すぷりんぐぶろぐ

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信じていい言葉を言う

2009年11月24日 | 雑記帳
 21日、花巻での鍛える国語教室に参加した。

 何より野口芳宏先生の元気なお話を聴くことができたことが嬉しく、また今回も充実した時間を過ごせたなと思う。
 先生の二つの講座で、心に残ったことを書き留めておきたい。

 光村6年の『海の命』を教材とした講座「文学教材の鑑賞指導」は、最近の野口先生のパターン、つまり叙述に即して問いをつくっていく進め方であり、学習用語を意識させ定着させていく形である。
 結局のところ語彙指導といってもいいわけだが、今回先生は次のような言葉で締めくくられた。

 語彙を高めるのに、一番大切なのはチャンスだ。

 教師が言葉にこだわりを持ち、その場その場に応じた指導を展開、拡充することが何よりの方策であるということだ。
 きっと日常の多くの学習の中にチャンスは転がっており、それに気付いて拾い上げていくことが語彙指導の結論とも言える。

 二つ目の『言葉と作法』は、いつもながら多彩な話題を縦横無尽に繰り出しながらも、それでいて結局「言葉」「言葉遣い」の大切さを深く感じ入らせる、まさしく名人芸の講演であった。
 「言葉を大事にするということはどういうことか」と問われた先生は、「信」の「人」と「言」に目をつけられ、こんなふうにまとめられた。

 信じていい言葉をいうのが教師なのだ。
 そうでなければ、教師は「職業的ペテン師」ではないか。

 おう、確かに、確かに。
 自分の口に出した言葉がきちんと自分の耳に入っているのか。
 頻繁に振り返り習慣づけなければ、おまえもペテン師の仲間入りだよ、と言われた気がした。