨の報道が、日経新聞朝刊でありました。

 これについて、筆者がトヨタ自動車広報部に電話で直接取材したところ同社は「とくにコメントはありません」として、詳しくは経団連に問い合わせてほしいとしました。「落選」報道を否定しませんでした。時事通信なども報じています。

 自由貿易の公平を定めたWTOルールの脱法行為としてサルコジ大統領が考案したスキームとされる消費税の輸出戻し税の現金年0・6兆円を国税庁から振り込まれる同社は税率維持を望んでいるとみられます。おそらく、デンソー、スタンレー、岡谷に適正分配していないのでしょう。朝日新聞報道では、同社はその0・01%にあたる5000万円を自民党に寄付しているとされ、現会長企業の住友化学とともに1位タイだとみなされています。安倍・スガ自民党も豊田氏も「選択肢をなくしてしまう」ことが最短ルートだと思っているのでしょう。裏金・闇金で歪んだ選挙による民主主義の修正に向けた強い意思を持ちたいところです。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月7日(木)】
 「令和6年度予算案」は5日目で、そのうち一般質疑2日目。

 立憲は裏金追及に自信を持っており、共産による麻生派の井上信治
元事務総長に加えて、立憲は先週から報道がある、岐阜県の麻生派・棚橋泰文衆議院議員の裏金も焦点にいれました。が、きょうは林芳正さんが「官房長官として」岸田文雄・自民党総裁を代弁する立場にないとして答弁を拒みました。

 その一方、盛山正仁・文部科学大臣と旧統一教会の件が蒸し返されました。衆議院は「信任」していますが、参議院で蒸し返されました。

 盛山さんは政策協定にサインしたとの朝日新聞報道に、「推薦確認書についても正直記憶にはございません」とし「この集会は、2022年7月に発生いたしました安倍元総理の銃撃以前の問題以前のものであり、その後自民党においてガバナンスコードの改定等を行い、自民党として旧統一教会およびその関係団体との関係の断絶を宣言しております」とし、問題ないと強調。

 盛山大臣は「新聞のものでございますのではっきりしておりませんが、私のサイン似ていると思った」思ったのに、今後確認しないとしました。冗談ですが、盛山さんに似た偽サインで、ヨイショ本5000冊発注したら盛山さんは買うお金があるのでしょうか。

 小沢さんや羽田さんに近かった室井邦彦さんの逝去で、維新の藤巻健史さんが繰り上げで国政復帰。「植田日銀総裁の分析と危機感が私と似ている」としつつ「なのに、なんで結論が逆になるのだろう」とし、ハイパーインフレ論で植田参考人と議論しました。植田総裁がんばってください。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
 安倍派の高階恵美子委員長なので、その関係なのかと思いましたが、そうではなく、3・11より前に委員会を開きたいという配慮だったようです。土屋品子復興大臣の所信的あいさつが、早いタイミングで開かれました。
 これに先立つ高階委員長の読み原稿は次の通りでした。

 「これより会議を開きます。議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して、一言申し上げます。来る11日で東日本大震災の発生から13年を迎えます。改めて、お亡くなりになられた方々とそのご遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の復興を祈念いたします。また、令和6年能登半島地震をはじめ、これまで各地で発生した度重なる地震による被害で、お亡くなりになられた方々とそのご遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。これより、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。全員のご起立をお願いいたします。黙祷。黙祷を終わります。ご着席願います」。

【参議院第1種常任委員会】
 いわゆる店開きは一斉に行われることが多いのですが、きょうは●参・内閣●総務●外交防衛●財政金融の合計4委員会だけで大臣の所信的あいさつがありました。このうち、参議院内閣委員会は、岐阜の大野泰正議員が裏金で辞任したので、阿達雅志・新委員長が就任あいさつをしました。

●衆議院憲法審査会は、予算審議が終わったきょうも、幹事懇談会すら開かれませんでした。

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【秘書が秘書が】「麻生派事務総長の井上信治もパー券還流不記載」と岸田文雄が聞き取り答弁、広がる

