わが街札幌も、すっかり雪が積もってしまい、非常にスリッピーな路面状況である。そんな中、私はどうしても新型スカイラインのカタログが欲しくなってしまったので、日産プリンス札幌に出かけた。
幸いにして、試乗車があったので、運転させてもらう。グレードは「250GT FOUR Type P」。通常はFRで走行するが、後輪が滑った時に、前輪にもトルク配分するというヤツですね。
レガシィツーリングワゴンから乗り換えると、走り出してすぐに、アイポイントが結構高いことに気付く。 ボンネットの稜線もハッキリ見え、前方視界はとても良好である。後方視界は、トランクが厚いので、あんまり良いとはいえないが、妥協できる範囲だろう。
結構意識してラフにアクセルを開けてみたりしてみたが、まったくリヤが踊りだすような兆候は無く、いたって平和に走る。静粛性も高く、さすがに私のレガシィ2.0iよりも100万円以上高いだけのことはある。なんだかとても上質で、高級感あり、かつスポーティーな素敵なクルマだった。なお、FRから4WDへの切り替わりについては、鈍感な私にはそれがいつ切り替わったのかは、さっぱり分かりませんでした。
唯一気に入らないのは、ATレバーのマニュアル操作時のロジックである。たいていのその他大勢のクルマと同じく、「前に押してシフトアップ・後に引いてシフトダウン」なのだが、コレは加減速のGの方向から言って、絶対におかしい。逆である。また、シフトダウン時には、ブリッピングして回転合わせもしてくれるらしいのだが、あまりに車内が静かなため、耳の遠い私には、中ブカシの音は、確認できませんでした。
実は、私は小さい頃はスカイラインの大ファンであった。当時は「ジャパン」かな。そして、今回乗った新型スカイラインは、じつに好印象だった。レガシィ2.0iよりも、ちょっとイイかも。ま、価格が違うからねぇ。
さて、次に向かったのはBMWである。届いたダイレクトメールによると、来場&査定プレゼントとしてクリスマスCDがもらえるとのこと。こういうオマケに弱い私のココロを見透かしたかのような策略である。
やはり、ここは、試乗せずにはいられない。一般庶民の私は、つつましく1シリーズの試乗をお願いしたのだが、セールスレディ曰く「いま1シリーズの試乗車は帯広に出張中なので、320iをどうぞ!私、同乗しないですから、どこでも好きなところ20分くらい走ってきてください」とのこと。おおっ、なんて素晴らしいんだろう!だが、「ただし、保険には入ってますが、もしもブツけたら、免責の5万円は、お客様のご負担となりますので・・・」と、彼女は付け加えたのだった。
ともあれ、走り出してみる。さすがに近年のFR車はトラクション・コントロールやらダイナミック・スタビリティ・コントロールやら、様々なディバイスが付いているおかげで、多少ラフにアクセルを開けても、スムーズに発進し、街乗り程度では全く破綻をみせない。ホント、時代は進歩した。たいしたものである。ステアリングは直進方向にどっしりと据わって安定している。パーキングスピードではやや重いと感じたが、アウトバーンを弾丸のごとく直進するのには、このセッティングで正解なのだろう。ATのマニュアルゲートも、さすがバイエルンの哲学BMW。「前に押してシフトダウン・後に引いてシフトアップ」である。これでいいのだ。
とはいえ、気になる点もある。それは、電磁スイッチ式のウインカーとワイパーだ。ウインカーを止めようとしても止まらなくて、逆のウインカーが点灯してしまったり、ワイパーを間欠モードにするのに戸惑ってしまったり・・・ま、慣れが解決する問題なのかもしれないが、私は非常にアタフタしてしまった。
ともあれ、スカイラインもBMWも、冬の北海道でも、そんなに気を使わなくても、普通に走ることができる、スポーティかつ高級な楽しいクルマだ。「スカイライン250GT FOUR Type P」の価格は359万1000円。「BMW320i」6ATは411万円。この両車、ボティカラーとインテリアの組み合わせが多彩で、カタログをみているだけでも楽しい。どちらも素晴らしいクルマであった。