すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ゆれる映画を見ました

2009年10月05日 | 雑記帳
 振替で休みの月曜日。特に予定もなかったので、自宅であれこれ。

 録っておいた映画も見た。その中の一本、西川美和監督の『ゆれる』

 これは面白かったなあ。
 さすがに評判の作品という気がした。

 オダギリジョーと香川照之の組み合わせというのが、絶妙だ。
 最近の香川照之の活躍ぶりは誰しも認めると思うが、改めて「巧いなあ」と思わせる。
 顔全体のパーツを使った表情の作り方が完璧である。
 一方あまり表情を作らないというか、目やそぶりで演技するオダギリとの対比が秀逸である。

 兄と弟、地方と都会、堅実さと奔放さ…それらを重ね合わせた台詞にもぎくりとさせられる。

 「俺なんか、逃げてばかりの人生だ」と心情を吐露する弟に対して
 兄は、「つまらない人生から逃げ出しているだけ」と応えた。

 その隙間をどう認識していたか、どれほどの重さで抱えていたか
 裁判の証言をめぐって、何が正しいのか誤りなのか、まさに「ゆれる」二人だ。

 節目となる最後の面会場面を、画面をかすかにゆらして撮るなんて、ちょっと小憎いほどだった。