すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

書のチカラを感じて

2010年07月13日 | 雑記帳
 昨日は地区の書写審査会があった。
 二、三年ぶりに参加して、以前もそうだったがたまたま三年生の担当となった。

 そんなに得手でもない書写であるが、一応指導はしてきたのである程度の見方は知っている。しかしそれはそれとして、多くの出品作を見ていると審査を忘れて、時々見入ってしまう作品に出合うことがある。

 それは、書写を授業として始める三年生であることと無関係ではないだろう。
 つまり、筆を持ってまだ何ヶ月いや何時間もという子もいるだろう、そういう初心者の子どもの堂々とした書きぶりに、おおうっと心動かされるということだ。
 お手本に近い金賞作品ではなく、銅賞いや入選と名のついた選外作品の方が、そうしたものにお目にかかる可能性が高い。

 一言で言えば、エネルギーを感じるとでも表現しようか。
 腕の延長としての毛筆といった面持ちで、その力強さがでてくる。

 もちろん毛筆は太くも細くも強くも弱くも書ける道具であることが特徴であり、私の目は一面的な部分しかとらえていないのだが、三年生という条件の中では、そこが一番発揮しやすいのかもしれない。

 『pen』という月刊誌が「書のチカラ」という特集を組んでいた。それを読んでいると、私がいいなあと感じる訳はきっと身体を使っているからではないかと予想ができる。

 自らの身体性を筆にこめる、そんな大げさではないが、筆の扱いが未熟ならば未熟なほど、手先や指先、腕先にこだわることができず、かえって身体全体とのつながりを生んでいる…というのはこじつけ過ぎだろうか。