田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

各地で活躍する自然観察指導員

2015-11-09 22:26:05 | 講演・講義・フォーラム等
 地域に人工湿地ができたのを契機として自然の尊さの啓蒙を図る人、火山観察活動を通して地球の営みを伝えると共に、さらに自然を学ぼうとしている人、主婦らしい発想から小さな子どもたちに自然に目を向ける活動をしている人、…。自然観察指導員として各地で活躍する人たちから話を聞いた。 

 昨日投稿した寺澤孝毅氏の基調講演の後、自然観察指導員の資格を取得した方々の地域における活動についての報告を聞いた。

 札幌市の荒井美和子さんは、平岡公園に「人工湿地」が造成されるにあたり、造成当初から市民代表として札幌市や研究者たちと共に湿地づくりに参画し、完成してからはその維持管理、そしてそこを地域の方々の学びの場とすべく、「ながぐつの土曜日」、「ツリーウォッチング」など各種の行事を積極的に開催して有効利用を図っているとの報告があった。

                    
             ※ 平岡公園の人工湿地です。

 伊達市の安藤忍さんは、NPO法人「森ネット」の自然観察会、洞爺湖有珠火山マイスターとして「地球を語る」ガイドなど、さらには自らがさらに学ぶ存在として、「学びと伝えの具体的実践」についての報告があった。

             
             ※ 有珠山の噴気の中を見学する児童たちです。

 そして旭川市の原田幸枝さんは、主婦目線から始めた「人と野生生物の関わりを考える会」での体験型総合学習フォーラムを開催したり、「パネルシアターで楽しく学ぶ野生生物」をテーマに小学校や幼稚園への訪問活動の取り組みについての報告があった。

             
             ※ パネルシアターの実際を少々実演してくれました。

 その後、基調講演をされた寺澤氏を交えパネルディスカッションが行われた。
 その中で、自然の危機について話が及んだ。自然を観察してきた各氏には、自然が病んでいる、壊されてきている、等々、危機感を抱かれていることが口々に語られた。
 その対策として、自分の生活をちょっとだけ変える、ちょっとだけがまんすることが大切だと訴えられた方。
 自然を改変しようとする動きを阻止しなければならないと強調された方。
 地域の良さを伝え、そうした環境を積極的に伝えることによって共感者を増やす働きが大切と主張された方。
 私たちは自然の加害者だと、認識することが重要と訴えた方、などさまざまな方向から自然を守ることについて熱い主張が展開された。

             
             ※ 寺澤氏を加えた4名によるパネルディスカッションの様子です。

 私は過去に何度か野幌森林公園で開催された自然観察会に出たことがある。そこでガイドしてくれる方はほとんどが北海道自然観察協議会の指導員の方だった。その方々の熱心なガイド・指導にはいつも頭が下がる思いだった。その知識も、その献身的態度も素晴らしいといつも思っていた。
 私自身、これから自然観察指導員を目ざすには少々とうが立っているが、せめて彼らが案内してくれる自然観察会にできるだけ足を運ぼうと思っている。