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対象を喜ばせてやる

2010年07月24日 | 雑記帳
 競馬の騎手が、「教育マガジン」に登場するようになったのは、ギャンブルというよりスポーツとしての認知度が上がったということだろうか。
 ある教材社の配布する冊子の巻頭特集として、騎手武豊へのインタビューが載っていた。

 騎手と馬との関係を、教師と子どもに置き換えるのはかなり無理があると思うが、次の点では関連付けられるものがある。

 わたしが一番大事にしているのは「馬を気持ちよく走らせる」ということです。いやいや走らされるのとは違って、自ら走りたいと思う馬はやはり強い。 

 「自ら学びたいと思う子」に育てたいと誰しも考えるだろう。
 そのためには「気持ちよく」つまり関心を高め興味を持たせて学ばせることが大事であることは納得できる。

 しかし、その点だけを強調していけないのも現実の世界。
 気持ちよさの種類もあるが、いつもいつもそれだけを求めるには無理がある。

 天才ジョッキーはこうも言っている。

 「きちんとやる」ということは、やろうとすることでもあるんだなと思いました。 

 この場合はもちろん対象は人間であるが、難しい課題にあたっても逃げださず向き合うことが、成長を考えるうえではとても重要になる。
 成否に関わらず「与えられた課題をやるかどうか」は決定的なポイントになるとも語っている。

 馬の調教では、能力面だけでなく気性面を考えながら一つ一つ課題をクリアしていく過程がある。むろん、安易な比較はできないが、「与えられた課題をやる」子どもに育てるためには、あれこれと手管を操る必要がある。

 結果、一番大事なことは「喜ばせてやる」ことなんだなという結論になる。
 そのためのずいぶんと細かいことを騎手は、そしてもちろん調教師と周囲の方々もやっているのだと思う。