田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 89 黒松内岳  

2019-06-17 16:26:19 | 北海道低山紀行 & Other

 前半の急登、尾根筋の緩やかな登り、そして山頂近くのロープ場を伴う胸突き八丁と変化に富んだコースは登り甲斐のある山だった。特に7合目付近からは山頂までを見通しながらの登山は辛くも楽しい登山となった。

         

         ※ 7合目付近から見た黒松内岳です。尾根筋に登山道が見えます。山頂部は霧に覆われています。

 黒松内岳の登山口は道々9号線から砂利道の林道をおよそ5キロほど進んだところに車5~6台が停まれる駐車帯があった。入林届を見ると2日前に登山者があったようだった。ここで私は周囲の探索でミスを犯してしまった。というのも、駐車帯の先にさらに林道が続いていて、進入禁止のロープが張ってあったので、すっかりそちらが登山口だと思い込んでしまったのだ。緩やかな傾斜の林道を7~8分進んだがいっこうにガイドブックでいうところの“急な階段”が現れない。ガイドブックには「…急な階段でスタートを切っている。助走もないままの急登にぼやきたくもなる…」とあった。不審に思った私はしかたなくスタート地点に戻ってみた。すると入山届の横に小さく「黒松内岳登山口➪」とあるではないか!ガックリきたが、気持ちを入れ直して階段急登に挑んだ。

          

          ※ 私はすっかりこの林道の続きが登山口に繋がると思い込んでいました。

          

      ※ しかし、実際は入林届を書いた箱の横に小さな表示があり「黒松内岳登山口➪」と記されていました。

 本来のコースはガイドブックのとおり、いきなりの階段登行から始まった。グイグイと高度を上げていくコースである。黒松内はブナ林の北限として有名であるが、コースの両脇にも見事なブナ林が広がっていた。階段はなくなっても急登は続く。コース上に「3合目」の表示があった。一息ついてスマホを見ると、登山口では圏外だったのだが、3合目ではなんとかつながる状態だったので、ここからこの日のライブレポ第1信を投稿した。

          

          ※ 登山口からいきなりの階段登行を強いられました。けっこう続きましたよ。

          

          ※ 私淑しているsakagさんからこれはトドマツのであると指摘を受けました。訂正します。

          

          ※ 階段はなくなっても急登は続きました。

 その後も急登は続く。焦らずにマイペースで登り続けると、「4合目」の表示が現れた。そしてそれは尾根筋に出たという印でもあったようだ。視界が開け、遠くの山並みも見渡せるようになった。コースは尾根道に出ても急登が続き、風倒木を越えねばならないところにも何か所が出合った。それでも次第に傾斜は緩まりはじめ、一度は下るところもあって、そこはガイドブックでいうところの「515mコル」だったのかもしれない。

          

          ※ こうしたささやかな合目表示が目途になり、登山者を励ましてくれます。

          

          ※ 4合目からはわずかですが遠くの眺望が効くようになりました。

          

          ※ 尾根道に入ってもしばらくは急登が続きました。こちらがブナの木です。

 やがてブナ林の限界を過ぎ、正面に目ざす黒松内岳が姿を現した。しかし、登頂部は霧に覆われて姿を隠していた。この辺りからは高い木がないため、行く先のコースがはっきりと見える中を登っていくコースとなった。コースは再び傾斜がきつくなりはじめ、ついにはロープ場が現れた。ずり落ちそうな岩場のため、私はロープに頼りながら登り続けた。ロープ場はその後も何度か現れたが、その都度ロープを頼らねば私には登ることが困難なほど急だった。

          

          ※ 8合目から黒松内岳を見たところです。

          

          ※ このようなロープ場を何か所も越えて頂上に向かいます。

          

          ※ このロープ場はロープを何本も足して、50mくらいのロープ場だったように思います。

 黒松内岳も夏山となっていて、あまり花を見ることはできなかった。それでも山頂近くなってからいくつかの花を目撃することができた。目撃できた花については、このレポの最後に紹介することにする。

          

          ※ かなり山頂に近づいて、ふっと後ろを振り返ったとき、自分が登ってきた跡を確認できました。

 何度かのロープ場を越え、登山開始から2時間10分後に黒松内岳の山頂に到達した。これは標準タイムと同じである!えっ!?私の登り方は以前と比べるとまるでのろまなカメさん状態なのに、どうして?という思いが強いのだが、休みを入れないことがこのタイムに繋がったのだろうか??山頂にはかわいい山頂標識が立っていた。残念ながら山頂は霧に覆われてまったく眺望は効かなかったが、変化に富んだコースを登り終えることができたことに満足だった。

          

          ※ 黒松内岳のかわいい山頂標識です。

          

          ※ 残念ながら山頂からの眺望はゼロでした。

 年齢を感じたのは、むしろ下山時である。ロープ場の下山などは、もう恐る恐るである。急登の斜面を下るのも同様である。私はポールを持参しているが、そのポールを往く先に突いてから恐る恐る脚を出すという感じで、健脚の方のようにスイスイと下山することはもはや無理である。だから、下山にかかった1時間35分は、標準タイムよりかなりかかった時間となった。老化は登るよりも、むしろ降りる方が難しくなってきたと感じている。それでもこけからも自分なりの登山を楽しみたいと思っている。

          

          ※ この日、下山時に唯一出合った6人組のパーティーです。

《黒松内岳の夏の花》

          

          ※ マイヅルソウ

          

          ※ 少し満開時を過ぎた(?)タニウツギ 

          

          ※ 山頂近くになって顔を出したハクサンチドリ

          

          ※ たった一輪でしたが、散り遅れたシラネアオイ(?)

          

          ※ これもたった一輪しか目にしませんでしたが、エゾカンゾウですね(?)

    

【黒松内岳 登山データ】
標 高  740m (標高差 549m)
駐車場  登山口に5~6台が駐車できる広場がある。    
行 程  《グランドシニアの足とお考えください》
     登山口→(1時間10分)→6合目→(1時間)→山頂→(40分)→6合目→(55分)→登山口

時 間  上り(2時間10分)  下り(1時間35分) 
天 候  曇り、頂上付近強風

登山日  ‘19/06/15