2024年03月06日 20時05分19秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
 きょねんと同じタイミングで小西洋之さんが登場し、正しい参議院政治倫理審査会規程で、岸田文雄・自民党総裁の参考人としての出席を要求。共産党の山添拓さんの麻生派事務総長の井上信治さんのキックバック不記載は、首相が「平成30年は秘書が変わったばかりで不慣れだった」と聞き取っての答弁をしました。岸田さんは森喜朗さんや五人衆に対して聞き取りをしていませんでしたから、新しいフェーズにかわりました。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月6日(水)】
 私の勘違いで、基本的質疑3日目という誤った表現をしていましたが、きょうは総理入りテレビ無し一般的質疑でした。
 「令和6年度予算案」は4日目で。まず12日(火)の中央公聴会が全会一致で議決しました。立憲民主党の小西洋之さんは、首相に参議院政治倫理審査会に出席するよう促しました。私もちょっと意味が分からなかったのですが、参・事務次長の答弁では「参・政倫審規程の20条で、議長を経由して参考人の意見を聞くことができ、委員の過半数で議決する」とあるそうです。但し、現在の構成では、公明党委員が野党側についても過半数にはなりません。

 小西さんは「森元総理のキックバックの経緯を聞き取らず、首相の火の玉の決意は、線香花火ていどのものではないか」と熱戦の火ぶたを切りました。ちょうど1年前の現・総務省出身の小西さんは「公文書」「行政文書」を「書かれている中身まで正しいものだ」との前提で質問し、あらゆる立場の人がそれを追認したことに、私は心底驚き、腰が抜けるほど驚きました。宮崎個人は日本経済新聞1面に「情報公開法は、特殊法人にも及び法案を提出へ」とスクープしたことがあり、プロセスにおける不確かな内容を含んだ官僚が自信を守るメモこそ、一級品の公文書だと思ってきました。今年は、参・政倫審に衆を呼べるという正しい知識を小西質問で知ることができました。

 共産党の山添拓・新政策委員長は「衆の宮本徹議員に続き、しんぶん赤旗がスクープした、井上元万博相(東京25区、7期)の麻生派パー券キックバック不記載を追求。ここで首相は「御党の機関紙が報じた麻生派からのキックバック不記載について、平成30年は担当者が代わり不慣れだった」と聞き取りを答弁しました。麻生太郎さんがお気に入り記者だけで夜な夜な開いているとされる自宅懇談会で、今頃激おこしているかもしれません。山添さんは「アンケート」のやり直しを求めました。麻生派にも類焼しましたし、今後は5人衆への聞き取りを首相が答弁することもあるかもしれません。

 いくつか日程も決まりました。首相は4月11日(木)米上下両院合同会議で演説し、その前日10日にバイデン大統領と会談。国賓。それと来週木曜日か金曜日にも参・政倫審を開くことがあさって金曜日にも議決するはこびとなりました。

 世論調査では7割が裏金よりも政策としていますが、立憲は裏金で手ごたえ。立憲パートナーズが「3・11」から「3・31」までの3週間、第2回ポスティング大作戦「異次元の裏金問題」「国民は増税、自民は脱税」のチラシを配布することになりました。けっして活動家が多くいるわけではありませんが、当選2回の地方議員団とともに、毎月政党支持率をチェックするような有識者も気づいていない底流がコロナ明けの次の選挙でうねりを起こすかもしれないし、起こさないかもしれません。

●明日は総理質疑はなく、参は予算委や第1種常任委員会、衆は復興特別委員会。野党は引き続き裏金議員の排除を与党に求めており、委員長・理事の人事があるのかもしれません。

●スーパーチューズデー バイデン対トランプの再対決が濃厚な情勢になりました。

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8月15日は「終戦記念日として定めていない」と政府、参議院議員の質問主意書 3年前の枝野幸男さんの誠実な記者会見回答を全文掲載

