NHK交響楽団の団員をはじめ国内一流の音楽家たちによるコンサートは、文字どおりカジュアルなリラックスした雰囲気の中、レベルの高い音に酔った一夜だった。
昨日11月20日(火)夜、札幌コンサートホール(通称:キタラ)において「NHKカジュアルクラシックコンサート2018」が開催され、入場整理券を入手できたので上質のコンサートを楽しむことができた。
振り返ってみると、私はこのカジュアルクラシックコンサートにこれまで友人のお誘いもあり3回も聴くことができている。(2013年、2015年、2016年)
これまでの会場は、かでるホール、共済ホール、市民ホールという音楽専用の会場とは言い難いところでのコンサートだったが、今回初めてキタラ大ホールでの開催となった。
このコンサートは席が事前には決まっていなく、当日午後4時から抽選によって席が決められる方法を取っている。昨日私も4時にキタラに赴いて抽選を行ったところ、ステージ正面の2階席という、願ってもない良い席を割り当てられた。
このコンサートの詳しい内情は分からないのだが、出演者が固定化されているような印象がある。
今回の出演者は、◇高橋希(ピアノ)、◇小林裕(オーボエ)、◇松田拓之(ヴァイオリン)、◇大宮臨太郎(ヴァイオリン)、◇松田麻美(ヴァイオリン)、◇坂口弦太郎(ビオラ)、◇山内俊輔(チェロ)という7名の出演者だった。
※ 出演者の顔写真はウェブ上から拝借しました。
このうち今回も含めピアノの高橋、オーボエの小林、ヴァイオリンの松田拓之の3人は4回全てに出演している。他にもヴァイオリンの松田麻美とチェロの山内も3回、ビオラの坂口が2回出演している。
コンサートの中のトークで、私の聞き違いでなければグループを結成して13年目というようなことを言っていた。出演者の略歴を拝見すると、桐朋学園出身者を中心に結成されているようにも思える。
今回もいつもの例に倣いプログラムを紹介すると…、
◇チャイコフスキー/バレエ音楽「白鳥の湖」より“情景”
◇メンケン/ア・ホール・ニュー・ワールド~映画「アラジン」より~
◇成田為三/浜辺の歌
◇バガニーニ/カンタビーレ ニ長調0p.17
◇ショスタコーヴィチ/ショスタコーヴィチ ピアノ三重奏曲
◇マスカーニ/オペラ「カバレリア・ルスティカーナ」より“間奏曲”
◇チック・コリア/スペイン
◇モンティ/チャールダッシュ
◇ブラームス/六つの小品0p.118より インテルメッツオ
◇ブリテン/パン
◇ブラームス/ブラームス 弦楽五重奏曲
◇シューマン/シューマン ピアノ五重奏曲
アンコール曲として
◇久石譲/人生のメリーゴーランド
◇山田耕筰/赤とんぼ
というように、短い曲を多数演奏してくれたという感じである。
曲の合間には、出演者がいつものようにそれぞれトークを挟んで和やかな雰囲気を醸し出し、肩ひじ張ることなく楽しむことができた。
※ コンサート後、出演者たちがロビーに並んで見送ってくれました。
その中でも私にとって印象的だったのは、坂口弦太郎氏のビオラ独奏「浜辺の歌」である。ビオラの低音(ヴァイオリンに比べて)が私の中に浸みわたった一曲だった。
また「白鳥の湖」の小林裕氏が奏でるオーボエの音色も心に残る一曲となった。
総じてレベルの高い演奏を楽しい雰囲気の中で聴くことができた一夜だった。