「麺処雷一代」のラーメンで満腹した後、私は尾車氏とニータ氏に誘い、本年初試乗へと繰り出した。
まずは、三菱アウトランダー。そのつるんとしたフロントマスクは、どことなくフランス車を思わせる。
先代のアウトランダーは、『プジョー4007』と『シトローエンCクロッサー』の兄弟車といえる存在であった。新型も同様にして、OEM供給されるのかもしれない。
試乗させていただいたのは、「24G Safety Package」(CVT:税込車両本体価格278万7000円)である。2眼メーターは、視認性・質感、共に良好。
さすがに最新のSUVだけあって、雪でスリッピィな路面を、いなすようにフラットライドで直進する。アイポイントの高さと相まって、実に快適である。CVTのフィールも良く、「クラッチが滑っているかのような気持ち悪さ感」は皆無だった。また、スペアタイヤも+10,500円でメーカーオプション装着が可能。私だったら、必ず装着するであろう。
カタログ上のJC08モード燃費は14.4km/Lと、決して悪くはないが、飛び抜けて良くも無い。
三菱はパジェロやデリカD:5用にクリーンディーゼルエンジンを持っているのだから、それを搭載したら面白いと思うのだが・・・まあ、燃費に関してはPHEVに任せたということなのだろう。
続いては、シトローエンのお店へ。個人的にとても気になるコンパクトカーである「C3」に試乗させていただいた。試乗グレードは「セダクション」(4AT:税込車両本体価格209万円)だった。
この、3眼メーター。文字盤の書体や指針までにデザインが行き届いているのが、素晴らしい。
さて、走らせてみる。今どき4ATのこのクルマだが、街中を普通に走る分には、まったく痛痒はない。ただし、カタログ上の燃費が12.3km/Lにとどまり、しかもハイオクガス仕様であるのは、やや気になる点ではあるが・・・
上方に大きく拡がる視界をもたらす「ゼニスウインドウ」は、圧巻だ。星のきれいな日のナイト・クルージングなどは、おそらく最高であろう。この視界だけに惚れて、このクルマを購入するのも、アリだ。
いやあ、国産コンパクトに毛の生えたような値段で、このクルマが買えるとは!極めて魅力的である。フランス車らしく「スペアタイヤを積んでいる」のも、私好みのポイントだ。
これのMTが入ってきたら・・・緊急家族会議を開催しなければいけないだろう。
続いては、尾車氏ドライビングの「DS5」(6AT:税込車両本体価格400万円)のリヤシートでのインプレッション。
未来感溢れるインパネの中に、アナログ時計が配されているのが、前衛芸術的で粋である。
天井には3つのグラスルーフが装着されており、ルーフコンソールがそれを貫通するよう配されている。
リヤシートにたたずんで屋根の上を流れる景色を見ていると、そのフラットライドな乗り心地と相まって、空を飛んでいるかのような気分になる。まさに、キャノピー・コックピット!
BMWの3シリーズよりも、このクルマの方が、約100万円も安いとは・・・3シリーズの素晴らしさを認めつつも、私がどちらを選ぶかと言えば、当然「DS5」である。
次に尾車氏がドライブしたのは、この「DS4」(6AT:税込車両本体価格310万円)だった。
そのホイールの幾何学的な模様が、これまたアート。
インテリアも、DS5に負けず劣らず、個性的。加えて、質感も非常に高い!
面白いのが、ウインカーの動作音を、数種類から選ぶことが出来ることだ。まあ、ギミックといえばギミックなのだが、このような遊びゴコロが愉しい。
まさに「4ドアクーペ・コンセプト」の、そのスタイリング。これまた極めて魅惑的だ。しかも、スペアタイヤは標準装備。加えて、この「DS4」は、6MTも選択可能なのだ!
いやあ、近年のシトローエンは、本当に、イイ。
日本仕様は「基本的に全ての車種のエンジンが1.6Lターボ1本」でありながら、そのプロダクトはそれぞれが個性に溢れている。
いつかは愛車にしたいという思いが、ますます強くなってしまった。参りました。降参です。
この日最後に私がドライビングしたのが、「プジョー208 Allure」(5MT:税込車両本体価格199万円)だった。
この角度から見ると、かつての「205GTi」を連想してしまう。
ステアリングの上から俯瞰するタイプの、メーターパネル。走行中の視線移動が少なくて済むというメリットがあるという。
そして、5MT!カタログ上のJC08モード燃費は19.0km/Lと、なかなか優秀。
「5MT&3ドアハッチ」は、もはや絶滅危惧種といえる。今から約25年前。私は「初代シティ」。尾車氏は「初代インテグラ」。ニータ氏は「初代ピアッツァ」。ジン氏は「ワンダーシビック」。D氏は「2代目CR-X」・・・みんな「5MT&3ドアハッチ」に乗っていたものだが・・・時代は、流れたのだネ。
で、インプレッションである。近年流行の3気筒エンジンを積むこのクルマ。アイドリングは極めて静かで、それが3気筒であることを感じさせない。スロットルを多めに開けると、その咆哮は元気良く響く。その音色は決して悪くなく、むしろスポーツ心が昂ぶって心地良い。
それよりも気になったのは、「クラッチのミートポイントが手前過ぎる≒踏み込んだ左足をかなり戻した位置で繋がる」ことであった。これは人間の方が慣れるしかないのだろうが、坂道発進ではサイドブレーキ併用は必定と思われる。このクルマには「ヒルスタートアシスト」が、欲しいなぁ・・・
とはいえ、チャキチャキ走るラテン娘のようなこのクルマ。決して印象は悪くない。
だが、同じ日に乗ったシトローエンの圧倒的な個性の前には、やや影が薄くなってしまうのは否めないかも・・・御免。
土曜のランチはラーメンであった。私はニータ氏よりの情報を基に、「旧あび跡地」にある「麺処雷一代」へ向かった。12時57分に現地に到着。
ここは、前払いの食券制である。
「青森産のシャモロック」をスープに使用しているというのが、このお店の重要なポイント。
アブラギッシュなモノを好む私のチョイスは、「軍鶏豚白湯(シャモブタパイタン:こってり系) 味噌味」(760円)。
13時08分、ラーメンとご対面。盛り上がった白髪ネギと水菜が、生け花のように美しい。
しっかりと太いちぢれ麺は、サッポロラーメンの王道を行く。もっちもちのぷりっぷり!
鶏ガラと豚骨のダブルスープを、味噌がまろやかさをたたえて融合。実に豊潤な味わいである。
なお、「軍鶏(シャモ)」と「普通の鶏」との違いまでは、私の舌では分かりませんでした・・・
加えて、ホロリと崩れてしまいそうなチャーシューの味わいが、これまた素晴らしい。
13時18分、今回も完食いたしました。満足のランチタイム。
「麺処雷一代」。駐車場がやや狭いのが難点だが、じつにウマかった。
出来れば再訪し、「軍鶏清湯(シャモチンタン:あっさり系)」を食してみたい。「軍鶏」と「鶏」との違いが、ひょっとしたら、私にも分かるかもしれないと、期待しつつ・・・