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リーダーを必要とする活動とは

2010年09月01日 | 読書
 どんな体験がリーダーを育てるのだろうか。

 『児童心理』誌に、汐見稔幸氏が興味深い例を示していた。

 札幌市のある民間保育園の例である。自前のバスで山林に連れて行ったときの出来事から園長先生が結論づけた言葉だった。

 リーダーが必要な活動って、失敗するとけがをするかもしれないとか、手を抜くと危ないとか、もっている力を120%発揮するとすごくおもしろいことができるとか、そういう活動なんだということがわかった。そういう活動に取り組むときに、初めてリーダーが必要になるんだ。
 
 納得である。
 そして、この箇所を読むと、学校がいかに窮屈な場であるかも感じてしまう。

 「失敗するとけがをするかもしれない」「手を抜くと危ない」…そういった活動は、事前にチェックし、けがをしない、危なくないことが前提としてある。まして、そうした活動を子ども中心で行うなどとしたら、それはもう危機管理不足の一言で片づけられるかもしれない。
 
 しかし、考えればそういう小さな?リスクを背負いたくないために、リーダー不在という途轍もない危機を迎えようとしているのがこの国ではないか。
 おっと突然話が大きくなってしまった。抑えて抑えて…。

 では何ができるか。
 現実的に「もっている力を120%発揮すると、すごくおもしろいことができる」、これはやれそうではないか。
 こういう体験をいくつか積み重ねている子どもたちは、きっと起爆力も備わるように思う。

 大がかりなものでなくとも、学級活動の中でイベント的なことを組んだり、外に向かってアピールできる活動に参加してみたり…。
 むろんここにも制約的な要素が振りかかってくるだろう。
 それをどう振りはらうか、また逆に巻き込んでみるか、ちょっと戦略的な要素が必要だ。
 
 結論として「味方をつくる」だろうか。

 ここには、それを仕かける教師のリーダー性も不可欠になるということだ。
 その活動をすごく面白いと思うことによって成り立つわけだが。