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通過点である二人の引退

2012年12月28日 | 雑記帳
 朝から部屋の片づけをしていたら,松井秀喜の引退のニュースがとび込んできた。
 松井は好きな選手の一人だ。理由はいくつもあるが,多くの人が想像できることだ。

 今年はもう一人好きな選手が引退した。
 小久保裕紀である。
 巨人ファンの自分にとって,それまであまり関心を持っていなかったが,あのダイエーからの電撃的なトレードに関わるエピソードは強烈だった。まさに「男意気」そのものだったと思う。

 そういえば,この二人には共通点がある。

 読書である。

 松井は,星陵高校時代に山下監督の「読書の千本ノック」を浴び,「彼ほど読んだ高校生はいない」とまで言わしめた。
 プロになってからの作家伊集院静との交流もよく知られていて,表面にはあまり出ていないが相当の読書家であることが想像できる。

 小久保が,球界随一の「読書家」であることを知ったのは,つい最近雑誌記事で読んだ。歴史小説や自己啓発関連書が中心のようだ。
 あの斎藤一人に触発されてと言うが,次の言葉は凄い。

 「これだ!」と思う本に出会ったら,最低でも7回は読むようにしています。

 繰り返し読む本はあるにはあるが,自分の胸に手を当ててみても7回重ねて読み切った書はない。


 一流の人物は例外なしに読書家であるという事実は,学ぶという本質にかかわることだろう。
 対象に向き合う,素直に受け入れる,問いを発する,そして,あきらめずに寄り添う…学び続けるとはそういうことだ。

 現役引退は避けて通れないことだが,同時に通過点であるという思いも,この二人なら持っていると思う。