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漢字の国,金の国

2012年12月13日 | 雑記帳
 昨日の昼、ニュースで「今年の漢字」が発表されたと思ったら、まもなく職場に「漢研」よりFAXが送られてきた。

 2012年「今年の漢字」
 応募数第1位は「金」


 応募数の3.54パーセントでの1位がどれほどの支持なのかちょっとわからないし、ややマンネリ気味のような気もするが、改めてこの国の「漢字好き」?には納得させられる。

 かなり前から「あなたの好きな漢字一字は?」とか「今年の貴方の一字は?」などはあったが、教科指導のなかでも文章の初発のイメージや読み取りのまとめ方の工夫としても使われるようになっている。

 やはり漢字という言語の持つ意味の多様さは、汎用性が高いものだなあと思う。
 そして、造語を支える大きな要素になっている。

 先日、ある会議で資料にこんな言葉を見つけた。

 「互尊意識」

 ああ「自尊」と対をなすという考えか、「ごそん」と読むのだろうとまではすぐわかったが、はたして辞典にある言葉なのか…。すぐに調べたが、手元の電子辞書(広辞苑、明鏡、他)には載っていなかった。

 それでも十分に意味が通ずるところがえらい。
(後日調べたら、「互尊独尊」という四字熟語があることを見つけた。あまり一般的ではないが、これも意味はつかめる)


 今日、通知表の学習の項目点検をしていたら、六年算数にこんな項目があった。

 「身の回りにあるものの概形をとらえ、およその面積を求める」

 「概形」という言葉が気になったので、算数科の指導書をみたら確かにその言葉は載っていた。
 念のため、電子辞書で調べてみると、これはない。
 教育や研究に使われる特殊な用語なのだろうか(大辞林にはあるとのことだ)。

 では、概形を「おおよその形」と言い換えた方が親切かなと考えるが、どうも後の文章との言い回しがよくない。結局「概形」でもわかるだろうということになる。
 そう判断できるのは、やはり漢字の国の強みなんだなあと、改めて思う。


 それにしても「金」である。
 オリンピックや天文現象などがその理由として挙げられている。確かに「金」はイメージとしてこれほど輝かしいものはない字だが、字源としては「大漢和辞典」(学研)によると、「『今』(おさえたふた)+『土』+『砂金』(きんのつぶがちらばっている)」といった意味からできているらしい。

 輝かしいものが何かに押さえられているとしたら、閉塞感充満のこの国の現在にこれ以上ふさわしい字はない。
 そういえば、かの半島の国も、その字のつく人に押さえられている状態ではないか…などと変なことにも気づく。