田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 朝里天狗岳(未登)  

2019-06-28 17:06:00 | 北海道低山紀行 & Other

 「なあ~んで、こんな霧の濃い日に山に登らなきゃならないんだ」と、私は自分に毒づきながら登り続けた。これには私ならではの理由があるのだ。しかし、タイトルにあるようにこの日私は山頂に立つことができなかった…。 

 登山に関して私には今、ささやかな目標がある。それは、できれば今年中に「北海道低山紀行」のナンバーリングを100まで伸ばしたいという思いがあるのだ。(現在№89です)そのためには、私自身が意欲的になれる日、登山に割ける日にはできるだけ山に登りたいと思っている。問題は意欲的になれる日である。体力の衰えを自覚することが多くなった今、山に向かおうと思う日が徐々に少なくなってきている。今日はそういう意味では珍しく「山へ行こう!」という思いが強くなった日だったのだ。(そうなると天候はあまり問題ではなくなる) 

 朝6時に家を出て、小樽・朝里に向かった。道新版「夏山ガイド」に掲載されている札幌圏の山は全て制覇したものと思っていた。(夏山では登れない奥手稲山を除いて)ところが先日その「夏山ガイド」を眺めていると、「朝里天狗岳」には登っていないことに気が付いた。そこで本日、意欲が出てきたところで朝里に向かったのである。

 朝里から朝里峠に向けて車を走らせ、少し苦労はしたがなんとか登山口を見つけることができ、そこからあまり離れていない空き地に車を停め、午前7時に登山を開始した。

          

          ※ 登山口は送電線が道路と交差する下にあった。

          

          ※ 道路脇にぽっかりと開けられたところが登山口でした。(表示は特になし)

          

          ※ 登山口と確信したのは、枝や幹に付けられた赤や青のテープでした。

 ガイドブックには登山口の標識があると書いてあったが、いくら探しても見つからなかった。ただ、木や草を刈り分けたところの木に赤や青をテープが見えたので「間違いない!」と判断し、そこを登り始めた。

          

          ※ 登り始めは写真のような緑のトンネルを往くようなルートでした。

 ルートは送電線下の作業道ということだが、いきなりけっこうな急登が続いた。階段こそないものの、階段を設けてもおかしくないくらいの急登で、私の体からは汗が噴き出した。ルートは作業道だからだろうか?よく整備されていて下草や枝払いもされていた。

          

          ※ 作業道だからでしょうか?このように枝払いもしっかりされていました。

 辺りは霧に覆われていて、山頂での眺望はとても望めないコンデションだった。

          

          ※ この日の天候を象徴するような一枚です。見方によれば幻想的?

 急登は続く。送電線下とはいっても直線的にはルートづくりが難しかったのだろう。途中からはジグを切るようにルートが造られていた。一つ、二つと送電線を繋ぐ鉄塔の下を潜りながら登りが続いた。途中、小さな沢がありそこを越えての登りが続いた。

          

          ※ このようにいくつもの鉄塔の下を潜りぬけて進みました。

 ガイドブックでは、作業道から分かれて左に折れるところに「天狗岳➪」のサインが太い幹に付けられているとのことだったので、注意しながら登り続けた。

          

          ※ 登るにつれて斜度は増し、このようにジグを切るようにして登り続けました。

          

          ※ ホッと一息。ツルアジサイでしょうか?

          

          ※ こちらは虫たちを待ち構える蜘蛛の糸です。

          

          ※ こうした小さな流れを越えて…。

 「なかなかサインが現れないなぁ」と思いながら登り続けたが、私の登りでも50分を越えたころには不安になってきた。というのも普通の足では30分前後で分岐に至るはずだったからだ。4つ目の鉄塔を超えたあたりから斜度が緩くなり、5つ目の鉄塔に至ったときには平らになり、そこに車が走れるような砂利道が姿を現した。その一方で作業道のような道も並行してあった。私はその作業道を先に進んだ。すると先に行ってその作業道と砂利道が交差した。「これかおかしい!」と思い、鉄塔のところまで引き返した。そのときすでに登山を開始して60分が経過していた。先に行って分岐を見つけるか?引き返すのが賢明か?少し悩んだが、どうやら私は途中でサインを見逃したのではないかと判断し、引き返すことにした。

          

          

          ※ 5つ目の鉄塔に至ったときでした。前方には作業道が続いていました。

          

          ※ かたや目を転じると、向こうには車が通ることのできる砂利道が走っていました。

 帰り(下山)の際は、分岐点を見つけようと、そしてサインを見落とすまいと、慎重に、慎重に降りることにした。しかし、私の目は節穴だったのだろうか?サインを見つけられぬまま登山口に至った。山中での行動時間約2時間、私はむなしく帰宅するしかなかった。

 朝里天狗岳に近づいた印に、せめてもと思い「魚留ノ滝」(往復20分)を眺めてから帰宅の途に就いた。名前のとおり、とても魚たちが乗り越えられるような滝ではなく、魚たちは先へ進むことはできなかったであろう立派な滝だった。往復約20分という一見気軽な滝見物だが、ルートはワイルドである。もし行かれる方はトレッキング仕様でお出かけすることをお勧めしたい。

           

          ※ 「魚留ノ滝」に至る道の入り口です。

          

          ※ 写真って面白いですね。一見登りのようですが、先の道は下っています。

          

          ※ 滝に至るには、こうしたワイルドな道も行かねばなりません。

          

          ※ 「魚留ノ滝」の全貌です。高さ10メートルくらいかな?

          

          ※ 望遠を効かして迫力ある流れを撮りました。

 帰宅してから、ネット上で朝里天狗岳体験者の投稿をチェックしてみた。すると、ある投稿者の体験記に「三つ目の鉄塔のところから左に折れる」とあった。やはり私は作業道を登りすぎていたようだ。今回は未登だったのでナンバーリングには加えることができない。きっと山の神様が「もっと良い天気の時に再チャレンジせよ!」と無言の激を飛ばしてくれたのかもしれない。そう考えて、できれば今年中に再チャレンジしたいと思う。