すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

みんな買えてしまう現実

2009年10月09日 | 雑記帳
 NHKの朝の番組を見ていたら、「勉強がすきになっちゃた」と題して、いわゆる学習グッズと称されるものの紹介があった。

 最初に紹介された「道具とテキストがセットになっている学習キット」。
 これは、つまり定規と単位換算器がセットになっているものだ。中間にある「1」が可動式になっていて、そこを合わせると「1ha=10000㎡」といったことが読み取れるようになっている。

 これを見て「ああ、懐かしい」と思った。
 
 そういうキットを自作したことがある。
 もちろん何かの本を見て作ったのだが、封筒と画用紙を使い、封筒に目盛りと単位を書き、中心部分を切り抜き、中にいれる画用紙を可動式にした。
 受け持っていた六年生(だったと思う)子どもたちにも作らせ、算数の難関である単位換算のまとめに利用した。

 二つ目の「板書をそのまま書き写すノート」といったって、結局はノートに「板書」と「自分の考えなど」をどういうふうにコーナー分けするかということである。
 こういうことならずいぶんと試行錯誤しながら、様々な形式を作り上げた気がする。国語や算数、それから社会などでもノートにコーナーを設けながら、ここに何を書けば効率的か、活用できるか、さかんに頭を悩ませて取り組んできた。

 今は、それが商品となっている。
 確かに便利だし、きれいだ、特別に高価でもないし、簡単に手に入れられるだろう。
 その分教師は頭を使わなくなったから創造的でない、などと結論づけるつもりはないが、作ることに手間をかけたこと、どんなふうにコーナーを設けるか悩んだことは自分にとってびっちりと詰まった充実した時間として思い出される。

 それが今、みんな金で買えてしまうという現実なのだということを受け止めてみる。
 そこから見えてくるものは、案外大きい。