2024年03月05日 17時48分33秒 | その他
[写真]枝野幸男さん、3年前の2021年10月27日、千葉県我孫子市で、宮崎信行撮影。

 政府は先月22日の閣議で、斎藤健一郎参議院議員の「戦記念日が八月十五日であることに関する質問主意書」に対する答弁書として「お尋ねについて、政府として「終戦記念日と定め」ているものではない。」と閣議決定しました。

 主意書は「第二次世界大戦で日本と敵対した連合国(アメリカ・フランス・カナダ)では、日本がアメリカ戦艦ミズーリ号上で降伏文書へ調印した九月二日を対日戦勝記念日としている。日本でも国家として公式に「終戦」となったのは降伏調印をした九月二日である。しかし、一九六三年五月十四日、池田勇人内閣での閣議決定により同年から八月十五日に政府主催で全国戦没者追悼式が行われるようになった。更に、一九八二年四月十三日に、八月十五日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とすることが鈴木善幸内閣で閣議決定された。以上を踏まえて、以下質問する。なぜ、八月十五日を終戦記念日と定めたのか、経緯を含め説明されたい」としていました。

 答弁に憤慨したのか、再質問主意書が提出されました。

 私はこの件について、三十代ぐらいからずっと疑問を持っていて、8月15日に厚労省所管の遺族が呼ばれるのに、総務省所管の傷痍軍人が呼ばれないのは変だとずっと思ってきました。が、終戦時に国民学校年長組だった両親からしっかり頭を下げなさいとの同調圧力にしたがってきました。

 この件は、2021年7月29日の「旧・立憲民主党」の記者会見で、枝野幸男代表に、いつも通り質問通告なしに聞いてみて、得心いく回答をもらいました。当日は「9・15結党」に向けた取材への関心が強くて、SNSでライブ配信への一部反響がありつつも書き起こしなどを流してしまったのが、ちょっと頭の片隅にひっかかっていました。旧立憲のホームページに書き起こしがありましたので、全文載せたいと考えます。政府も自民党もそっけない答弁しかないなかで、元内閣官房長官が非・記者クラブの私にも丁寧に回答できる目に見える世界だけでも、立憲が自民党よりもオープンであることは間違いないところです。

【フリーランス・宮崎記者】
 8月15日に例年開かれている全国戦没者追悼式に関して伺いたい。おととい総理が厚労省社会援護局長とかなり長時間話したようだ。昨年は半分オンラインという形になったが、ことしは各県1人ずつ遺族代表ということで、青森県や秋田県などは既に1人も送らない方向になっているようだ。
 8月15日に関して、そもそも8月15日を終戦の日とする根拠は特段我が国の法律の中になく、ポツダム宣言を受諾するという昭和天皇陛下の国内発表があったのが8月15日の正午で、8月14日をポツダム宣言受託の日とする考え方もあれば、ソビエトなどは9月2日のミズーリ号での降伏文書調印を終戦の日とし、そもそもヒトラーが自殺したのは4月、沖縄の終戦は6月、イギリスなどは1945年の7月にもう解散・総選挙をやっていて、韓国は8月15日が光復節、インドネシア独立の祝日は8月17日。8月15日にそもそも法的根拠がない、鈴木内閣の決定だけだといったところで、遺族年金といったことも含めた何らかの政治的思惑があったのではないかと言われている。
 ことしの8月15日、現在、天皇皇后両陛下と閣僚は日本武道館に集まる前提で準備が進んでいるかと思うが、今後も8月15日の戦没者追悼式が、ウィズコロナで日本だけのグローバリゼーションとかも見直されつつあるが、やるべきなのか。あくまでもことしの8月15日は、オンラインという形になるかもしれないが、両陛下そして閣僚が日本武道館に集まる形がよいとお考えかどうか伺いたい。
【代表】
 まず、法的にはいろいろな見方があるというのも確かかもしれませんが、少なくとももう75年以上にわたって、8月15日をもって少なくとも国内的には日中・日米戦争が終結したということが共有されているわけですし、それは他の選択というか法的な根拠のとり方もありますが、鈴木内閣において終戦の詔勅が陛下の名で出されているのも8月15日で間違いありませんので、私は少なくともこのことを社会的な前提として8月15日を我が国が戦争をやめて再出発をした日とするということに何の問題もないと思っております。
 そして、この手の式典をどれぐらい長きにわたって続けるのかということについては、いろいろな議論があると思います。これは党の見解ではなくて私の見解としてお聞きいただきたいと思いますが、二度と戦争はしないというのが、あのとき、特に当時現役であった先輩世代の皆さんの強い思いであり、それが今に引き継がれています。したがって、次に戦争をしないという約束が守られている限り、ずっと続けていけることが、まさにその二度と戦争はしないという誓いが守られていることそのものの証だと思います。8月15日を続けられる状況をつくっていくということが必要だと思っております。
 その中で、ことしどうするのかということについては、(新型)コロナの感染状況、特に参列される方はどうしても高齢者が非常に多いという中において、ワクチンは一方で高齢者では進んでいるとは言えますが、そこはことしについてどうするのかということは、それこそ本来であれば感染状況などについての状況を一番把握している政府において責任を持って判断をいただきたいと思っています。

