すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ミツバチに重い一言

2007年09月22日 | 雑記帳
 野口芳宏先生をお送りする車中で、先生がこんな逸話をしてくださった。

 「昔、野上弥生子がね、ほるぷの社員を前に話をしたことがあってね、君たちの仕事は、人が花を咲かせるためにしているミツバチのような仕事だ。とても大切なことなんだと言ったそうだよ。それで、かつてほるぷでは優秀な社員がミツバチバッチをつけることができる、それが誇りとなっていたそうだよ」

 残念ながら野上弥生子は読んだことはないが、ほるぷとは子どもの童話など随分親しみを持っている…などと肯きながら聞いていたら、先生がこんなことを仰っしゃるではないか。

 「沼澤さんがこんな会をやってくれていることも、ミツバチのようなことだね。」

 なんともったいないお言葉であった。

 野口先生を初めてこの地にお招きしてから、ちょうど10年。
 様々な形で会を開いてみた。そのどれもが印象深いし、自分の心には沁みている。
 しかし参加してくれた何人の人が花を咲かしてくれただろうか、などと考えながら、今日の研修会のふりかえりを話していたら、先生はこんな言葉を…

 「今日の話の責任は、すべて私。参加者の心にすとんと落ちなかったら、それは私の責任なのよ」

 何度か耳にした言葉であったような気がした。
 しかし午前中の車中で、一国の宰相の責任の取り方を「沼澤さんには悪いけど、やはり戦後生まれは、弱い」と断言なさったことが蘇ってきて、か弱いミツバチにはその重さがずしんと響いてきた。