すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

進歩は小事に宿る

2010年09月07日 | 読書
 『森信三 一日一語』(寺田一清編 致知出版社) を読了した。
 
 仕事に「身を捧げる」ことができる人の大きさ、深さを感ずる。
 こうした献身的な偉人は数多くいるだろうが、この著書の中に「田中正造」の名前が出てきたときは、なるほどと感じた。

 教科書に載っていた当時に繰り返し学んだ田中正造の生き方に通ずる意志の強さ、これは実に色濃く、様々な文言にある。
 森先生は『田中正造全集』発刊の陰の功労者でもあるという。

 そういう目で、またページをめくってみると、凡人にはため息の出る、叱責されているような言葉のなんとも多いことよ。

 人間は、進歩か退歩かの何れかであって、その中間はない。
 現状維持と思うのは、実は退歩している証拠である。
 
 とても無理無理と言って、こうした本を遠ざけるのは、これはもはや退歩そのものであり、せめて…と思う。
 
 親論、子育て論だけでなく、食べ物のことや男女関係のこと、日常の細かい心がけなどもあって、意外な発見もある。
 この言葉もぴりっと光る。

 「笑顔は天の花」
 笑顔によって、相手の心の扉が開けたらー。

 解説によると「鏡笑法」と称して、毎朝、鏡に向かって笑顔の練習をすることを勧められたという。

 進歩は小事に宿る。