日高路を旅していて思いもいていなかったことに意識が向いてしまった。それは過疎に悩み、財政難に悩む小さな町が「考えているなぁ~」、「工夫しているなぁ~」と思えることに出会ったのだ。
私たちの旅は札幌を出て、むかわ町の道の駅「むかわ四季の館」を最初の休憩ポイントに選んだ。むかわの道の駅の目玉は、道の駅に併設されている(併設というが実際には道の駅の中庭に設置された)ノーベル賞を受賞した鵡川町出身の鈴木北大名誉教授を讃える「鈴木章 記念ギャラリー」があることだ。
※ 「鈴木章 記念ギャラリー」はむかわ道の駅の中庭に新設されていた。
私は7月の下見の時に記念ギャラリーは見ていたので、その他の施設を見て歩いた。
するとこの「むかわ四季の館」が実に多彩な機能を有していることに気付いたのだ。
その機能とは、
まず①道の駅としての機能である。トイレや休憩所、②物産館、③コーヒーショップ、④食事処など、こうした施設は道の駅の機能としては一般的かもしれない。
ところが「むかわ四季の館」はこれだけではなかった。
一つは⑤温泉である。「むかわ温泉四季の湯」という施設がある。そして⑥「たんぽぽホール」というホール施設、⑦25mの温水プール、スポーツジム機能が入った「スポーツプラザ」、⑧集会室を備えて公民館的機能を有する「はつらつセンター」、⑨「ディサービスゆうあい」、⑩建物の2階には「まなびランド図書室」という図書館、さらには⑪宿泊可能なホテル機能も有しているという。
私はこの事実を知ったとき驚いてしまった。「これはもはや旅するドライバーたちが憩う場、というよりは地域住民が集う場であり、憩う場ではないのか」と…。
むかわ町の文化的施設がこの道の駅に集中してしまった感がある。
※ むかわ道の駅「むかわ四季の館」の写真はこんなつまらない一枚しかなかった…。
驚いた後から、私の中には別の思いが頭をもたげてきた。
町の為政者たちは、道の駅建設の際の助成金制度を上手に活用し、町の懸案事項を一気に解決しようとしたのではないかと…。
田舎に住んでいてもできるかぎりの文化的生活を地域住民に提供したい、と為政者が考えたとき、そこに道の駅建設のための助成金制度があったのでは、と私は想像するのだ。
おそらく道の駅「むかわ四季の館」は多くの地域住民の方々が集い、憩う場としてその機能を発揮していることと思われる。はたしてそのランニングコストがどうなっているかは知る術もないが…。
「むかわ四季の館」の外に出たとき、その外壁に「この建物は国土交通省の助成で建設された」という旨の表示が張り付けられていた。
※ 新冠のサラブレット銀座の遠景です。広々とした牧場に設けれた柵が印象的でした。