1982年に登場した、パルサーEXA(エクサ)。
いわゆる「スーパーカー世代」の中学生だった私は、リトラクタブルヘッドライトのクルマが大好きで、憧れの的だったのだ。
こうしてあらためて見てみると、やはり「フェンダーミラー」に、非常に違和感を感じる。
この当時は、まだ「ドアミラー」が、日本国内では解禁されていなかったのだ。
Cd=0.37は、ファンタスティック!
当時で言えば「フィアットX1/9」を彷彿とさせる、シャープなそのラインも、ファンタスティック!
四角いテールランプの処理と、星形のホイールカバー。すべてが魅惑的に見えた。
まあ、実際には、このEXAはかなり腰高で、車高も高かったのだが・・・
このルーフラインは、兄弟車である「リベルタ・ビラ」との血縁を強く感じさせる。
そしてインパネを見ると、やはりラジオの意匠が、流れた月日をしみじみと感じさせる。
シートマテリアルのデザインは、なにかイタリアンなテイストで、今見ても決して悪くない。
2ドアクーペとしては、後席のヘッドルームも実用的だったと、当時の自動車雑誌には書いてあった。
トランクスルーが付いているのも、実用上便利そうだ。
ミドシップ風のスタイルだが、チェリーの流れを汲むパルサーだけに、当然FFである。
日産のE15E型エンジンは、この当時の雑誌等の評価では、「けっこうよく回る」いいエンジンだったらしい。
当時のスカイライン同様の、「水平ゼロ指針メーター」が、泣かせる。
オレンジ色の文字盤も、当時のスポーティーカーの記号であった。
ヨーロッパの高級車の多く採用されているという「ブロンズガラス」や、光と風を呼び込む「ガラスサンルーフ」。
もう、なにからなにまで、ファンタスティック!
そのサイズは、全長4125mm×全幅1620mm×全高1355mm。
ちなみにフィアットX1/9のそれは、3969mm×1570mm×1170mmで一回り小さく、全高は185mmも低かった。
だが、このパルサーEXAは、当時の私にファンタスティックな憧れを与えてくれた。
最近見かけることはほとんど無くなってしまったが、また、どこかで逢えたらいいと願っている。