以上です。

参議院予算審議は不透明な自民党のお金をめぐる「算数ドリル」へ 

2024年03月05日 17時27分23秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]改選は4年半後だが令和元年第15号房総半島台風(気象庁の名称)の地元「南房総半島」(半島振興法での名称)への移住を促す青木愛・立憲民主党参議院議員の日常活動用ポスター(掲示責任者の住所はマスキング)。東京12区の特定郵便局長ファミリーの商店の壁面に張ってありました、今月、宮崎信行撮影。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月5日(火)】
 「令和6年度予算案」は3日目で、基本的質疑2日目。全閣僚出席のテレビ入り中継、当面はきょうが最後になります。

 衆の初日から登場している星屋和彦国税庁次長(平成元年大蔵省)が参でも登場。衆参与野党全議員に配られる旧文通費月100万円は歳費法で「調査研究広報滞在費については、その支給を受ける金額を標準として、租税その他の公課を課することができない」と規定があるので非課税だということでした。この歳費法第9条第2項は各党のメニューに載っていないと思いますが、参考になると思います。

 「ミスター・軽減税率・インボイス」である公明党の西田実仁参議院会長は「傲慢のそしりを免れることはできない。自民党の派閥問題はあってはならない」とのポジショントークを打ち出しました。

 前日、蓮舫さんが新藤義孝さんが総支部のお金のほとんどを「その他政治団体・新藤義孝後援会」に寄付しており、支出の91%が隠蔽されていると指摘しました。

[画像]新藤義孝さんの総支部=選挙イヤー=からその他政治団体「新藤義孝後援会」への5000万円近い寄付、埼玉県ウェブサイトから、宮崎信行がスクリーンショット、マスキング。

 この件について、立憲の岡田克也幹事長はきょうの定例会見で「弾が分散しないようにしてきた」とし、「大臣の態度も悪い」と参では追及を続けることを明かしました。新藤さんの問題は衆でもわずかに取り上げられました。茂木幹事長、小渕選対委員長らも、指定資金管理団体ではないその他政治団体を使った不透明なお金の流れが指摘されてきました。小渕さんは非課税での相続のために複数団体があったかと思います。新藤さんを階段にして茂木さんへの攻撃もしていくとの思惑もあると考えられます。新藤さんの政治資金をよく精査したところ、党本部から平時は年1300万円、選挙イヤーは年2700万円が交付されています。選挙イヤーは私設秘書5人増員できるほどの巨額で、その人件費は総支部で氏名・人数不明のまま支出できますが、とにかくほとんど全額を後援会に移すという形式が常套手段だと、本人及び秘書団が無意識にしていたのだと思われます。

