田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「はやぶさ」を操った男の話

2011-12-26 23:22:20 | 講演・講義・フォーラム等
 タイトルが少し軽すぎただろうか? 小惑星探査機「はやぶさ」の無事帰還(サンプルの帰還)をプロジェクトマネージャーとしてミッションをリードし続けた川口淳一郎教授の講演会を青少年科学館で聞くことができました。
 
 今年一年数多くの講演会、講座に参加してきましたが、今年最後の講演会として札幌市青少年会館で行われた講演会に参加しました。
 講演会は「『はやぶさ』が跳んだ人類初の往復飛行とそれを支えた力」と題して宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授がお話されました。

          
          ※ 会場はプラネタリウムで星を投影するドームで、その天井にスライドが写されました。

 科学はまったく弱い私ですが、世界的にも注目された地球重力圏外の天体(小惑星イトカワ)からサンプルを持ち還るという世界初の快挙を成し遂げたリーダーの話にとても興味がありました。
 ところが…!?
 川口教授の話がとてつもなく速いのです。
 もともと早口の方が、多くの内容を私たちに伝えようとしたようです。
 お話を聞きながら、プラネタリウムのドーム天井に映されるパワーポイントの文字を追っていると、次から次へと話が転換していき頭の回転が少々鈍くなっている私には良く理解できぬまま話が進んでいくといった感じでした。

          
          ※ 暗闇の中で講演する川口教授です。

 そうしたこともあって話の内容をレポートすることができないのが残念ですが、川口氏が教育に関して発言された部分が興味深かったので紹介してみることにします。
 川口氏は「教科書に書いてあることをどんなに学んでも、過去の知識に過ぎない。われわれの世界に他人の模倣とか、『学びのプロ』はいらない。求められるのはインスピレーションと発想力。他人と同じである必要はなく、天の邪鬼(じゃく)でいい」とか、「高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えてこない」と言います。

 世界をリードする科学を推し進める人、世界初の技術を開発する人の教育論は、ある意味現在の日本の教育の欠点をそのまま指摘しているようにも聞こえます。
 私のように小学校教育に携わっていた者にとっては、そのまま頷くわけにはいかない部分もありますが、傾聴に値する教育論でもありました。

          
          ※ 日本国内で公開される「はやぶさ」に関する3本の映画についてその裏話を披露してくれました。