すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

学ぶ目が美しい

2010年07月23日 | 雑記帳
 「2009 AUTUMN」とあるから、もう一年近く経つわけか…そんなことを思いながら、またその表紙を見つめた。

 「共済だより」という、まあ一読したら後は捨てるだけの小冊子。しかしどうもこの表紙が気になった。撮影した写真家は沼田早苗で本文の方に若干の解説がある。

 場所はタイ国境近くにあるミャンマー難民キャンプである。
 その「分教場」の様子を、おそらく教師の横から子どもたちの様子と表情をとらえた写真だ。

 一列10人ほどの子が5列。およそ50人の子が教師の方を向き、何か声をあげている(読んでいる?歌っている?)瞬間だ。
 その視線の真剣さとともに、ほとんどの子が腕組みをしている姿が印象的だ。

 たぶん教師の話を聞くときのルールだろう。後方でやっていない子が少し目立つのは、やはり注意の視線が届かないからか。
 それにしても腕組みとは。
 手遊び防止のための手段だとは思うが、私たち日本人?大人の感覚では、腕組みはある意味傍観、批判的なサインでもあり、何か不自然な感じを抱いてしまう。

 子どもももちろんそれは感じているはずで、注目する眼差しが強く、口を大きく開けているような子は、どうしても腕がほぐれているようだ。
 当然のことである。
 それが身体で反応するということだから。

 難民キャンプではスタッフも足りず、80歳の老婦人が教鞭を執ることもあると書いてある。
 そういう困難さのなかで、おそらく満足な教材もないなかで、そしてきわめて原始的?なルールがあるなかで、かくも子どもたちの学ぶ目は美しいものだなあ、とまた思ってしまった。