すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

近距離通信法である言語

2009年01月14日 | 読書
 岩波書店の雑誌『図書』1月号に、中井久夫という精神医学を専門とする方が寄せている文章が面白かった。

 人はITによって近距離通信法である言語を遠距離通信、超遠距離通信に組織的かつ大規模に改変しつつある

 言語の起源をたどっていくとき、それが身の周りにいる人に発せられたことは間違いなく、それが徐々に拡大していったのだが、ここに来ての飛躍はもはや革命的と呼んでいいのかもしれない。
 ただ、人間の一番の得意である言語の本質は、やはり近距離通信なのだと信じたい。時代に対応していくための方法は模索しなければならないが、近距離通信として意識するならば、子どもたちに育てていくべきことはかなり絞られてくる。

 それはまず「声」であり、表情や仕草を大切にするということだろう。
 ともあれ、近距離にいる人に伝わらなければ、何も始まらない。