講師の田代亜紀子氏は東南アジアの数々の遺跡保存に関わってきたという。数々の苦難の歴史を潜り抜けてきた東南アジアの国々では、国ごとに事情が異なり、その遺跡保存にも難しさが伴うという。それぞれの国の遺跡保存の実状を聴いた。
北大観光学高等研究センター主催の「記憶をめぐる観光論」の第6講が11月5日(木)夜に開講された。第6回目は「東南アジアにおける遺跡保存とアイデンティティ」と題してメディア・コミュニケーション研究院の田代亜紀子准教授が講師を務めた。
実は先週の第5講は、私の所用のために受講を断念しなければならなくなり、2週間ぶりの受講となった。

※ 田代亜紀子准教授です。
講師の田代氏は前歴が奈良文化財研究所に勤務し、アジア各国の遺跡の保存活動に奔走していて、本年4月に北大に赴任したという。
田代氏が主に関わっていたのは、インドネシアの「ボロブドゥール遺跡」、カンボジアの「アンコール遺跡群」、そしてタイの「ピマーイ遺跡」に関わっていたそうだ。それ以外にも関係した遺跡もあるということだから、本格的な保存活動というよりは、保存活動の状況を調査した、というほうが適切な気もするのだが…。
田代氏は一つ一つの遺跡の実状について説明した。しかし、私にとっては、先の三つの遺跡について「アンコール遺跡」は聞いたことがある程度で、他の二つについては初耳の遺跡であった。したがって地名などを聞いてもチンプンカンプン状態だった。
インドネシアの「ボロブドゥール遺跡」であるが、中部ジャワにある仏教遺跡だそうだ。
しかし、インドネシアはその大多数がイスラーム教徒が占めるという社会の中で仏教遺跡を保存する難しさを内包しているという。また、保存のために周りを開発しなければならないという矛盾にも遭遇しているということだった。

※ インドネシアの「ボロブドゥール遺跡」です。
カンボジアの「アンコール遺跡群」は私が知っているくらいだから、国内からも、諸外国からも観光客が押しかけている状況のようだ。 しかし、世界遺産として価値付けと、地域社会における遺跡の価値付けに差があり、そのことが保存を難しくしている側面があるとのことだった。

※ カンボジアの「アンコールワット遺跡」です。
タイの「ピマーイ遺跡」はカンボジアとの国境付近に位置し、遺跡そのものもカンボジアに由来する「クメール遺跡」の一部のようなのだ。そのため、遺跡を巡ってタイとカンボジアの間に諍いが起こっているという。遺跡の保存という平和の砦を築くはずが、紛争のキッカケとなっているという矛盾を露呈しているとのことだった。

※ タイの「ピマーイ遺跡」です。
国の実状がまだまだ不安定な国々においては、世界的な遺産の保護(保存)にもいろいろと難しさが伴うようである。そうした実状にあって、日本をはじめとする先進諸国が支援の手を差し伸べ、貴重な遺産を後世に遺していくという大切な使命があるということを学んだ今回の講座だった。
北大観光学高等研究センター主催の「記憶をめぐる観光論」の第6講が11月5日(木)夜に開講された。第6回目は「東南アジアにおける遺跡保存とアイデンティティ」と題してメディア・コミュニケーション研究院の田代亜紀子准教授が講師を務めた。
実は先週の第5講は、私の所用のために受講を断念しなければならなくなり、2週間ぶりの受講となった。

※ 田代亜紀子准教授です。
講師の田代氏は前歴が奈良文化財研究所に勤務し、アジア各国の遺跡の保存活動に奔走していて、本年4月に北大に赴任したという。
田代氏が主に関わっていたのは、インドネシアの「ボロブドゥール遺跡」、カンボジアの「アンコール遺跡群」、そしてタイの「ピマーイ遺跡」に関わっていたそうだ。それ以外にも関係した遺跡もあるということだから、本格的な保存活動というよりは、保存活動の状況を調査した、というほうが適切な気もするのだが…。
田代氏は一つ一つの遺跡の実状について説明した。しかし、私にとっては、先の三つの遺跡について「アンコール遺跡」は聞いたことがある程度で、他の二つについては初耳の遺跡であった。したがって地名などを聞いてもチンプンカンプン状態だった。
インドネシアの「ボロブドゥール遺跡」であるが、中部ジャワにある仏教遺跡だそうだ。
しかし、インドネシアはその大多数がイスラーム教徒が占めるという社会の中で仏教遺跡を保存する難しさを内包しているという。また、保存のために周りを開発しなければならないという矛盾にも遭遇しているということだった。

※ インドネシアの「ボロブドゥール遺跡」です。
カンボジアの「アンコール遺跡群」は私が知っているくらいだから、国内からも、諸外国からも観光客が押しかけている状況のようだ。 しかし、世界遺産として価値付けと、地域社会における遺跡の価値付けに差があり、そのことが保存を難しくしている側面があるとのことだった。

※ カンボジアの「アンコールワット遺跡」です。
タイの「ピマーイ遺跡」はカンボジアとの国境付近に位置し、遺跡そのものもカンボジアに由来する「クメール遺跡」の一部のようなのだ。そのため、遺跡を巡ってタイとカンボジアの間に諍いが起こっているという。遺跡の保存という平和の砦を築くはずが、紛争のキッカケとなっているという矛盾を露呈しているとのことだった。

※ タイの「ピマーイ遺跡」です。
国の実状がまだまだ不安定な国々においては、世界的な遺産の保護(保存)にもいろいろと難しさが伴うようである。そうした実状にあって、日本をはじめとする先進諸国が支援の手を差し伸べ、貴重な遺産を後世に遺していくという大切な使命があるということを学んだ今回の講座だった。