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美しい姿として残る条件

2009年10月19日 | 雑記帳
 「平成の三四郎」こと柔道金メダリスト古賀稔彦氏の講演を聴く機会があった。

 だいぶ講演慣れはしているんだろうなと思わせる口調、内容だったが、それでもやはり秀逸だと思ったのは、集まった小中学生を相手にしたワンポイントレッスンだった。

 打ち込み練習における「視線」の大切さはなるほどと思った。視線が「姿勢」を決め、それが技の完成度につながる。他のスポーツにも当てはまる大事な原則だ。
 一番心に残ったのは、打ち込みで技を決めた後のことである。
 
 投げた後に3秒ぐらいに姿勢を保つ(静止できる)
 
 自分で投げをうちバランスを崩すようでは、技の入り方が正しくないというのである。投げればそれでいいのではなく、つり手や引き手が正しく決まっていることが大事だという。
 
 ここで思い出したのは、弓道における「残心」。剣道でも使われる言葉である。

 精神的な言葉でもあるが、そこには技術的な要素が不可欠だ。
 つまり、正しい方向へ力を込めそれが決まった時、それは美しい姿として残る…とでもいえばいいだろうか。これは一つの技の場面にもあるし、競技全般に通しても言えることだ。

 日本人の多くは武道やスポーツにそういう姿を求めているように感じる。

 試合後のガッツポーズが美しく見えるためには、大切な条件があるということだ。