10月の少年少女発明クラブがありました。今月は木工細工で小さな井型の小箱を作りました。その箱に時計のムーブメントを組み込んで時計にします。今回は板を加工して井型の小箱を作るまでです。しかしながら、小箱と言いながら板をノコギリで切ることは子供にとって難しいようです。そもそも家にノコギリがない家が多いこの世の中です。しかも保護者に木工の経験がないと子供が木工を体験する機会がありません。
最近、体験格差の問題が言われています。貧困格差もあるでしょうが、保護者の体験格差が子供の体験格差にも影響します。そう言う意味では少年少女発明クラブでの工作体験は子供にとって貴重だと思います。
木工を始める前に注意事項の説明
さて、木工を始める前にノコギリで切る筋を引きます。この時直角な線を引くための道具である差し金を使います。この道具を使えないと直線や直角線を引けません。私が見ていると、低学年生や今年初めて発明クラブに入った子は差し金の使い方が分からないようでした。そもそも直角の意味や、板に差し金を当てて直角線を引く理屈が分からないようです。
その点、何年も発明クラブにいる子供はすぐに正しい線を引いていました。子供達を見ていて体験のあるなしがよく分かります。
差し金で直角線を引く ノコギリで板を切る 切った板を磨く
板を切り終わると板がちゃんと切れたか確認します。ずれていると紙やすりなどで削って修正します。その後、時計のムーブメントの穴を開けます。板の中心に穴を開けるのですが、やはり中心の求め方にも経験が必要です。
次に釘で板を繋ぎます。金槌による釘打ちがうまくできない子供が多いです。ちゃんと真上から打てないので、どうしても釘が曲がってしまいます。何度も失敗してそのこつを掴んでもらえたらOKです。次回はラッカーを塗ってムーブメントをはめ込むなどして時計が完成します。
板の中心にドリルで穴を開ける 釘を打って板と板を繋ぐ