えっ、そんな演出までするの? クラシックの世界もずいぶんとサービス精神旺盛なったものだ、と感じさせてくれた。これも積極的に外へ出て、クラシックの垣根を低くしようとしている大平まゆみさんがもたらした成果なのだろうか、などと思いながらチ・カ・ホ クラシックLIVE Vol.13を見守った。

※ この日の大平さんは黒の上下に色鮮やかな衣装を纏っての登場だった。
今回のチ・カ・ホ クラシックLIVE Vol.13は私のスケジュール帳には記されていなかったが、6月18日(水)当日になって友人からその情報をもたらされ、会場(北3条交差点広場)に駆け付けたのだった。
今回のVol.13は「PMF応援スペシャル」と銘打って、いつもより長いおよそ2時間にわたるライブコンサートとなった。
構成は次のとおりだった。
■プレライブ 教育大岩見沢校音楽コース学生 17:45~
・中川拓也(クラリネット) ・星千紘(ピアノ)
■歌劇弾スペシャルライブ(PMF修了生 & 応援アーティスト) 18:15~
・川島沙耶(ソプラノ) ・下司貴大(バリトン) ・鎌倉亮太(ピアノ)
■大平まゆみSpecial Live 19:00~
・大平まゆみ(ヴァイオリン) ・大家和樹(打楽器) ・明上山貴代(ピアノ)
LIVE Vol.13の全てにわたってレポートするのは難しいので、ここでは私が感じた二つのことを中心にレポートしてみたい。
まず、私が驚き、感動したのが歌劇弾のバリトン・下司貴大の声量である。
下司は教育大岩見沢の音楽コースを卒業後、札幌を中心に活動している音楽家だということだが、その圧倒的な声量に驚かされた。決して上背がある方ではないが、スーツの上からでもはっきりと分かる胸の厚さが彼の声量を支えているのだろう。共演した川島沙耶も十分な力量の持ち主なのだろうが、下司の陰に隠れてしまった感があったのは気の毒だった。「オー・ソレ・ミオ」、「フニクリ・フニクラ」、「闘牛士の歌」など6曲を堪能した。

※ 右が下司貴大さん、左が川島沙耶さんです。
続いて、大平まゆみSpecial Liveにはゲストとして札響打楽器奏者の大家和樹が登場した。
毎回、いろいろな奏者とのコラボを試みている大平さんだが、はたしてヴァイオリンとパーカッション(打楽器)とのコラボはどうだったのだろうか?打楽器の音量をできるだけ抑える形での共演だったが、それでも繊細なヴァイオリンの音を消してしまっていたように思えたのだが…。
ピアノ伴奏の明上山貴代を加えた3人で披露した曲は、彼女のオリジナル「From MY Heart」、クライスラーの「中国の太鼓」、ベートーヴェンの「トルコ行進曲」、シューベルトの「軍隊行進曲」、バーンスタインの「シンフォニック・ダンス」、そしてリクエストがあったという「アナと雪の女王」から「レット・イット・ゴー」、最後はアイーダの「凱旋行進曲」というラインナップだった。

※ パランドール太鼓を抱えて登場した大家和樹さんです。
リード文にも記した「サービス精神」について触れたい。
まず、大家の登場であるが「トルコ行進曲」のリズム楽器(パランドール太鼓)として会場後方から行進するように入場して、ステージ上を通過し、また会場を後にしながら、遠ざかるように太鼓の音色を小さくしていくという演出だった。これだけでも会場は沸いたのだが、大喝采を浴びたのは最後の「凱旋行進曲」のときだった。
大平さんがマイクを手にして「みなさん!来る20日はとても大切な日です!」と話し始めたのだ。クラシックに疎い私には何のことかさっぱり見当がつかなかった。
すると大平さんの口から出てきた言葉は……、「20日は日本がギリシアの戦う大切な日です!」と言うではないか!まさか大平さんの口からサッカーの話題が出るとは思ってもみなかったことだ。「そして、ぜひ日本代表に凱旋してもらいましょう!」と呼びかけ最後の曲、アイーダの「凱旋行進曲」の演奏へと誘ったのだった。
サプライズはそのように大平さんが話をしている間に打楽器奏者の大家さんが上着を脱ぎ始めたのだが、何とその下には日本代表のレプリカユニフォームを纏っていたのだった。
サプライズはまだ続く。演奏途中から、バリトン歌手の下司さんが前回大会の南ア大会で話題になった「ブブゼラ」を手に再登場したのだ。最後は大家さんと下司さんの二人がブブゼラを高らかに吹き、会場を大いに沸かしてチ・カ・ホ クラシックLIVE Vol.13は終了した。

※ このブブゼラ、記憶にありませんか?

※ 最後にこの日登場した出演者が総揃いしました。大家さんのユニフーム、そして二人の手にブブゼラが握られているのに注目ください。
最後にちょっと気になることがあった。司会を担当していた高山秀毅さんのアナウンスで「PMFをよろしくお願いします。今が正念場なのです」と言った言葉が気になった。
クラシックに詳しい友人のH氏によると、PMFがマンネリ化の傾向を見せているとのことだった。それは期間中、市内各所で開催されるコンサートの入場が不調だということだろうか?25年もの年数を紡ぎ、札幌の夏の風物詩として定着した感のあるPMF音楽祭が、もしも存続の危機に遭遇しているとしたら札幌市にとっては大変な文化的危機とも言える。
年金族の私には多くのコンサートに顔を出す余裕はない。しかし、期間中に1度や2度はどこかのコンサートに赴きたいと考えた夜だった。
さあ、大平さんからも強力な応援をいただいた。明朝はザックJAPANの懸命な声援を送り続けようと思う。

