この古いGeneral製トランジスタラジオ 6G630の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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先日、縮んだ革に水を含ませてラジオを収納できるように修理しました。革に水を含ませるのは邪道だとは思いましたが、革を伸ばす専用器具もないので素人考えで水を含ませてみました。乾燥が一気に進まないように3~4日かけて乾燥させたら、けっこううまく革が伸びてくれました。
伸ばした革を片めくりして、ラジオのダイヤルを露出
ところで、ラジオを収納する革はとても傷んでいます。ラジオに向かって左側面はちゃんと革が縫ってあり糸のほつれもなく傷みもほとんどありません。しかし、向かって右側面は糸がほつれて革が取れ悲惨な状況です。
痛みのない革の左側面外側 革の内側も傷みはなく綺麗
ラジオに向かって右側が傷んでいる理由は、右側はダイヤルを回したりするために革を開け閉めする頻度が多かったためではないかと思います。革細工の技術を持っていないので、自分なりに工夫しながら革を修理してみようと思います。そのためには、最低革細工用の針と糸を用意しようと思います。
傷んで外れた右側面の革 糸のほつれがひどい右側面の革
傷みがひどい右側面の革をよく見ると、三層構造になっています。外側は革,中間は厚紙,内側は薄い布を張り合わせた構造になっていました。この三層構造を維持するように修理してみようと思います。革を縫うミシンなど持っていないので、手縫いでじっくり修理してみます。
一枚の革は、上から革,厚紙,布を張り合わせた三層構造
手縫いで修理すると言っても手本がないので、傷みがない左側面の縫い方を手本にしようと思います。このラジオが販売された昔、このラジオを収納する革も同じ数だけ生産されたはずです。たくさんの革職人が動員されたのではないかと思います。現在販売されているラジオには、このような革が使われていることはありません。革を加工する職人さんがいなくなったことも、革が使われなくなった原因の一つではないかと思います。
傷みがない左側面の革、この縫い方を手本に右側面を修理する予定