講師の山村教授は、旅先はいつでも読書部屋であり、映画館だという。詩や、小説や、映画に舞台となった地に赴くことはある種の聖地巡礼とも通ずるものがあるが、その地で実際に作品を味わうことはさらに深い楽しみがあるという。
※ この日使用した画像は全てウェブ上から拝借した。
※ 「魔女の宅急便」の一場面です。この風景がタスマニア島に似ているとか…。
11月8日(木)夜、第2回目の北大CATS公開講座が開講された。2回目は「旅先で味わう詩、文学、映画」と題して高等研究センターの山村高淑教授が務めた。
山村氏も冒頭「旅」について触れた。山村氏にとって「旅」とは、時間という縦糸と空間という横糸からなる織物のようなものと表現した。
山村氏は言う。今やスマホひとつで、旅先で何冊の本でも、何作もの映画を楽しめる時代だという。そこで氏は旅先で作品を味わうことを楽しみにしているそうだ。目の前の風景が作品世界に変わる不思議な体験をいくつかの作品を通して語ってくれた。
山村氏が紹介してくれた作品は、「長くつ下のピッピ」、「アルプスの少女ハイジ」、「赤毛のアン」、「魔女の宅急便」といった作品だった。
こうして眺めてみると、アニメの作品が多いことに気が付く。
※ 「アルプスの少女ハイジ」のポスター?
氏はそれぞれの作品が描いた現地へ赴いて映画の中で描かれた風景や建物と、実際の風景との類似性と差異などについて語った。
例えば「アルプスの少女ハイジ」については、監督の高畑勲氏をはじめ、美術やプロデューサーを同行して現地にロケハンティングしているそうだ。そこで得たイメージが画面に相当に生かされていると動画を交えて語った。
また「魔女の宅急便」では、監督の宮崎駿氏は具体的な土地をイメージしない方なのだそうだが、オーストラリアのタスマニア島に作品のよく似た風景があるそうだ。するとファンの間で俄かにそのことが広まり聖地的な人気が出てしまったところがあるという話も披露してくれた。山村氏はもちろんタスマニア島も訪れている。
※ 「赤毛のアン」の一場面です。
この日の講義では、そのほとんどを上記アニメ作品とそこを実際に訪れた印象に終始した感があったが、それはアニメ作品の持つ特徴の一つなのかな?とも思った。
それは実写映画では観る側がスクリーン上の映像以上にイメージを膨らませることはなかなか難しいが、アニメ作品の場合はスクリーン上の映像から観る側が自由にイメージを膨らませることができるところに一つの特徴があるのではないだろうか?
そのことがアニメファンの中に聖地巡礼が一つの楽しみとなっているように思える。