天売島と焼尻島を巡る2泊3日の小トリップ(「ことりっぷ」と呼ぶことにする)から帰ってきた。小トリップゆえに、大して準備もせずにフワッと旅だったように思う。それでも日常を脱し、見知らぬ土地を旅することは、それなりの感慨や、思わぬ出会いがあり、旅の素晴らしさを実感する。2泊3日の小トリップを写真と共に回想してみることにした。
まずは、天売・焼尻に至る前のプロローグ編である。
札幌から羽幌までは約180キロのドライブである。
この間の中で私にとっては浜益~増毛間と小平~羽幌間が初めてドライブするところだった。
写真は増毛町雄冬地区に入るトンネルを抜けたところにあった「白銀の滝」である。高い崖の上から一気に流れ落ちる様はなかなか見事である。高さは約30mとのことだが、すぐ目の前で見られることもあり、私にはもっともっと高く感じられた滝だった。
さて、この浜益~増毛間だが、とにかくトンネルがものすごく多い区間である。そのトンネルは浜益の手前、厚田を過ぎたあたりから次々と現れる。長いものは2キロを超えるようなトンネルもあり、数は数えていなかったが大小10数個は下らないのではないだろうか?以前、雄冬地区は「陸の孤島」という呼ばれ方をされたが、こうしたトンネルが完成していなかった時代では「なるほど…」と納得させられるようなトンネル群だった。この区間は、トンネルを造るために工事費が莫大にかかったことから「ダイアモンド道路」と呼ばれているとか…。
続いては、昨日もアップした苫前町の風力発電の風車群である。
行きの羽幌へ向かうときより、帰りの札幌に向かうときの方が全体が良く見える。行くときにはせいぜい10基程度かなと思っていたが、そんな数ではなかった。データによると39基とのことだが、それらが一望できるポイントは壮観である。
あれだけの風車が集中しているということは相当の風の名所(?)なのかもしれない。風力発電の発電効率が話題になるが、技術の進歩でより効率的に、大量の電力を産み出すことが出来るようになることを願いたいものだ。
三つ目は、羽幌町の夕陽である。羽幌町は「サンセット王国」などと自称して夕陽の美しい町をPRしている。天候も良かったので、宿から歩いて10分ばかりの羽幌港に向かった。そこで思わぬ出会いがあり、水際まで行くことが出来なかったが、それなりの夕陽をカメラに収めることが出来た。
思わぬ出会いであるが、旅の途中からもレポートしたが、港に向かっている途中に太鼓や笛の祭囃子の音が聞こえてきた。近くにいた老婦に「お祭りの稽古なのですか?」と伺うと、「近く祭りがあるので、小学生が練習をしているのだ」と言う。興味を抱いた私は「ちょっと覗いてみたいなぁ」という思いに駆られ、太鼓や笛の音に導かれ、近づいていった。するとそこに練習をしている親と思われる婦人がいて、事情を話すと「中に入って見ても良い」と言ってくれた。「加賀獅子保存会」と書かれた会館の中に案内されると、小学生の男女10人くらいが、二人の指導者のもと和気あいあいと練習をしていて、私が室内に入ると初対面であるにも関わらず歓迎してくれた。
聞くと、来る7月8日~10日に行われる「羽幌町神社祭(夏祭り)」で披露する「羽幌加賀獅子舞」の練習をしているのだという。羽幌町は石川県から移住した子孫が多く、石川県内灘町に伝わる加賀獅子を今に伝えているのだという。
こうして歴史と伝統が脈々と子孫に伝えられている光景の一つを目の当たりにすることができたのは幸運だった…。