秋色に彩られた日高路にはまだ少し早かったが、レ・コード館、判官館森林公園、サラブレッド銀座、優駿記念館、コスモスロード、アイヌ関係の博物館・資料館と見どころてんこ盛りの上に、心地良い温泉を加えた典型的な中高年が好む小旅行を満喫した。
※ 義経伝説が伝えられる判官館岬から新冠市街を眺めたところです。
トリップ…、トラベルより短い期間の旅行を指す。それに「小」を加えたのだからますます短い小さな旅を指す。このような旅を「小トリップ(ことりっぷ)」とどこかで称していたのを記憶している。
何度かこのブログでも触れているが、私は某団体の厚生部に所属する。その厚生部がプロデュースする観楓会が10月2~3日の一泊二日日程で、日高路を旅してきた。
プロデュースと表現したが、文字どおり旅行会社などを通さず、経費節減の狙いもあって全てを私たちが企画・実施する旅である。
それにしても少し忙しい旅だった。やはり素人が企画する悲しさか、あれもこれもと詰め込み過ぎた感がしないでもない。
特に二風谷ではアイヌ文化博物館、沙流川歴史館、萱野茂資料館、それに沙流川ダム公園と一挙に四つの施設を1時間弱で廻るのだから大変だった。もう少しゆっくり、じっくりと見てみたい思いが参加者にはあったのではないかと思われる。
※ 新冠町が誇る「レ・コード館」の全景です。
そんな中、新冠町が誇る「レ・コード館」について少し詳しく紹介してみたい。
レ・コード館のパンフレットには「⒛世紀に花開いたレコード文化。誰もが気軽に音楽が楽しめるようなったのはまさに蓄音機の誕生とレコードのおかけでした。温かみのある音は今なお聴く人々の心を魅了します。当ミュージアムではレコードの歴史的エピソードやレコード全盛期の物語を紹介しています。どうぞゆっくり音楽文化との出会いをお楽しみください」とある。
※ 年代物の蓄音器が陳列され、音も楽しめます。
「新冠町が誇る」と表現したが、それは音楽文化の時代がアナログレコードからCDへと移行しようとしていた平成元年頃、いち早くレコードコレクションを始めようと全国の愛好家に呼びかけ全国にもあまり例のない特異な資料館を建設し、ファンからは熱烈な支持を受けていることにあると思われる。
2010年現在、全国から集まったレコードの数は78万枚余りというから、目の付け所が良かったのだろう。それらを貯蔵・展示するとともに、視聴もできるようにした施設がレ・コード館である。
※ 特注で製作された巨大なオールホーン・スピーカーの裏側です。
併せて、蓄音機など音の再生装置の歴史も展示され、「蓄音機コンサート」では年代物の蓄音機でSPレコードを実際に聴かせてくれた。鉄針と竹針を比較して聴かせてくれるのも興味深かった。
また、レ・コード館のために特注されたというオールホーン・スピーカーは全長3.4m、開口部1.7mの巨大なもので、そのスピーカーの音をレ・コードホールで視聴することができた。曲はリクエストできるとのことだったが、私たちはスタッフに選定を任せクラッシックや歌謡曲など硬軟併せて5曲を楽しんだ。
※ こちらがオールホーン・スピーカーの表側の開口部です。
日高というと、私たち札幌人にとっては心理的にしどうしても遠い感じがする地である。
しかし、今回旅してみてけっこうな見どころを備えた魅力的な地域だと再発見した思いだ。そんな中、それぞれの地域もその振興に努力しているように思えた。明日はその辺りにスポットを当ててみたい。