※ この日の大平さんは黒の上下に色鮮やかな衣装を纏っての登場だった。
今回のチ・カ・ホ クラシックLIVE Vol.13は私のスケジュール帳には記されていなかったが、6月18日(水)当日になって友人からその情報をもたらされ、会場(北3条交差点広場)に駆け付けたのだった。
今回のVol.13は「PMF応援スペシャル」と銘打って、いつもより長いおよそ2時間にわたるライブコンサートとなった。
構成は次のとおりだった。
■プレライブ 教育大岩見沢校音楽コース学生 17:45~
・中川拓也(クラリネット) ・星千紘(ピアノ)
■歌劇弾スペシャルライブ(PMF修了生 & 応援アーティスト) 18:15~
・川島沙耶(ソプラノ) ・下司貴大(バリトン) ・鎌倉亮太(ピアノ)
■大平まゆみSpecial Live 19:00~
・大平まゆみ(ヴァイオリン) ・大家和樹(打楽器) ・明上山貴代(ピアノ)
LIVE Vol.13の全てにわたってレポートするのは難しいので、ここでは私が感じた二つのことを中心にレポートしてみたい。
まず、私が驚き、感動したのが歌劇弾のバリトン・下司貴大の声量である。
下司は教育大岩見沢の音楽コースを卒業後、札幌を中心に活動している音楽家だということだが、その圧倒的な声量に驚かされた。決して上背がある方ではないが、スーツの上からでもはっきりと分かる胸の厚さが彼の声量を支えているのだろう。共演した川島沙耶も十分な力量の持ち主なのだろうが、下司の陰に隠れてしまった感があったのは気の毒だった。「オー・ソレ・ミオ」、「フニクリ・フニクラ」、「闘牛士の歌」など6曲を堪能した。

※ 右が下司貴大さん、左が川島沙耶さんです。
続いて、大平まゆみSpecial Liveにはゲストとして札響打楽器奏者の大家和樹が登場した。
毎回、いろいろな奏者とのコラボを試みている大平さんだが、はたしてヴァイオリンとパーカッション(打楽器)とのコラボはどうだったのだろうか?打楽器の音量をできるだけ抑える形での共演だったが、それでも繊細なヴァイオリンの音を消してしまっていたように思えたのだが…。
ピアノ伴奏の明上山貴代を加えた3人で披露した曲は、彼女のオリジナル「From MY Heart」、クライスラーの「中国の太鼓」、ベートーヴェンの「トルコ行進曲」、シューベルトの「軍隊行進曲」、バーンスタインの「シンフォニック・ダンス」、そしてリクエストがあったという「アナと雪の女王」から「レット・イット・ゴー」、最後はアイーダの「凱旋行進曲」というラインナップだった。

※ パランドール太鼓を抱えて登場した大家和樹さんです。
リード文にも記した「サービス精神」について触れたい。
まず、大家の登場であるが「トルコ行進曲」のリズム楽器(パランドール太鼓)として会場後方から行進するように入場して、ステージ上を通過し、また会場を後にしながら、遠ざかるように太鼓の音色を小さくしていくという演出だった。これだけでも会場は沸いたのだが、大喝采を浴びたのは最後の「凱旋行進曲」のときだった。
大平さんがマイクを手にして「みなさん!来る20日はとても大切な日です!」と話し始めたのだ。クラシックに疎い私には何のことかさっぱり見当がつかなかった。
すると大平さんの口から出てきた言葉は……、「20日は日本がギリシアの戦う大切な日です!」と言うではないか!まさか大平さんの口からサッカーの話題が出るとは思ってもみなかったことだ。「そして、ぜひ日本代表に凱旋してもらいましょう!」と呼びかけ最後の曲、アイーダの「凱旋行進曲」の演奏へと誘ったのだった。
サプライズはそのように大平さんが話をしている間に打楽器奏者の大家さんが上着を脱ぎ始めたのだが、何とその下には日本代表のレプリカユニフォームを纏っていたのだった。
サプライズはまだ続く。演奏途中から、バリトン歌手の下司さんが前回大会の南ア大会で話題になった「ブブゼラ」を手に再登場したのだ。最後は大家さんと下司さんの二人がブブゼラを高らかに吹き、会場を大いに沸かしてチ・カ・ホ クラシックLIVE Vol.13は終了した。

※ このブブゼラ、記憶にありませんか?

※ 最後にこの日登場した出演者が総揃いしました。大家さんのユニフーム、そして二人の手にブブゼラが握られているのに注目ください。
最後にちょっと気になることがあった。司会を担当していた高山秀毅さんのアナウンスで「PMFをよろしくお願いします。今が正念場なのです」と言った言葉が気になった。
クラシックに詳しい友人のH氏によると、PMFがマンネリ化の傾向を見せているとのことだった。それは期間中、市内各所で開催されるコンサートの入場が不調だということだろうか?25年もの年数を紡ぎ、札幌の夏の風物詩として定着した感のあるPMF音楽祭が、もしも存続の危機に遭遇しているとしたら札幌市にとっては大変な文化的危機とも言える。
年金族の私には多くのコンサートに顔を出す余裕はない。しかし、期間中に1度や2度はどこかのコンサートに赴きたいと考えた夜だった。
さあ、大平さんからも強力な応援をいただいた。明朝はザックJAPANの懸命な声援を送り続けようと思う。