【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自民激流、政界一寸先は闇、世耕「非公認」二階「引退へ」であさってにも採決の予算で立憲・石橋筆頭理事「奨学金こと学生ローンを帳消しに」急進左派スローガン

2024年03月25日 20時50分25秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]二階俊博・元自民党幹事長・新生党衆議院議員。

 まず、先週末、読売に「塩谷立、下村博文、西村康稔、世耕弘成4氏非公認論」が出ました。このうち塩谷氏は比例復活ですが、世耕氏(61歳)。参議院和歌山選挙区は改選定数1ですから、非公認では学校法人近畿大学で全国比例で12万票は厳しいので政治生命は風前のともしびに。経産相3年1カ月で省内でも評価が高かったのですが、政界は一寸先は闇の岸田再選戦略となりそうです。


[写真]安倍派4氏非公認論を報じた読売。

 そして、きのうの日曜討論では立憲民主党の岡田克也幹事長(70歳)が遊説先の札幌局から出演し、「4氏らの議員辞職勧告論」「能登地震の補正予算論」を流しました。そして今朝、自民党の二階俊博元幹事長・国土強靭化本部長(85歳)が次期衆院選不出馬を記者会見で発表しました。二階派の裏金の引責に近いかっこう。「自民党不信」か「政治不信」か。流動化しました。

【参議院予算委員会 きょう令和6年2024年3月25日(月)】
 「令和6年度予算案」は16日目で、テレビ入り集中審議「岸田内閣の基本姿勢」。あさって27日(水)にも採決の公算。土日議会は無さそう。
 衆の初日から「裏金」ラインナップを維持してきましたので、石橋通宏・筆頭理事が満を持して登板。石橋さんは「奨学金こと学生ローンを帳消しにすべきだ」と主張しました。予算委好調だったから、一発景気づけたのかな。党の公約はそこまで行っていないようです。8年ぶりにトランプさんが当選する情勢となりつつありますが、8年前はバーニー・サンダース上院議員(当時74歳) の後ろに「バーニー」とファーストネームだけのTシャツを着た男女学生たちの姿が印象的でした。学生ローンの「帳消し」ではなく「政府による肩代わり」だと思いますが、労働党のジェレミー・コービン党首(陰湿に離党させられ解散で議員引退確定)とともに「左翼リベラル・金融緩和・積極財政」という「急進左派」は政権に届かなかったものの強烈な印象を残しました。「れいわ新選組」の公約につながっています。石橋筆頭理事の思いは届くか。

 三重自民党の山本佐知子の問いに国土交通大臣は「4月から、下水道だけでなく上水道も国土交通省が一体で整備する」と語りました。坂本農相は「漁業は収入が増えて、働くやすくなっている」と答弁。繰り返しますが、私は農漁業の1世帯当たりの現金収入は10年間で増えたと考えますが、立憲は違う認識のようです。明日からの「食料・農業・農村基本法案」(213閣法26号)の審議はどうなる。

  立憲の牧山ひろえ、勝部賢志両氏は「党として確定申告を促せ」と問いましたが、首相は「国民の声は承知しているが、政治資金の扱いで変わってくる」と「総務省的な世界」から動きません。

 立憲「農業キャラバン」の徳永エリさんは「きょねんの長野県中野市の事件で銃刀法改正案(213閣法30号)が出たが、熊はうてるように鳥獣保護管理法を改正してほしい。警察官とハンターの判断でうてるが、省令ではなく、環境省が法改正のプロセスに入ったので歓迎したい」としました。あすは一般質疑。

●あすの衆議院本会議で「食料・農業・農村基本法案」(213閣法26号)が審議入り。あすの衆・法務委は一般質疑だけで「共同親権」(213閣法47号)は入らなそう。予算関連法案は金曜日(3/29)の参・本会議までかかりそうですが、土日は引っ越しに専念できるでしょう。


[写真]堀辰雄「美しい村」の「軽井沢」を訪れた筆者、きょねん2023年4月18日、G7外相サミットと、人生初の「町議選(5日間)の出発式(寺田和佳子完全無所属現職=3選)を取材した筆者。地方支分支局に出る国家公務員は、ゆっくりした土日になりそうです。

 あすの立憲常任幹事会は午後3時45分からで、トンビも増えてきました。目玉法案目白押し。余裕のある国会ウォッチャーは要監視です。両陛下は会期末前後の都知事選の6月下旬に1週間ほど国賓訪英。主席随員は誰がいいですかねえ。この1週間、国事行為代行法がありますが、天皇が外国にいて解散詔書が出たことは歴史上いちどもありません。コロナ明けで春や夏なのに実りの秋というような不思議なシーズンになりそう。


[写真]二階俊博・元自民党幹事長・新生党衆議院議員。

以上です。