『ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤 (ハヤカワepi文庫)』
この作家の作品、『ザ・ロード』についで、本作を読んだのだが、終末期のイメージ。フロンティアとしてのアメリカのイメージそのものに人間性の終末のイメージを漂わせる。植民に歯向かうアパッチの頭皮を剥ぎ、ひたすら他者を殺し、自身が生き抜く。暴力的なイメージの強い本書を睡眠前のひとときの読書に選んだのは最初のうちはいかがかとも思えたが、意外に本書のイメージは夢には登場せず、夢ではむしろ懐古的なものがリピートされたのは、どういうことであったか。もちろん、それは、私の問題であって一般化できるものではない。
他の作品にも訳書があるようだがもういいかな、という感じがする。