田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

熊さん被害を防ぐ道は?

2012-10-02 06:06:52 | 札幌学 & ほっかいどう学
 札幌市の住宅地でもヒグマの出没報道が頻繁である。いったいヒグマの被害を防ぐ道はあるのか? 道総研セミナー「ヒグマ出没の背景と対策を考える」を聴講した。

 熊さん騒動にすっかり登山熱を冷やされてしまった私としては是非とも聴いてみたいテーマだった。
 9月29日(土)午後、アスティ45で北海道立総合研究機構(略称:道総合研)が開催する市民向けセミナーに参加した。
 スピーカーは道総研でヒグマの生態などについても研究テーマにしている4人の研究者とNPOでヒグマの除去や被害防止に関わっている方、計5名の方がさまざまな分野からヒグマ対策について講じた。

          
       ※ この種のセミナーでは珍しく写真はNGだった。セミナー開始前に撮った一枚です。        

 スピーカーが話をした内容をここで全て紹介することはできないが、聴講した結論としてはヒグマの研究はまだ道半ばであり、決定的な対策はないと感じた。

 お話の中で私が新鮮に感じたことを中心に紹介していくことにする。
 まず、ヒグマの分布地域だが、北半球の中緯度以北に広く分布しているということだ。昔はヨーロッパや北アメリカなど温帯域にも分布していたが早くから農業・畜産業が進んだことで絶滅したということだ。「絶滅」ということは、住民によって徹底的に駆除されたということではないだろうか?野生生物の保護が叫ばれる現代ではあり得ぬ対策であろう。
 
 次に、ヒグマ被害の実態は人身被害は年間2~3件ということで意外に少ないことが分かった。また、家畜の被害も過去に比べ劇的に減っている。問題になっているのは農業被害が近年右肩上がりに増大しているということだ。

 したがって道総研の研究者の問題意識も、人的被害云々より、農業被害をいかに食い止めるかにより意識が向けられていたようだ。
 というのも、ヒグマには学習能力があり一度農作物の味を覚えたヒグマは繰り返し農地に侵入するようだ。そうして対策を施さないでいると被害は増える一方になってしまうという。
 そして、その対策としては①電気柵の設置、②緩衝帯の整備、③ハザードマップの利用、④誘因物の適正管理、⑤ドングリ類の結実調査を挙げた。
 簡単に言うと、ヒグマを農地に近づけさせない対策を徹底させるということになる。

 私はセミナーを聴くことによって、少しでも登山を安心してできるヒントを得られるかもしれない思い参加したが、それは甘かった。
 登山、山菜採り、きのこ採りなどはヒグマのテリトリーに我々が入っていくのだから、それはあくまで自己責任で対策を施すしかないということになる。
 う~ん。さあ~て…、どうすべきか? 研究者たちからは「人の道楽などに構ってなんかいられない」と言われたような気がした…。

 ※ 今日はこれから一泊二日の小トリップです。珍しく朝の投稿となりました。