 また、きょうの質疑の中で、政党助成法(平成6年)の「人口1人当たり250円」の条文の政治的な立法事実である「コーヒー一杯の民主主義」について、新自由クラブ・進歩党の田川誠一さんがその言葉を使ったときは、もともと、個人献金年250円という意味だったとの当局答弁がありました。これは私もまったく忘れていた印象ですが、政党助成法ができたころの政治背景に比べると、個人寄付・クラウドソーシングは定着してきた印象なので、立ち止まって考えてもいい視点に感じました。

 いずれにせよ、長い政局は、ニューリーダー「安竹宮」で一人だけ自民党総裁になれなかった安倍晋太郎さんが二度目の総裁選を前にして67歳で亡くなったので、17億円という巨額の政治資金が残ったところから始まっています。安倍晋三後援会の初代秘書たちはその後全員クビになって、秘密を知る人が安倍洋子・晋三両氏だけになったとされています。自民党系の秘書のみなさんも、いざとなれば、ボスは守ってくれませんから、働き続けて、第50回衆院選でサボタージュでもして、すっきり転職するのもいいかもしれません。

 自民党の役員連絡会では、関口昌一参議院議院会長が「一日も早く成立させたい」と語りつつも、松山政司幹事長が「年度内成立が確実になったが、参議院も、関口会長を先頭に頑張る」とフォローしたようです。自公の足並みの乱れの兆しはなく、与党の賛成多数で可決し、成立する見通しです。野党としては、身に見えないお金の世界について、連日算数ドリルを課していけば、そのうち粗が出る閣僚・答弁執筆者が出そうです。


[画像]山本太郎さんに答弁する新川浩嗣・主計局長(昭和62年大蔵省)、参議院インターネット審議中継から宮崎信行がスクリーンショット。

 れいわ新選組の山本太郎さんは、能登半島地震で首相の被災地入りの遅れをつきました。国立国会図書館専門調査員は、ニュージーランド首相、台湾総統、トルコ大統領らは発災当日から3日目までに現地入りした事実を答弁しました。国交省航空局長は能登空港が発災後14日間で天候のため離着陸できなかったのは3日間だけだと答弁しました。予備費に関しては、第4次の安倍首相秘書官だった新川主計局長が答弁しました。無能な首相による人災だったことが2カ月経ってようやく明るみに出てきました。

 質疑の後、委員派遣に関して、報告がありました。沖縄本島でこども子育て、ITの現地視察後に2日目は石垣島にわたり陸自を視察し、竹富町役場、石垣市役所を訪れたとしました。「沖縄県で1泊2日」なので遊びかと思っていましたが、沖縄本島から石垣島にわたる有意義な視察だったようです。

 一方、自民党の役員連絡会(月曜日の役員会と違い総理総裁は加わらず)では、茂木幹事長が冒頭「日経平均株価が4万円を超えた」と発言しました。私たちが属する国際金融秩序が、中国・恒大集団の倒産からデカップリングされていることから、間接金融では影響なく、直接金融の投資マネーが中国を避け日本に投資しているからだと思われます。上場来高値を付けている銘柄が多いでしょうから、大企業の持ち合い株の塩漬けも解消されるかもしれません。大企業での株の売却はピンチのときの現金つくりの印象が強く、設備投資や恒久的な賃上げにはつながらないお金です。株価よりも、日本銀行が日本国債買い入れによる量的金融緩和を規模を縮小しながら「長期化」させることが一番大事な政策になります。そして、新川主計局長と同期の神田財務官ももっと外国為替特別会計の米国債を売却した「ドル売り円買い介入」をして、政策的な支出にもつなげる日米合同委員会を無視した大胆な国策をしていってほしいと考えています。

