【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

石橋通宏「自民党の中西祐介筆頭理事と参議院でもしっかり予算審議」「土日出勤は全部総理のせい」

2024年03月04日 18時50分25秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]石橋通宏さん、おととし4月、参議院第一別館の「講堂」で、宮崎信行撮影。

 民主党政権後半の内閣法制局長官だった山本庸幸さんの「回想録」が先月28日付で出版され購入して読みました。3期後輩ながら叱られた岡田克也副総理の話はまったくでませんが、鳥獣保護法の素案で環境省職員を呼び出したら自然保護官で法律が分からないとのことで省によって違うなと思いつつよもやま話をしながら山本さんがほとんど書いたとの話。次長になってから委員会の場内協議で「これが委員会を止めるということか」と辞職も思いいたったこと。長官になって昼に院内を散歩して与党幹部に話を聞く記者や、守衛さん(衛視のこと)と初めて顔なじみになったこと。そして、何より平和安全法制は憲法9条違反だと明確に断定していること。大変興味深い本でした。けっして買えと言っているわけではありません、ネット社会は厄介な読者がいます。ちなみに山本はお母さんの姓で「福井の山本さん」のようです。

 それと山本さんは民主党政権で厚生労働省に呼ばれて、おそらく法制局が省に行くのは珍しいでしょうが、局長がうなだれるなか、大臣と政務官、おそらく山井和則さんと思われますが、減額の補正予算をして自治体から政府が損害賠償をされることはあるのかと聞かれて閉口したようです。

 これは、新聞などが刑法による「違法」の逮捕・起訴を報じるのに対して、民法の「不法」による損害賠償がほとんど報じられないことも起因していると思います。衆議院では初日の星屋国税庁次長の「使途不明なら雑所得になり課税対象となる」答弁と、最終日の奥下剛光さんの実家の税務調査発言。テレビ朝日などはワイドショー部も報道局もすぐに反応したのに、新聞社は反応なし。民法の不法行為や国税通則法により後からお金を請求される方が、逮捕・収監よりも恐れる人・組織がいるということを理解できないと社会は理解できません。ちなみに、インボイスを初めて申告(まもなく納税)しましたが、ビジネス取引にペナルティを課すかのような消費税・地方消費税は廃止すべきです。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月4日(月)】
 「令和6年度予算案」。趣旨説明は先月2日に既に聞いています。その後に委員派遣をしていますが、便宜上、きょうで2日目とカウントします。基本的質疑1日目です。衆議院は初日から最終日までの「星屋次長答弁」で決まりましたが、参ではきょねんは頭出しができずテレビ中継が終わった4日目に、「一級品の行政文書」が出てきて、そのまま行きましたが、やはり参議院は世論が反映できてないと感じる終わり方となりました。

 石橋通宏・野党側筆頭理事は次のように語りました。

 「きょうから参議院での来年度予算案審議が始まったわけですが、与党の中西祐介筆頭理事と参議院でしっかりと充実した審議をする環境を我々はしっかり作っていきたいという話をずっとしてきた」と披露し、「それを総理がいきなりぶち壊した。土日多くの皆さんがきょうのための準備をしています。年度内成立自然成立にこだわった。参議院の審議を軽視されてるんですか。総理がそれを指示したんですか」と問いました。

 石橋さんは、霞が関の軽減を減らすため、レクチャーや問取りに来なくていいと配慮したが、ほとんどの省が来たとしました。そのうえで石橋さんは「土日にこれだけ多くの皆さんを働かせといて、リーダーとして何の言葉もなかった。それもう一度何のねぎらいの言葉も、お詫びもないんですか」と畳みかけました。

 中西さんは、合区・特定枠を導入する改正公選法に反対するぶら下がりを、私は遠巻きにリアルで見たと記憶しています。他人事ながら、吉田博美幹事長(当時、故人)に叱られないかと心配しました。

 きょうの審議では、財務、防衛両大臣がアメリカ軍施設である辺野古海兵隊施設(新基地)の建設のおよそ1兆円近くは、防衛財源確保法の「5年で43兆円」の枠外だとの答弁がありました。

 能登地震のさい、輪島分屯基地は1月1日なので40名しかおらず、1000人の被災者を敷地内に受け入れたとし、木原稔・防衛大臣は「ワジマ、フォーティーズと呼んでいる」と勇ましく答弁しました。

 与野党から坂本哲志農相に対して、転作地の水張り要件の緩和を求める声が出ました。

 能登地震について、松村祥史防災相は「高齢者が多く、半島である」ことが復旧の遅れになっているとしました。

 比例の1期生、友納理緒さんも質問しました。同期20人(赤松健さん、生稲晃子さんら)でテレビ入りトップバッターだと思われます。日本看護連盟の勝率は日本医師連盟より高いです。十数年前から、医看格差という言葉は聞かれなくなり、看介格差の方が問題となっています。専門職は選挙運動をやって権利闘争をしないと、待遇は改善されません。

●衆議院はきょうあすともありません。あすの岡田克也幹事長会見は、常任幹事会が開かれない週なので、午後3時00分から。
●あすも参議院予算委員会で、田村智子・共産党幹部会委員長も質問。

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