日本最高峰を誇る富士山は、独立峰としてその姿かたちの優美さを誇り、人々の憧憬を誘う山であることに異論を挟む人は少ないはずだ。世界遺産に登録された富士山のDVDを2本続けて観た。
10月26日(月)、午後「めだかの学校」があった。これまで月の第4月曜日は、夏季間は野外学習が主だったのだが、冬季に入り室内学習に切り替わった。
そのメニューが昨年から継続して視聴している「日本の世界遺産」に関する映像資料を視聴することだった。そこで今回取り上げられたのが2013年に世界文化遺産と登録された「富士山」だった。
視聴したDVDは、「世界遺産 富士山 ~信仰の対象と芸術の源泉~」とNHKスペシャル「世界遺産富士山 水をめぐる神秘」という2本だった。
日本各地に山岳信仰が伝わるように、富士山にもまた富士山を神と見立てた「富士信仰」というものが存在する。その代表的なものが「浅間信仰」である。
映像においては、昔から今に伝わる浅間信仰について詳しく描写されたものが映し出された。
また、富士山は芸術の対象としても多くの人たちを魅了した。芸術文化が爛熟期を迎えた江戸末期には葛飾北斎や歌川広重といった俊英たちが富士山を対象とした作品を次々と遺した。それは遠くヨーロッパの画家たちにも影響を与えたという。
※ 富士山を描いた浮世絵としてあまりにも有名な葛飾北斎の富嶽三十六景の一つ「神奈川沖浪裏」の画です。
※ こちらは歌川広重の富士三十六景の一つ「甲斐御坂越」の画です。
富士山はまた豊富な水資源に恵まれ、「富士五湖」といった大きな湖も有している。ところが富士山には一本の川も存在していないことでも有名である。それは伏流水という形で地下水脈が大きく発達しているからである。
映像では、その地下水脈を突き止めるために溶岩洞窟を調査する模様が映し出された。
富士山は国内最高峰にして、その優美なる姿から、日本人はおろか日本を訪れる外国人にとっても日本を代表する光景として多くの人を集めている。
その人気ゆえに、あまりにも俗化されすぎ、汚染も深刻との理由からなんども世界遺産の選考から漏れてしまった過去を持つ。
私もその人気に煽られるようにして2013年の富士山を登っているので、大きなことは言えないが、日本が誇る富士山の環境保全に関係機関のみならず、一人ひとりがそのことに留意することによって、あの優美な姿をいつまでも残したいものと思った。