ジャーナリストの鳥越氏にとっては、専門に関する講演ではないとあってどこかリラックスしたままの90分間だった。4度の癌の手術を乗り越え、75歳を迎えた鳥越氏からはどこか達観したような姿勢がうかがえた。

11月21日(土)午後、札幌グランドホテルにおいてJTB旅行文化講演会が開催され、知人たちと共に受講した。講師はジャーナリストとして名高い鳥越俊太郎氏で、演題は「スーパーポジティブに生きる」というものだった。
冒頭、鳥越氏は「今ここに立って、何を話すかまったく考えていない」と語った。私にはその言葉が案外本音ではないか、と思えた。というのも、「旅行文化講演会」である。主催者からは、旅行の体験や、ご自身の癌から立ち直った経験を話してくれ、という要請があったのではないか?しかも政治的発言はなるだけ控えてくれ、などと…。
そうなると鳥越氏にとっては気楽である。与えられた90分間を軽~いお話をして過ごせば、少なくない講演料が得られるというわけだからだ。
と思えてしまうほど、私には緩~い話に聞こえてきた。鳥越氏にはいささか失礼とは思うが、そう聞こえて来たから仕方がない。
鳥越氏は最近の自らの旅行体験であるエーゲ海や地中海のクルーズ体験を語り、クルーズの旅がいかに快適であるか、を滔々と語った。旅行会社JTBを意識したものと解されるが、「ちょっと待ってくれよ」と横やりの一つも入れたくなった。
クルーズの旅など、我々庶民にとっては高根の花である。三百人くらいいた聴衆の中で数人くらいには興味ある話だったかもしれないが…。
というような、私にとっては聞いても聞かなくとも良い話が続いた中で、鳥越氏が唯一話そうと用意してきていたのではないか、と思われる話題について触れた部分があった。
それが、鳥越氏がこれまで生きてきて、仕事を通してさまざまな体験をしたり、癌を患ったりする中から導き出されたことなのだと思われるが、「人生、楽天的に生きる」ことだという。
楽しく、前向きに生きることによって体の「免疫力」も高まることは病理学的にも証明されていて、鳥越氏の場合も免疫力を高める生き方をしてきたことが、癌を克服することに繋がったのではないか、という。

「人生、楽天的に生きる」こととして、鳥越氏は三つのことを意識しているという。それは、(1)努力をしない。(2)いい加減に生きる。(3)なんとかなるだろうと考える。という三点だそうだ。
生き馬の目を抜く、と言われるようなメディアの最前線で生きて来た鳥越氏がそのように生きてきたとは露ほどにも思わない。むしろ、まったく正反対の生き方を長年されてきたと思う。
そのように生きてきたからこそ、そして癌という大病から回復した今だからこそ、そうしたことが言える心境となったのではないか。
そして、それは聴衆の大多数を占めたシニア層への応援歌でもあったのかもしれない…。

11月21日(土)午後、札幌グランドホテルにおいてJTB旅行文化講演会が開催され、知人たちと共に受講した。講師はジャーナリストとして名高い鳥越俊太郎氏で、演題は「スーパーポジティブに生きる」というものだった。
冒頭、鳥越氏は「今ここに立って、何を話すかまったく考えていない」と語った。私にはその言葉が案外本音ではないか、と思えた。というのも、「旅行文化講演会」である。主催者からは、旅行の体験や、ご自身の癌から立ち直った経験を話してくれ、という要請があったのではないか?しかも政治的発言はなるだけ控えてくれ、などと…。
そうなると鳥越氏にとっては気楽である。与えられた90分間を軽~いお話をして過ごせば、少なくない講演料が得られるというわけだからだ。
と思えてしまうほど、私には緩~い話に聞こえてきた。鳥越氏にはいささか失礼とは思うが、そう聞こえて来たから仕方がない。
鳥越氏は最近の自らの旅行体験であるエーゲ海や地中海のクルーズ体験を語り、クルーズの旅がいかに快適であるか、を滔々と語った。旅行会社JTBを意識したものと解されるが、「ちょっと待ってくれよ」と横やりの一つも入れたくなった。
クルーズの旅など、我々庶民にとっては高根の花である。三百人くらいいた聴衆の中で数人くらいには興味ある話だったかもしれないが…。
というような、私にとっては聞いても聞かなくとも良い話が続いた中で、鳥越氏が唯一話そうと用意してきていたのではないか、と思われる話題について触れた部分があった。
それが、鳥越氏がこれまで生きてきて、仕事を通してさまざまな体験をしたり、癌を患ったりする中から導き出されたことなのだと思われるが、「人生、楽天的に生きる」ことだという。
楽しく、前向きに生きることによって体の「免疫力」も高まることは病理学的にも証明されていて、鳥越氏の場合も免疫力を高める生き方をしてきたことが、癌を克服することに繋がったのではないか、という。

「人生、楽天的に生きる」こととして、鳥越氏は三つのことを意識しているという。それは、(1)努力をしない。(2)いい加減に生きる。(3)なんとかなるだろうと考える。という三点だそうだ。
生き馬の目を抜く、と言われるようなメディアの最前線で生きて来た鳥越氏がそのように生きてきたとは露ほどにも思わない。むしろ、まったく正反対の生き方を長年されてきたと思う。
そのように生きてきたからこそ、そして癌という大病から回復した今だからこそ、そうしたことが言える心境となったのではないか。
そして、それは聴衆の大多数を占めたシニア層への応援歌でもあったのかもしれない…。