【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

麻生太郎による野党分断政局に終止符の兆し、全野党が反対して、予算通過、政治とカネ延長戦へ

2024年03月02日 17時12分35秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]野党分断が趣味の麻生太郎氏、4年前2020年9月、宮崎信行撮影。

 ニコニコ生放送の実質的共同オーナーである麻生太郎氏による野党分断工作は2008年以降続いてきましたが、そろそろ闇将軍も限界を迎えたようです。

 ニクソンショック後のお金は色がついておらず、人間の寿命より長く生きます。統一教会の福本顧問弁護士が「山上さんが問題視した献金は20年前にやめています」と記者会見で語ったことがありますが、金の恨みは人間の一生より長く続きます。

 裏金国会は、まったく議論が深まらないまま、予算が通過しましたが、首相は今後も「丁寧な説明」を続けざるを得なくなりました。

 立憲と維新の支持率再逆転や国民がわずか7議席となったこともあり、維・共・国の国対委員長の足並みがそろい続けたこともあり、野党7党が一致して政府案に反対して、予算案が衆議院を通過しました。後半の衆議院の審議は、政倫審の続き、共同親権、セキュリティークリアランスなど「信なくば立たず国会」となってきますから、自民党は自壊していくでしょう。

【衆議院本会議 きょう令和6年2024年3月2日(土)】
 「令和6年度予算案」は投票総数455、賛成288、反対167。立社、維教、共、国、有、令の6会派(7政党)の野党がすべて足並みをそろえたうえで、政府原案を可決し、参議院に送付します。なお、「30日ルール」は参議院の議決よりも前に衆議院で解散された場合は、適用されません。

 「地方税法改正案」(213閣法2号)は立共令の3会派が反対して自公維国有の5会派が賛成して可決し、参送付。
 「地方交付税法改正案」(213閣法3号)は共令反対、自公立維共国有の賛成多数で可決し、参へ。
 「所得税法改正案」(213閣法1号)は立維共国令有令が反対し、自公のみが賛成して、可決し、参へ。

●来週の予定 月曜日からいきなり3日間、参議院予算委員会の基本的質疑となります。参議院自民党の姿勢も要チェックです。

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遠藤敬国対の顔をたてて予算案の自然成立容認と「政治改革特別委」設置で合意 参・自は月曜日から

2024年03月02日 14時47分07秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]日本維新の会の遠藤敬国対委員長(衆議院議院運営委員会理事兼務)、おととし2022年12月、宮崎信行撮影。

 令和6年度予算案は、きょう2024年3月2日(土)に衆議院を通過して、憲法60条「30日ルール」による成立が確定して参議院に送ることが決まりました。遠藤敬・日本維新の会国会対策委員長が、自民党と立憲民主党に別々に働きかけました。遠藤さんが提案した「政治改革特別委員会」(仮称)は4月に設置することでも合意し、衆院での「自民党裏金」追及の長期化で浜田靖一国対委員長も折れました。浜田委員長は数人の自民党議員が自分から政治倫理審査会に出て弁明したがっていることも明かしました。

 参議院の自民党と立憲民主党は週明け月曜日(3月4日)に基本的質疑1日目を行うことで合意しました。「消化試合にさせない」のは参議院ではむしろ自民党にかかっていますので、来夏改選議員が地元での批判が高まれば、積極的に首相らに裏金の解明を求める展開はありえます。

 首相が安倍派の大臣に続き、政務官も更迭。これもあり、野党は大臣や局長・秘書官らの「首をあげる」ことはできませんでした。しかし、裏金、子ども子育て支援金の初日から頭出しした柱を最後までひっぱり参議院にバトンタッチすることになりました。統一教会をめぐる盛山正仁文部科学大臣不信任決議否決も波が静かになったとは言い切れません。

 小野寺五典委員長、加藤勝信筆頭理事らは予算審議を離れますが、首相は「裏金をめぐる丁寧な説明」をあと1か月続けることになります。

【衆議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月2日(土)】
 「令和6年度予算案」は20日目で、集中審議4本目「内外の諸課題」の立憲、共産の残りがありました。前日同様集中審議なのにNHK中継はなかったようです。
  その後、締めくくり質疑2時間。定時運行で午後2時7分ごろ質疑終局。組み替え動議は、維新・教育、共産、国民の3会派が各々出しました。なお、立憲が組み替え動議を出さなかったのは、日程の混乱のあおりではなく、事前に次の内閣で決定していました。

 採決は賛成多数で、政府原案通り可決すべきだと決まりました。午後2時45分ごろ散会しました。

 なお、今後も、立憲理事が下村博文さんらの予算委での参考人招致を求めることになりそうです。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 6月の定額減税を盛り込んだ「所得税法改正案」(213閣法1号)を採決。

【衆議院総務委員会 同日】
 住民税を盛り込んだ「地方税法改正案」(213閣法2号)と来年度大幅増額の「地方交付税法改正案」(213閣法3号)

【衆議院本会議 同日】
 「令和6年度予算案」、「所得税法改正案」(213閣法1号)、「地方税法改正案」(213閣法2号)、「地方交付税法改正案」(213閣法3号)。

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【速報】現職議員に予算委開催中に税務調査「先生には迷惑がかからないようにやりますから」

2024年03月02日 13時25分58秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]国税庁、きょねん、宮崎信行撮影。
 日本維新の会の奥下剛光衆院議員は、令和6年度予算案の締めくくり質疑で、予算委開催中に、地元の家に税務調査が入ったと明かしました。「3年前に亡くなった父のことだと思う」とし、相続税・生前の贈与税に関して、国税調査官に机の引き出しに現金が入っていないかも確かめられたとしました。その際、「奥下先生には迷惑をかけませんから」と語り、おそらくわざと奥下さんの机だけ触らなかったとしました。

 そのうえで、「5人衆にはもっと配慮したはずだ」とし、税務調査をすることをうながしました。

 奥下さんは言及しませんでしたが、宮澤喜一・初代財務大臣の秘書をつとめたことがあります。奥下さんの経歴に「建材会社役員」があるので、この建材会社のビジネス・経営に他界した家族がかかわっていたのかもしれません。

 国会議員が自分や自分の家族、家業が税務調査を受けたことを明かすのは、国会審議、記者会見を通じて異例。

 以上です。