 また、立憲の岡田幹事長(政治改革実行本部長兼務)は政治資金規正法の修正協議について(1)事実の解明→(2)自民党大会を前にした政治責任→(3)制度設計と進むべきだとの手順を示し、まだ(1)もできていないとの認識を明示しました。

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石橋通宏「自民党の中西祐介筆頭理事と参議院でもしっかり予算審議」「土日出勤は全部総理のせい」

2024年03月04日 18時50分25秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]石橋通宏さん、おととし4月、参議院第一別館の「講堂」で、宮崎信行撮影。

 民主党政権後半の内閣法制局長官だった山本庸幸さんの「回想録」が先月28日付で出版され購入して読みました。3期後輩ながら叱られた岡田克也副総理の話はまったくでませんが、鳥獣保護法の素案で環境省職員を呼び出したら自然保護官で法律が分からないとのことで省によって違うなと思いつつよもやま話をしながら山本さんがほとんど書いたとの話。次長になってから委員会の場内協議で「これが委員会を止めるということか」と辞職も思いいたったこと。長官になって昼に院内を散歩して与党幹部に話を聞く記者や、守衛さん(衛視のこと)と初めて顔なじみになったこと。そして、何より平和安全法制は憲法9条違反だと明確に断定していること。大変興味深い本でした。けっして買えと言っているわけではありません、ネット社会は厄介な読者がいます。ちなみに山本はお母さんの姓で「福井の山本さん」のようです。

 それと山本さんは民主党政権で厚生労働省に呼ばれて、おそらく法制局が省に行くのは珍しいでしょうが、局長がうなだれるなか、大臣と政務官、おそらく山井和則さんと思われますが、減額の補正予算をして自治体から政府が損害賠償をされることはあるのかと聞かれて閉口したようです。

 これは、新聞などが刑法による「違法」の逮捕・起訴を報じるのに対して、民法の「不法」による損害賠償がほとんど報じられないことも起因していると思います。衆議院では初日の星屋国税庁次長の「使途不明なら雑所得になり課税対象となる」答弁と、最終日の奥下剛光さんの実家の税務調査発言。テレビ朝日などはワイドショー部も報道局もすぐに反応したのに、新聞社は反応なし。民法の不法行為や国税通則法により後からお金を請求される方が、逮捕・収監よりも恐れる人・組織がいるということを理解できないと社会は理解できません。ちなみに、インボイスを初めて申告(まもなく納税)しましたが、ビジネス取引にペナルティを課すかのような消費税・地方消費税は廃止すべきです。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月4日(月)】
 「令和6年度予算案」。趣旨説明は先月2日に既に聞いています。その後に委員派遣をしていますが、便宜上、きょうで2日目とカウントします。基本的質疑1日目です。衆議院は初日から最終日までの「星屋次長答弁」で決まりましたが、参ではきょねんは頭出しができずテレビ中継が終わった4日目に、「一級品の行政文書」が出てきて、そのまま行きましたが、やはり参議院は世論が反映できてないと感じる終わり方となりました。

 石橋通宏・野党側筆頭理事は次のように語りました。

 「きょうから参議院での来年度予算案審議が始まったわけですが、与党の中西祐介筆頭理事と参議院でしっかりと充実した審議をする環境を我々はしっかり作っていきたいという話をずっとしてきた」と披露し、「それを総理がいきなりぶち壊した。土日多くの皆さんがきょうのための準備をしています。年度内成立自然成立にこだわった。参議院の審議を軽視されてるんですか。総理がそれを指示したんですか」と問いました。

 石橋さんは、霞が関の軽減を減らすため、レクチャーや問取りに来なくていいと配慮したが、ほとんどの省が来たとしました。そのうえで石橋さんは「土日にこれだけ多くの皆さんを働かせといて、リーダーとして何の言葉もなかった。それもう一度何のねぎらいの言葉も、お詫びもないんですか」と畳みかけました。

