すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

大きく振りかぶるというスタイル

2009年01月15日 | 読書
 ごくごく普通の野球ファンの一人である。
 活字中毒の傾向もあるので、結構読み物などで野球世界を楽しむこともある。
 正月に久しぶりに買った『アエラ』に松坂大輔のことなどが載っていて、その記事の一つに興味を惹かれた。
 編集部の伊東武彦という人が書いた文章である。
 
 ワインドアップというロマン

 書かれてからああそうだなと気づくのは、いかに自分が低級な野球ファンであるかを暴露したにすぎないが、最近の投手は走者がいなくてもセットポジション、ノーワインドアップが増えてきているらしい。そう言われれば結構目立ってきたなあと今さらながら思う。
 その理由は、体の軸のぶれを防いでコントロールをよくすることがあり、さらに人工芝球場におけるマウンドの問題もあるということだ。

 そういう現実があるなか、松坂は「ピッチャーは振りかぶって投げるもの」と自分の中でそう決めたらしい。
 この「振りかぶる」という動作は、反動を使いスピードを上げるということなのだが、そこに気迫のようなものが乗せられているようで、見ていて眩しく感ずるときがある。
 それが個性的であればあるほど印象的な姿で残る。例えば村田兆治しかり野茂茂雄しかり…。

 大きく振りかぶる。ただの野球のロマンだろうか。

 むろん、仕事に通ずる面もないとは言えないだろう。
 しかし現実がままならないからこそ、ロマンを感じさせてくれる姿を見ていたい多くの観衆がいる。
 合理的なことが全てではない。なんといってもワインドアップは胸をはることが前提だから。
 「野球」と名づけられたスポーツにはふさわしいスタイルだと思う。