雑誌ブルータスがまた粋な特集をして,『文芸ブルータス』という号を出したのは,12月初めだった。
http://www.zassi.net/detail.cgi?gouno=32599
他の文庫本などもあったので,この三連休になってからようやく読み始めた。
半分ぐらいは,一冊も読んだことのない作家たちだ。
冒頭に掲載されている有川浩は,『阪急電車15分の奇跡』の原作者ということは知っていたが,映画を見ただけで小説は読んでいない。
どんなものか,どれどれと読み始めたが,この『みとりねこ』がなかなか面白かった。
犬や猫と一緒に暮らした経験もないし,おそらくこの後もないと思うのだが,動物好きでそういう経験をもっている人なら,これは泣けるんではないかなあという気がする。
拾われた猫が,時期を同じくして生まれたその家の子どもの成長を見守り,その子の独り立ちの時に寿命を終えてしまう話だ。
実は先月,私的な祝いの場でそれと似た物語があり,自らの感情を吐露した方がいた。
私自身は様子こそ想像できてもぴんとこないし,ある面では可笑しみさえ覚えてしまったのだが,今この小説に重ねてみると,やはりジーンとくる話ではある。
こんな言葉を,話者である「浩太(ねこ)」が語る。
猫は訪れる摂理に逆らわない。
この人間こそが,最終的に逆らえないと知りつつ,逆らおうとしてもがく者か。
しかしある意味,そのもがきが文化となり,文明を作ってきたとも言える。
どこまでそのもがきが続くのか,そんなふうに地球上の他の生物は見ているのかもしれない。「みとりナントカ」となって…。
どうして,こんな壮大な結論になるんだ。
年の瀬の感傷か。
http://www.zassi.net/detail.cgi?gouno=32599
他の文庫本などもあったので,この三連休になってからようやく読み始めた。
半分ぐらいは,一冊も読んだことのない作家たちだ。
冒頭に掲載されている有川浩は,『阪急電車15分の奇跡』の原作者ということは知っていたが,映画を見ただけで小説は読んでいない。
どんなものか,どれどれと読み始めたが,この『みとりねこ』がなかなか面白かった。
犬や猫と一緒に暮らした経験もないし,おそらくこの後もないと思うのだが,動物好きでそういう経験をもっている人なら,これは泣けるんではないかなあという気がする。
拾われた猫が,時期を同じくして生まれたその家の子どもの成長を見守り,その子の独り立ちの時に寿命を終えてしまう話だ。
実は先月,私的な祝いの場でそれと似た物語があり,自らの感情を吐露した方がいた。
私自身は様子こそ想像できてもぴんとこないし,ある面では可笑しみさえ覚えてしまったのだが,今この小説に重ねてみると,やはりジーンとくる話ではある。
こんな言葉を,話者である「浩太(ねこ)」が語る。
猫は訪れる摂理に逆らわない。
この人間こそが,最終的に逆らえないと知りつつ,逆らおうとしてもがく者か。
しかしある意味,そのもがきが文化となり,文明を作ってきたとも言える。
どこまでそのもがきが続くのか,そんなふうに地球上の他の生物は見ているのかもしれない。「みとりナントカ」となって…。
どうして,こんな壮大な結論になるんだ。
年の瀬の感傷か。