flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

岐阜街道 下津(南)

2008-01-30 01:00:32 | 街道・宿場町

(鎌倉街道 愛知県稲沢市)
 美濃路四ツ家追分から分かれ、北向する岐阜街道は、追分より葉栗郡黒田まで、鎌倉街道とほぼ同じ道程を辿っていた。現在の東海道線稲沢操車場に沿う旧井之口村付近では、蛇行を繰り返しながら旧下津(おりづ)村へと入っていく。一時期、尾張国衙が、この地に存在したと推定されており、また鎌倉街道時代は宿場が存在したという。
        
 街道筋は、往時の風情を随所に残すが、その他にも幾つかの社寺があり、妙長寺、阿弥陀寺、八幡社、圓通寺、圓光寺、神明社等がある。その内、日蓮宗瑞雲山妙長寺は、文明十年(1478)山田長親が、父明長の菩提を弔うため、「法華堂」を建立したのが始まりとされ、天正十一年(1583)には、織田信雄が父の字を入れ、「妙長父寺」と称したこともあったという。
 国府山阿弥陀寺は、延応元年(1239)に真言宗曩謨(のうまく)寺として創建し、後に僧蓮如が訪れた際に浄土真宗阿弥陀寺となった。街道脇には「二十四輩」(親鸞の24人の弟子の開基した寺という意)と刻まれた石碑が建っている。また、養老七年(723)行基の開基とされる天台宗寂光山圓光寺には、江戸時代の仁王門が残っている。

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