 中西さんは、合区・特定枠を導入する改正公選法に反対するぶら下がりを、私は遠巻きにリアルで見たと記憶しています。他人事ながら、吉田博美幹事長(当時、故人)に叱られないかと心配しました。

 きょうの審議では、財務、防衛両大臣がアメリカ軍施設である辺野古海兵隊施設(新基地)の建設のおよそ1兆円近くは、防衛財源確保法の「5年で43兆円」の枠外だとの答弁がありました。

 能登地震のさい、輪島分屯基地は1月1日なので40名しかおらず、1000人の被災者を敷地内に受け入れたとし、木原稔・防衛大臣は「ワジマ、フォーティーズと呼んでいる」と勇ましく答弁しました。

 与野党から坂本哲志農相に対して、転作地の水張り要件の緩和を求める声が出ました。

 能登地震について、松村祥史防災相は「高齢者が多く、半島である」ことが復旧の遅れになっているとしました。

 比例の1期生、友納理緒さんも質問しました。同期20人(赤松健さん、生稲晃子さんら)でテレビ入りトップバッターだと思われます。日本看護連盟の勝率は日本医師連盟より高いです。十数年前から、医看格差という言葉は聞かれなくなり、看介格差の方が問題となっています。専門職は選挙運動をやって権利闘争をしないと、待遇は改善されません。

●衆議院はきょうあすともありません。あすの岡田克也幹事長会見は、常任幹事会が開かれない週なので、午後3時00分から。
●あすも参議院予算委員会で、田村智子・共産党幹部会委員長も質問。

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麻生太郎による野党分断政局に終止符の兆し、全野党が反対して、予算通過、政治とカネ延長戦へ

2024年03月02日 17時12分35秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]野党分断が趣味の麻生太郎氏、4年前2020年9月、宮崎信行撮影。

 ニコニコ生放送の実質的共同オーナーである麻生太郎氏による野党分断工作は2008年以降続いてきましたが、そろそろ闇将軍も限界を迎えたようです。

 ニクソンショック後のお金は色がついておらず、人間の寿命より長く生きます。統一教会の福本顧問弁護士が「山上さんが問題視した献金は20年前にやめています」と記者会見で語ったことがありますが、金の恨みは人間の一生より長く続きます。

 裏金国会は、まったく議論が深まらないまま、予算が通過しましたが、首相は今後も「丁寧な説明」を続けざるを得なくなりました。

 立憲と維新の支持率再逆転や国民がわずか7議席となったこともあり、維・共・国の国対委員長の足並みがそろい続けたこともあり、野党7党が一致して政府案に反対して、予算案が衆議院を通過しました。後半の衆議院の審議は、政倫審の続き、共同親権、セキュリティークリアランスなど「信なくば立たず国会」となってきますから、自民党は自壊していくでしょう。

【衆議院本会議 きょう令和6年2024年3月2日(土)】
 「令和6年度予算案」は投票総数455、賛成288、反対167。立社、維教、共、国、有、令の6会派(7政党)の野党がすべて足並みをそろえたうえで、政府原案を可決し、参議院に送付します。なお、「30日ルール」は参議院の議決よりも前に衆議院で解散された場合は、適用されません。

 「地方税法改正案」(213閣法2号)は立共令の3会派が反対して自公維国有の5会派が賛成して可決し、参送付。
 「地方交付税法改正案」(213閣法3号)は共令反対、自公立維共国有の賛成多数で可決し、参へ。
 「所得税法改正案」(213閣法1号)は立維共国令有令が反対し、自公のみが賛成して、可決し、参へ。

●来週の予定 月曜日からいきなり3日間、参議院予算委員会の基本的質疑となります。参議院自民党の姿勢も要チェックです。

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遠藤敬国対の顔をたてて予算案の自然成立容認と「政治改革特別委」設置で合意 参・自は月曜日から

2024年03月02日 14時47分07秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]日本維新の会の遠藤敬国対委員長(衆議院議院運営委員会理事兼務)、おととし2022年12月、宮崎信行撮影。

