’90年に登場した日産プリメーラは、欧州車テイストが強く、(運転したことはありませんが)割と好きなクルマだった。
特に、初代がイイ。
やたらと大きくないその適正なサイズと、クリーンでスポーティーなスタイル。
うん、悪くない。
プリメーラといえば、4ドアセダンを連想する方が多いと思うが、このクルマにも5ドアが存在した。
それは、’91年にイギリス工場で生産していたものを逆輸入する形で販売されたのだった。
このファストバックスタイルも、なかなかヨイ。
そのインテリアにあまり面白みはないが、この質実剛健なクルマに似合っているともいえよう。
欧州仕立てだけあって、リヤシートも片側ずつダブルフォールディングで可倒できる。
最近、ダブルフォールディング式可倒シートを持つクルマは少なくなった。
私のBPレガシィツーリングワゴンはもとより、現行ゴルフですらダブルフォールディングを止めたようだ。
絶対的な容量よりも、手軽に倒せるシングルフォールディングの方が、一般ユーザーに喜ばれるからなのだろう。
私は、荷室がフラットになり、かつ、倒した座面がカベになって荷物の室内への浸入を防いでくれる、ダブルフォールディング式の方が好きなのだが。
そういえば、カローラフィールダーは、ワンタッチでダブルフォールディングできるリアシートだそうで・・・そういう点は、トヨタのクルマはソツがないですなあ。
私は、4ドアセダンよりも、5ドアハッチのテールエンドの方が好きだったりする。
3段構えのテールランプと、リヤガーニッシュが無いところに、なぜか欧州を感じてしまう私なのだ。
しかし、日産も、この5ドアハッチについては、最初からさほど売る気がなかったのだろう。
カラーは黒か銀の2色からしか選べなかったし、ミッションは4ATのみだった。
こういうヨーロピアンなクルマにこそ、MTが欲しかった。
MTがもし存在したならば、約束はできないけど、私が買ったかもしれなかったのに・・・
プリメーラは、’95年登場の2代目でも「プリメーラUK」と呼ばれた5ドアハッチを日本国内に逆輸入して販売していたが、やはり日本国内での販売は芳しくなく、’01年登場の3代目では、日本国内には5ドアハッチを投入しなかった(欧州にはそれが存在した)。
2代目から導入した「ワゴン」と需要がカブるからだったのかもしれない。
結局、日本人で、欧州車が好きな人は、やはり本物の欧州車を購入するのだろう。
プリメーラは確かに欧州車チックではあったが、そのイメージはオペルとか欧州フォードを超えるものでもなかった。
そして、昨年、プリメーラはひっそりとフェイドアウトしてしまった・・・合掌。