山口県に運送する農業機械のうち、どうしても動いてくれない耕耘機がありました。去年の夏はちゃんと動いてくれたのにウンともスンともエンジンがかかりません。この耕耘機は4年ほど前(2007年)の6月にいただいたものですが、これまで動かなかったことはありませんでした。去年の夏も田植えの準備に活躍してくれました。最初、厳冬期だから動かないのかと思っていました。
寒さのためか全くエンジンが動かない耕耘機
しかし、キャブレターをよく見るとガソリンがオーバーフローしていました。これはキャブレターを分解して直すしかありません。この耕耘機の製造メーカーはロビンです。今ではあまり聞きなれないメーカーです。問題のあるキャブレターを外そうとしましたが、排気管(マフラー)が干渉してなかなか外れず苦労しました。
ガソリンが溢れた空気吸入機関 最初に空気吸入機関を外す
それでもなんとかキャブレターを外しました。耕耘機自体が古いのでキャブレターも相当に汚れていました。この汚れではガソリンがオーバーフローするのも時間の問題だったのではないかと思います。取り外したキャブレターをさらに分解しました。
苦労の末、耕耘機から取り外した汚れたキャブレター
ガソリン機関の中で、キャブレターが一番精密な部品で構成されています。各種ネジ,バネ,フロート,ニードルバルブなどの部品です。分解しながら、部品が無くならないように並べておきました。寒さに震えながらもくもくと作業しました。
キャブレターに付いたネジ類 キャブレターのフロート関連部品
最後にガソリンのオーバーフローに一番関係するフロート関連部品を分解しました。ガソリンがオーバーフローするのは、ガソリンが溜まるとバルブを閉める役割をするニードルバルブに微妙な隙間があることが原因のほとんどです。ニードルバルブを上げ下げするフロートを最初にチェックしましたが特に問題はありませんでした。
ニードルバルブを上げ下げするフロートの付け根部分
次に、フロートを外してニードルバルブを取り外しました。すると、三角状の先端に段がついていました。この段がガソリンオーバーフローの原因ではないかと思います。この段が無くなるように、キャブレタークリーナーでよく洗いました。ついでに、メインジェットも取り出して観察しました。この部品もだいぶ汚れていました。
段が付いたニードルバルブ先端 汚れたメインジェット
さらに、ガソリンを溜める部分の底を見てびっくりしました。底には粘土状のゴミがたくさん溜まっていました。そして、ガソリンの排出口がそのゴミで詰まっていました。爪楊枝などを使って丁寧に詰まりを取り、キャブレタークリーナーで綺麗にしました。
詰まっていたガソリン排出口 詰まったガソリン排出口穴
分解したキャブレターを綺麗に掃除した後、再び組み立てました。そして、元のように耕耘機に取り付けました。ガソリンを燃料タンクに入れて燃料コックをひねりました。しかし、ガソリンのオーバーフローは直っていませんでした。がっかりです。修理が足りなかったようです。やむなくガソリンのオーバーフロー直前の状態で耕耘機の始動ロープを引きましたが、数秒間だけエンジンはかかりますがすぐに止まってしまいます。故障を放置したままではこの耕耘機を鈴木牧場まで移動することができず山口県に搬送できません。困ってしまいました。
直したキャブレターに燃料ホースを接続