 令和6年度予算案は、きょう2024年3月2日(土)に衆議院を通過して、憲法60条「30日ルール」による成立が確定して参議院に送ることが決まりました。遠藤敬・日本維新の会国会対策委員長が、自民党と立憲民主党に別々に働きかけました。遠藤さんが提案した「政治改革特別委員会」(仮称)は4月に設置することでも合意し、衆院での「自民党裏金」追及の長期化で浜田靖一国対委員長も折れました。浜田委員長は数人の自民党議員が自分から政治倫理審査会に出て弁明したがっていることも明かしました。

 参議院の自民党と立憲民主党は週明け月曜日(3月4日)に基本的質疑1日目を行うことで合意しました。「消化試合にさせない」のは参議院ではむしろ自民党にかかっていますので、来夏改選議員が地元での批判が高まれば、積極的に首相らに裏金の解明を求める展開はありえます。

 首相が安倍派の大臣に続き、政務官も更迭。これもあり、野党は大臣や局長・秘書官らの「首をあげる」ことはできませんでした。しかし、裏金、子ども子育て支援金の初日から頭出しした柱を最後までひっぱり参議院にバトンタッチすることになりました。統一教会をめぐる盛山正仁文部科学大臣不信任決議否決も波が静かになったとは言い切れません。

 小野寺五典委員長、加藤勝信筆頭理事らは予算審議を離れますが、首相は「裏金をめぐる丁寧な説明」をあと1か月続けることになります。

【衆議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月2日(土)】
 「令和6年度予算案」は20日目で、集中審議4本目「内外の諸課題」の立憲、共産の残りがありました。前日同様集中審議なのにNHK中継はなかったようです。
  その後、締めくくり質疑2時間。定時運行で午後2時7分ごろ質疑終局。組み替え動議は、維新・教育、共産、国民の3会派が各々出しました。なお、立憲が組み替え動議を出さなかったのは、日程の混乱のあおりではなく、事前に次の内閣で決定していました。

 採決は賛成多数で、政府原案通り可決すべきだと決まりました。午後2時45分ごろ散会しました。

 なお、今後も、立憲理事が下村博文さんらの予算委での参考人招致を求めることになりそうです。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 6月の定額減税を盛り込んだ「所得税法改正案」(213閣法1号)を採決。

【衆議院総務委員会 同日】
 住民税を盛り込んだ「地方税法改正案」(213閣法2号)と来年度大幅増額の「地方交付税法改正案」(213閣法3号)

【衆議院本会議 同日】
 「令和6年度予算案」、「所得税法改正案」(213閣法1号)、「地方税法改正案」(213閣法2号)、「地方交付税法改正案」(213閣法3号)。

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【速報】現職議員に予算委開催中に税務調査「先生には迷惑がかからないようにやりますから」

2024年03月02日 13時25分58秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]国税庁、きょねん、宮崎信行撮影。
 日本維新の会の奥下剛光衆院議員は、令和6年度予算案の締めくくり質疑で、予算委開催中に、地元の家に税務調査が入ったと明かしました。「3年前に亡くなった父のことだと思う」とし、相続税・生前の贈与税に関して、国税調査官に机の引き出しに現金が入っていないかも確かめられたとしました。その際、「奥下先生には迷惑をかけませんから」と語り、おそらくわざと奥下さんの机だけ触らなかったとしました。

 そのうえで、「5人衆にはもっと配慮したはずだ」とし、税務調査をすることをうながしました。

 奥下さんは言及しませんでしたが、宮澤喜一・初代財務大臣の秘書をつとめたことがあります。奥下さんの経歴に「建材会社役員」があるので、この建材会社のビジネス・経営に他界した家族がかかわっていたのかもしれません。

 国会議員が自分や自分の家族、家業が税務調査を受けたことを明かすのは、国会審議、記者会見を通じて異例。

 以上です。