あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

歌詠み

2006-05-18 23:12:52 | 日々雑事
今日は近所で夕方からの『歌詠み』を頼まれた。
五時からの使いで、時間的に困ってしまうのだが
これも近所の付き合いだからしかたがないと思いながらも
こんな時に限って、夫は夕方からの仕事で
息子は、このところ仕事が忙しくて帰りは深夜近くになるんだものなぁ…。

まぁ 動かないから良いものの
ばぁ~ちゃんには、今日は少しだけ我慢してもらう事になった。

会津では『歌詠み』と言ってお葬式や納骨までの七日毎や
お法事などの前日に、決まっている何人かが集まり『歌詠み』をする。

会津には三十三観音の霊場があり、
そのひとつひとつに場所に因んだ歌がある。
それを三十五日か四十九日の納骨の日までの七日毎に歌を詠み
亡くなった者の魂を浄土へ送る役目を果たしている。

独特の節回しで、三十三の寺と番外とされる合わせて三十八の歌がある。
それを全部詠み終えると三十分近くかかってしまうものだ。
真面目に聞けば、まことに有難い歌なのだが
ともすれば、つい眠気に誘われてしまうような節回しで
ちょっと不謹慎ながらも、居眠りをしてしまった事数ある私だ。

また昔から、会津巡り仲間というものがあり
近年結婚したお嫁さん同士が何人か集まって
三十三観音巡りをして、その都度歌を詠ってくるのだ。
そうして出かけた仲間は一生涯の付き合いとなり
たぶん…来たばかりのお嫁さんの仲間作りも兼ねているのではないだろうか。

そういう仲間は『おかんのこ』(お観の子…観音様の子と言う意味ではないかと?)
と呼ばれ、時折り集まっては歌詠みをしたり、温泉へ一泊で出かけたりもしていた。
なかなか出かける事の出来ない昔のお嫁さんの息抜きに使われていたのかもしれない…。

今の若いお嫁さんには考えられない事かもしれない。

こうして若いお嫁さんは先輩のお嫁さんに、そのまた先輩のお嫁さんは大先輩からへと
詠み繋がれていくのだろうが、昨今お葬式も斎場を使う家が多くなり
だんだんと簡素化されて、しまいには廃れてしまうのだろうか…。

楽になったような寂しいような…複雑ではあるのだが。



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蕾だった牡丹が、この天気で見事花開いた。





コメント (26)
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